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ハッピーでトラディショナルなナポリ人のサマーバケーションにチラついたジェンダーロール
さて、アグロポリで過ごすサマーバケーションはそれから5日ほど、判で押したように同じことを繰り返す日々が続いた。起床して簡単に朝ご飯を済ませたら、コーヒーとパニーノをこさえてビーチへ行って日暮れ前までぼーっとして帰る、のループ。飽きたと言えばそれまでなのだが、同時にこれ以上ない贅沢のような気もする。不思議な時間だ。
ビーチから撤収したあとのディナーの準備はもっぱら女性陣の仕事だった。マリアが台所の
ナポリ式サマーバケーション、夜の市街地でのお楽しみは情熱ダンスと禁断のジェラート
ナポリ東端のサマーバケーションのメッカ、アグロポリ滞在2日目。この日はモニちゃんと叔母のマリア、叔父のジジ、僕の4人でアグロポリの市街地を観光しながら食べ歩きをすることになった。市街地に到着してすぐ目についた屋台には大量のレモンとホルモンらしき肉がディスプレイされていて、マリアは見るなり「懐かしい。オムスだ」と言って目を細めた。
なんだろうと思って屋台を覗き込むと、店主はサーベルのような包丁で豚
誕生日ケーキは自分で調達せよ!ナポリ初心者の僕が「ナポリ式誕生日」をどっぷり堪能した長い1日
僕に課せられた誕生日ミッションは、マリアのはからいによって「家族全員にご飯を奢る」というハードモードを逃れ、「ドルチェが評判のバルでホールケーキを調達する」というそこそこの難易度に調整された。
とはいえ、ちょっとモニちゃんに付いてきた異邦人である僕が、見知らぬナポリの下町フオリグロッタでホールケーキを調達できるのだろうか。
目的のドルチェが美味しいあのバルは、平日でも週末でも人でごった返してい
ナポリで誕生日を迎えてしまった僕を待ち受ける「ナポリ式誕生日」の洗礼
イタリアに滞在している間、モニちゃんの親戚に20人近くに会った。そしてその親戚たちの多くはナポリのフオリグロッタという地域に住んでいて、僕もフオリグロッタのB&Bを借りて過ごしていた。
モニちゃんは僕のB&Bのすぐ近くにある叔母のマリアの家に寝泊まりするのだが、マリアの家は親戚たちにとってベースキャンプのような場所で「とりあえずマリアの家に行くか」という調子で人が集まる。
多くの親戚と共に1ヶ
ナポリの水回り事情。想像と現実
初めてイタリアに長期滞在するにあたって最も懸念していたのは水回りのインフラだった。具体的にはトイレ、水道水、風呂で、これらは多くの日本在住者が海外旅行する際に気にするポイントだろう。
まず、トイレは「まあ我慢できる」レベルだった。とはいえ、注釈をつけると「公衆トイレは除く」のだが。公衆トイレは小便器はパパっと済ませられるのでいいのだが、個室のトイレには便座がない場合が多く戸惑った。
いやいや、
もし、ナポリ人が口喧嘩をしていたら…
僕が日本人だと言うと、だいたいのナポリ人は胸の前で手を合わせてお辞儀をするポーズをとる。僕は普段の生活であのポーズをとることはほぼ皆無だし、多くの日本人も同じだろう。
長期滞在しているB&Bのオーナーのチーロも、僕が日本人だと知ると手を合わせてお辞儀してきた。こちらも脊髄反射で同じポーズをしたくなるのだが、そうするとお辞儀のポーズを受け入れたことになってしまうので、それはモヤモヤする。
なので
ナポリ下町の最安値B&Bのオーナー・チーロと素晴らしくテキトーな仕事ぶり
僕が約1ヶ月ほど宿泊したいと伝えると、B&Bのオーナーのチーロは紙とペンを取り出して「Giapponese(日本人)」というタイトルでメモをとり始めた。
タイトルの雑さに思わず笑ってしまったが本人はいたって真剣。まるまる1ヶ月同じ部屋を確保できなかったため、数日おきに部屋を移動しなければならないらしい。
チーロはスマホで予約帳の管理画面をいじりながら、1日ずつ「Giapponese」のメモ帳に