サイレント・コネクション 第15章
斉藤防衛大臣の「臺灣民主共和国に基地を置く」発言から1か月が経った。臺灣民主共和国にいる貴仁は、苦しい立場にいた。臺灣民主共和国、日本、米国の軍隊による軍事演習が何度も行われ、その報復措置として中華連邦の軍事演習が常態化している。
臺灣民主共和国の人々は口々に「あんなのは望んでいない」と言う。まさにその通りだ。戦争を望んでいないのに、関係ない大臣が火に油を注ぐ。本当に腹立たしい。
貴仁は日々、現地の人々と接しながら、彼らの懸念や不安を聞いて回っていた。彼らは平和を求めており