熊田健大朗

書く役者。徒然何でも屋さん。

熊田健大朗

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【自己紹介】〜書く役者って何ですか〜

はじめまして熊田健大朗です。 本来であればもっと早くに自己紹介をするべきだと思うのですが「誰が興味あんねん」という心の中の客観視関西人が僕の指を止めた為、今に至ってしまいました。 noteを利用し始めて8ヶ月程が経ち、他の方の作品や記事を目にする機会が増えました。 その際にこの人はどんな人なんだろうと気になる自分が居て、もしかすると自分の作品や記事に対してもそう思って下さる人がいるかもしれないと思い、心の中の客観視関西人を押さえつけ今この文を打ち始めています。 note

    • ジャッカルのレシピ

      Team Jackal Feast (チームジャッカルフィースト)という団体がある。 他人行儀な言い方だが僕の所属する団体でメンバーは僕を含めて四人。 2023年4月3日、つまりちょうど1年前に結成された。 結成の経緯などを話せば前置きが長くなるので一言で表すと 【ひょんな出会い】この言葉に尽きると思う。 さて、二年目を迎えるにあたってこのTeam Jackal Feastを主観的に、客観的に見ていこうと思う。 そもそもの話、Team Jackal Feast は何を

      • ボクのハイキュー。

        先日『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』を見た。 なんとなく映画を見たくて時間的にちょうど良いのがこの作品だった。 週刊少年ジャンプに連載していたこの作品。 連載当時僕は購読者だったから一話から最終話まで一応目は通している。 それに舞台ハイキューで知り合いが何人か出ていたこともあってなんとなく身近な作品だった。 映画を見ながらこの人誰だっけと思ったりもしたが存分に楽しめる良い映画で充実した時間を過ごすことができた。 そして思い出す、バレーボールとの思い出を。 話

        • のび太くんで居てほしい。

          久々の更新ですがこの記事ではタイトルのキャラクターが存在する世界とは程遠いちょっぴりと現実的な話をしようと思っております。 少し長くなる気がするのでお暇な時にどうぞ。 イベントやライブ、舞台でのチケット転売譲渡に関して僕の思うところ。 イベントやライブといっても色んな規模があってそれぞれに事情があると思うのであくまでここではキャパ300人以内の催事で思うところ。 そして、転売と譲渡の違いもニュアンスが難しいのでここでは 【転売→定価以上で他人に販売すること】 【譲渡→定価

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        【自己紹介】〜書く役者って何ですか〜

          上京ってなんだろう。

          上京ってなんだろう。 僕自身6年前に大阪から東京へやってきた。 気が付けば芸歴の半分は東京で過ごしているのだが改めて上京について考えていこうと思う。 これはあくまで僕の主観で誰かに押し付けたい意見じゃない。 けど、もし上京を考えている人、上京してもがき苦しんでいる人(役者等)がいるのであれば参考にして良いかもしれない。 臆病者がそんな欲と予防線を先に張っておく。 ネットの辞書で上京を調べると ”地方で暮らす人が都に行くこと。特に東京へ行くこと” と表記されている。 まぁそ

          上京ってなんだろう。

          手紙〜間宮家の34通〜が朗読劇化します。

          創作大賞2022で入賞した「手紙〜間宮家の34通〜」が朗読劇化することになりました。 ってなわけで改めてこの作品に対する想いや書き始めたきっかけを独り言のように打ち込んでいこうと思っています。 余談ですが、普段noteの記事や自分の作品を書く際に通うカフェが混雑していたのでずっと避けてきたスタバでこの記事を書いています。 スタバを避けてきた理由はお洒落な雰囲気が漂いすぎて僕みたいな人間はまだ入ってはいけない、入場許可証を持つことが許されていない、そんな感覚があったからです

          手紙〜間宮家の34通〜が朗読劇化します。

          コインランドリーズ〜らしくない夜〜

          0話「コインランドリーズ」 1話「コインランドリーズ〜ホントのはじまり〜」 2話「コインランドリーズ〜となり合う背中〜」 ブウォーン ブウォーン 浩太は劇場でひとり漫談をしている際に響く空調機の嫌な音を思い出した。普段心地の良いこの音がこんなにも不安を煽るように耳に鳴り響くとは思ってもみなかった。 「浩太さんネタ飛んだんですか?」 耳元で囁く龍太郎の声もどこか遠く聞こえる。 鳴叉が用意すると言ったお披露目のステージを明日に控えた二人はいつものコインランドリーでネ

          コインランドリーズ〜らしくない夜〜

          さんまのスーパーからくりTVに出演していた僕の話。

          タイトルの通り僕はさんまのスーパーからくりTVに出演した事がある。 あれは高校2年生の頃だった。 ↑を読んで頂くとわかりやすいと思うが、その頃の僕は役者を志したものの大学進学を条件として突きつけられ燻っていた時期だった。 そんなある日、家族で食事をしながらさんまのスーパーからくりTVを観ていると「からくり映画ハリーポッターリポーター発掘プロジェクト」という企画が動き出すという告知がされていた。 日本でハリーポッターと死の秘宝が公開されるにあたってワーナーブラザーズから

          さんまのスーパーからくりTVに出演していた僕の話。

          【ショートショート】「セリヌンティウスは激怒した」

          メロスは激怒した。 という太宰の一文から始まる物語にセリヌンティウスは激怒した。 その事を聞きつけ週間古代の新人記者である佐藤はセリヌンティウスの元へ走った。 佐藤がセリヌンティウスとの待ち合わせ場所である喫茶クリーオスに着いたのは予定時刻より2分過ぎていた。カランというベルの音と共に店内に入り辺りを見渡すと一番奥の角席でセリヌンティウスがクリームソーダを飲んでいる。 佐藤は席に近付き「セリヌンティウスさん」と声をかけ、遅れた事を詫びようとしたが、謝罪の言葉を発する前に

          【ショートショート】「セリヌンティウスは激怒した」

          コインランドリーズ〜となり合う背中〜

          ① ② バンッ 「ふざけてんのか!」 浩太は両手の平で机を鳴らすとドラム式洗濯機が驚いて洗濯を止めてしまうのではないかと心配になる程の声で怒鳴った。 目の前に座る龍太郎は今なぜ自分がこんなに怒鳴られているのか理解できず一応自分の背後を確認したが「お前に決まってんだろ」とすかさずツッコむ浩太にそりゃそうだと感じながらも理由はわからないままでいた。 一時間程前、午後六時を迎える頃。 龍太郎は椅子に座りコインランドリー内に設置された時計を見上げていた。 長針と短針が

          コインランドリーズ〜となり合う背中〜

          コインランドリーズ〜ホントのはじまり〜

          ※この物語はnote版「コインランドリーズ」の続編です。 まだお読みになっていない方は下のリンクからお読み下さい。 ドゥンチャン ドゥンチャン ドゥンチャンチャンチャン 安っぽい出囃子と共に舞台上の照明が照らされると袖から浩太がサンパチマイクに向かって小走りでやってきた。 「どうもー虎井浩太です。今日も漫談に挑戦していきましょう、トライだけに」 ぽつぽつと埋まる客席から笑いが起こることはもちろんない。 笑いの無いこの間に慣れている浩太は気にすることなく話し続けた

          コインランドリーズ〜ホントのはじまり〜

          夢で僕はネコを飼う。

          これは小説ではなく本当のこと。 事実は小説より奇なりというがそこまで奇天烈な話でもない。 今年に入ってからよく夢をみる。 きっと今までもよくみていたのだろうけど覚えていない。 そういう意味では今年に入ってからよく夢を覚えている。 時には空を飛んでいたり、時には誰かに追いかけられていたり 夢はオムニバス的なものだと思っていたけど最近の僕の夢はドラマのように物語が進んでいく。 夢の中。 僕は子猫を飼い始めた。 片手に収まるほど小さく真っ白な毛、対照的に目は真っ黒でまんまる

          夢で僕はネコを飼う。

          ベランダ

          リサイクルすることば へその緒、カーテン、タピる、かたむすび、不要不急、夜回り、100年に一度の星空、ミサイル、カウントダウン、夜を埋めて 「ベランダ」 作:熊田健大朗 彼から別れの電話がかかってきたのは23時57分だった。 0時ちょうどに彼の誕生日を祝う連絡をするため携帯とにらめっこしていたからよく覚えている。 電話を切ったのが0時ちょうど。 たったの3分で2年と半分の付き合いに終止符が打たれた。 彼が放った「好きな人ができた」という言葉はどんなミサイルよりも強

          河川敷の演説

          リサイクルすることば 緊急事態宣言、旗、お母さん、顔面蒼白、キープ、踏切、5000円、一炊の夢、君に逢いたかった、音色 「河川敷の演説」 作:熊田健大朗 夕暮れの河川敷で声が響いた。 「今日は革命の日である。今こそ我々若者が大きく旗を振り翳し、日々募る想いを訴えかけるべきなのだ!」 赤いはそう叫ぶとポケットからハンカチを取り出し曇り空に掲げた。 僕はそれを適当に聞いて軽い拍手を送った。 「赤井、そんなんじゃ笑い者だぞ。全校生徒に馬鹿にされて終わりだ」 「黒田にはまだ

          河川敷の演説

          きっと。

          リサイクルすることば 一眼レフ、干からびたカエル、森羅万象、髭面、宇宙、海、青天の霹靂、フリーメーソン、サイダー、台風、サムネイル、蟻の巣 「きっと。」 作:熊田健大朗 空から手が伸びてきた。 その手は海の水を少しだけ掬って空へと戻っていった。 夏の終わり、あまりにも突然のこと。 曇りの日の青天の霹靂。 でも私はあまり驚かなかった。 なんとなくそんな気がしてたから。 小学校の自由研究で蟻の巣のキットを使った時に思った。 地球も、もっというと宇宙も誰かのキットなん

          拝啓、赤ずきんさん。

          ばあちゃんが死んだ。  いつもと何ら変わらないこの家。唯一違う所はどこにもばあちゃんがいないこと。仏壇にばあちゃんとじいちゃんの写真が寄り添っている。僕はじいちゃんに会ったことはないけどきっと鴛鴦夫婦だったと思う。  物心つく前に両親を亡くした僕にとってばあちゃんは母親代わりだった。大学に入ってこの家を出るまでずっと2人で暮らしいてた。ぼーっと部屋を眺める。月に1度は帰っていたけどなんだか懐かしく感じた。身長を刻んだ柱の傷。ばあちゃんの達筆な字で数字が書き込まれている。一番

          拝啓、赤ずきんさん。