見出し画像

ポジショニングをおさらいしてみた〜顧客の頭の中に市場をつくる〜

こんにちは、akippaでPdMをやってます熊谷です。元マーケターです。
マーケティング戦略について社内で話す機会が増えてきたので、マーケティングをおさらいしてます。

せっかくなのでnoteの記事にしてまえ!ということで勢いでキーボードを叩いております。

今回おさらいするのが、「ポジショニング」です。
マーケティングフレームワークとして語られるSTPにおけるPですね。

まだPdMになる前、消費財のマーケティングに携わっていたころのノートを見ながらおさらいしていきます。

マーケティング時代の日々の学びを書き連ねたノート

ポジショニングとは?

特定の顧客層に対して、製品やサービスをどのように位置づけるかを決定すること。これには、ブランドの価値提案、競争優位性、顧客が抱く企業や製品の認識などが関わります。

これをもとにターゲットにとどける価値、販路、価格、販促、メッセージ、クリエイティブが戦略的に設計されていきます。(いわゆるマーケティングの4P)

よく、媒体戦略から先に語られるのを目にしますが、それは間違い。「何を誰に伝えるか」から「どこでどう伝えるか」を決めていきます。


よく見る4象限のマトリクス

また、4象限で顧客を分類し、アプローチする層を決めることをポジショニングと言っているケースも目にしますが、それはS(セグメンテーション)とT(ターゲティング)であり、ポジショニングまでいきついていません。

その層に対して、プロダクトやサービスをどう位置付けていくか、彼らの頭のなかにどういう市場を作りにいくのかを設計するのがポジショニングです。

ポジショニングのまえにS(セグメンテーション)とT(ターゲティング)が必要

必要というか、これらがないとポジショニングしようがないと言ったほうがいいかもしれないです。

企業は全ての人々を一気に相手にすることは不可能であり、自社が得意とする人々から優先的にアプローチしていかなくてはならないからです。(皆に好かれようとすることは誰からも好かれないことと一緒。)

SとTについてChat GPT-4さんに聞いてみました。

セグメンテーションとは

市場を明確な顧客グループまたはセグメントに分割するプロセス。セグメンテーションは、年齢、性別、地域、ライフスタイル、消費行動など、さまざまな基準に基づいて行われます。

お告げ from Chat GPT-4

セグメンテーションの切り口は無限にあり、上記以外では顧客の心情なども含まれます。

ターゲティングとは

セグメンテーションの後、企業は特定のセグメントをターゲットとして選択します。この選択は、企業のビジネス目標、利益マージン、競争状況、市場の成熟度などに基づいて行われます。

お告げ from Chat GPT-4

さまざまな切り口をクロスさせて顧客を細分化し、自社がいま相手にすべき顧客層を定義する。これがセグメンテーションとターゲティングです。

これらを経てポジショニングへと進んでいきます。

色んな企業のポジショニングの事例を、マーケティングの4Pにそって見ていきます。

Productにおける事例:鼻セレブ

画像引用:鼻セレブ|nepia

化粧水成分を含ませたティッシュで「何度も鼻をかんでも鼻が荒れにくい」という保湿ティッシュのポジショニングを築きました。

ウサギをつかって鼻まわりのうるおいをイメージさせたパッケージも秀逸です。

Priceにおける事例:GODIVA

画像引用:ゴディバ GODIVA ブランドサイト

他のチョコレートよりも高価格にすることで、「高級なチョコレート」というポジショニングを築いています。

チロルチョコとGODIVAをプレゼントされた場合、どちらが嬉しいでしょうか?

Placeにおける事例:一子相伝の陶器

画像引用:世界一の民陶といわれた小鹿田焼(おんたやき)の歴史に迫る|九州旅ネット

窯元や一部の百貨店などに販路をしぼりにしぼることで「伝統工芸」のポジショニングを築いています。

これが生産能力を拡大して色んなところで買えるようにしてしまうと、そのポジショニングは壊れてしまいます。(ターゲットを変える戦略という見方もありますが。)

Promotionにおける事例:ABCマート

画像引用:ABCマート

ビジネスシューズの2足目半額が業界に与えた影響は大きいでしょう。

それまでのビジネス用の革靴は、高価な専門店で購入するのが普通でした。
若手のビジネスパーソンをターゲットに、「革靴買うならABCマートでじゅうぶん」というポジショニングを築きました。

ビジネス用のスーツにまでこの戦略は波及していきましたね。

Promotionにおける事例:ペプシ

ちょっと古い事例ですが、"Come Alive! You're in the Pepsi Generation"というキャンペーンでコカコーラの名前を一言もださずに競合と自社をポジショニングしました。

活力ある世代の飲み物=Pepsi、ありきたりで無難な古い世代の飲み物=コカコーラといったポジショニングでしょうか。

ProductとPlaceにおける事例:クイックルワイパー

クイックルワイパーは折りたたむことで掃除用品コーナーに置かれないようにしました。
いまやコンビニやドラッグストアなど色々なところで購入できますね。

しかし、なかやまきんにくん売れっ子だ。

まとめ

私のマーケティングの師匠は、日本にカラーコンタクトレンズの市場をつくった人です。
カラコンと聞くと、ギャル男っぽい人を想像してしまいますが、森繁久彌に似たおじいちゃんです。

彼はよくこう言っていました。

  • STPと4Pだけでマーケティングができる。

  • ポジショニングとは消費者の頭のなかに市場を作ること

  • 皆に好かれようとすることは、誰からも好かれないことと一緒

  • 全てを説明することは、何も言わないのと一緒

  • 「それだけ残れば良い」はひとつ、それを証明するReason whyは複数

akippaはどの顧客層に対して、どういった価値をどう伝えていくべきか。
基本に立ち返り、しっかりと磨き込んでいきたいと思います。

師匠おすすめの本がこちらです。

ちょっと古い本ですが事例も豊富で読みやすく、ポジショニングを学ぶのにとてもおすすめの良著です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?