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『旅のつばくろ』家にいながら旅行気分!新幹線の車内誌で連載中、沢木耕太郎の旅エッセイ集

旅行したい!旅行したい!旅行したい!

いろんな土地に思いっきり遊びに行ける日は、まだまだ先かしらね。ならばもう少しのあいだ、ステイホームで楽しめる旅をしましょうか。

今回は、作家の沢木耕太郎さんのエッセイ『旅のつばくろ』をご紹介します。これ、JR東日本の新幹線車内誌「トランヴェール」で連載中の、旅行で訪れた土地の思い出を語ったエッセイなのです。


作家らしい旅行の入り口が、唯一無二の旅行記を生む


あなたは、ふだん旅先ってどうやって決めてますか?

テレビや映画で見て、印象に残った場所とか、知り合いが住んでいる場所とか、色々な理由があると思います。

このエッセイの著者である沢木さんは、作家さんということもあり、初回のエッセイでは、旅先をとても作家さんらしい決め方をされていた。

私は四人の元ボクサーが主人公の小説を書いていて、そのひとりの出身地をどこにしようかと考えながら日本地図を眺めていた。どこでも良かったのだが、北海道から東北、関東と地図を眺めているうちに、ふっと目に留まった地名がある。

目に留まった地名というのは、山形県の「遊佐」。字が美しくて、軽やかで楽しげでスマートなのが良かったらしい。で、出身地に遊佐を採用することに決めたものの、どんな土地か知らないから、足を運ぶことにしたそう。

こんなかんじで、ゆったりとした旅行の話が多いので、のんびりと読めます。

ノスタルジックな旅情を味わえる1冊


おすすめのきっかけを少しだけ語ると、数年前、仕事で毎月新幹線に乗っていた時期があって。月ごとに発行されていた車内誌「トランヴェール」は、そんな仕事の移動時間の楽しみだったわけです。

で、ちょうどその頃連載が始まったのが、この『旅のつばくろ』。有名な観光スポットに触れるでもなく、知っている作家さんでもないから、はじめはいまいちハマらなかったんだけども。毎月読んでいたら、気づいたときにはハマってた。

なんかね、新鮮なのよ。

上で紹介した遊佐もそうだけど、The観光地!は、あまり取り上げられなくて。古き良き日本の土地、って感じの場所を訪れて、そこで出会った人とのエピソードとかが多い。

しかも著者の沢木さんは70代のお方で、エッセイでは学生時代の旅行の思い出にも触れているせいか、20〜30代の読者には、とてもノスタルジックに映ると思うの。「エモい」というやつだと思う。

インスタで話題の場所とか、みんなが知ってるスポットに目が行きがちな昨今、このエッセイはかなり新鮮な内容だと思います。おすすめよ。

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