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『天才はあきらめた』お笑い芸人、南海キャンディーズ山ちゃんエッセイ集!オードリー若林正恭の解説も収録

パンチあったー!
闇属性の努力家って、すごい力を秘めてるんだなぁ。

今回は、お笑いコンビ・南海キャンディーズの山里亮太さんが、芸人人生を振り返ったエッセイ『天才はあきらめた』をご紹介。こんなタイトルですが、山ちゃんは、まごうことなき天才である。読んでいて、そう思いました。

「最近頑張れないなー」って人におすすめ。だらける自分を肯定する理由を並べながら、ぽけーっと過ごした毎日を、巻き戻したくなる1冊です。

長年かけて熟成された芸風と、それに至るまでの道


山ちゃんといえば、世間のアレコレに対する妬み嫉みを、洗練されたワードセンスで斬るスタイルの方。どうしたら、ネガティブを笑いに変えられるのかしら?と思っていたけれど、この本を読んで納得。

お笑い養成所の同期には、在学中に賞レースで優勝したキングコングがいたんだって。講師は「今年はもうキングコングが出たからいいだろ」という雰囲気。自分たちには、期待もしてくれていない。

そんな環境で、「ぜったいに見返してやる!」という執念を持ち続け、熟成してきたからこそ、いまの切れ味バツグンの妬み嫉みがあるのね。年季が違う!

とはいえ、「自分がどんなお笑いをやりたいのか?」で長年悩み続けて、南海キャンディーズとしてのかたちを見つけるまでは、なんどもやめようと思ったそう。

このエッセイでは、そんな山ちゃんが、どうやって夢をあきらめずにいられたのか?が語られていて、逃げグセを治したい人には、参考になりそうな考え方がいっぱい。

ダメ人間を自覚し、退路を断つ強さ


このエッセイを読んですごいと思ったのは、山ちゃんが、ネガティブ思考者なりに、目標に向けて頑張るための自分なりの方法を確立していること。

「はぁー!そんな考え方があるのね」と目からウロコの考え方がたくさん。

どんな些細なことでも、小さい自信を張り付けていく。それを繰り返していくと、結構立派な張りぼてが作られていった。「張りぼての自信」の完成。この張りぼての自信は、「俺なんて……」というあきらめさせ界のスーパーエースの攻撃も見事に跳ね返し続けて、お笑い芸人への夢に向かわせてくれたのである。

これを、山ちゃんは「自信貯金」と呼ぶそう。壁にぶち当たったら、この貯金を切り崩す。張りぼての自信だから、自分次第でいくらでも作れる。すごい発明だ。

あとね、これも素敵な考え方だな、と思う。

努力をし続けると、過去を振り返って「あのせいで駄目なんだ」という考えよりも「あのおかげで得をした」と考えることで得るものが多くなる。

冒頭で「最近頑張れないなー」って人におすすめと書きましたが、自己啓発本ではないので、「自分を高めるって意識はちょっとシンドイ……」って方でも気軽に読めると思います。芸人さんのエッセイだから、単純に読み物としておもしろい。

さいごに、オードリーの若林正恭さんが解説として、山ちゃんに向けたメッセージをつづられています。こっちもアツくて良いです。おすすめ!


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こちらは、解説に登場するオードリー若林正恭さんのエッセイ。若林さんは何冊かエッセイを出されていて、こちらは山ちゃんのエッセイ同様、お笑い人生についてつづられた1冊になっています。

この本の紹介記事は、こちらから↓↓↓

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