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20代で読みたい朝井リョウ作品まとめ!『何者』で直木賞受賞、最新作『正欲』『スター』が話題の作家特集

「あいつ意識高いよなw」とか、
「ふつうに考えたらわかるだろw」とか。

ふだん、口には出さずに心の奥にしまっている感情ってありませんか。

そういうのをね、朝井リョウという作家は見逃さないのです。えぐってえぐってえぐりまくる、意地が悪くて挑発的、その実、人間に対して真摯な姿勢を貫くスタイルが特徴。一方で、心が温まって、ほっこり泣ける作品もたくさんあります。

今回は『桐島、部活やめるってよ』でデビューし、若い世代の心にザクっとくる作品を多く発表している、朝井リョウさんの小説特集です。20代のうちにガシガシ読んでほしい作家ベストワン!

気になる作品から、ぜひ軽率に手を出してほしい。

平成元年生まれの朝井リョウさん。どんどん変化する時代の中でたゆたう価値観をとらえて、平成の若者の葛藤をむき出しで描いた作品が多い。10代、20代、30代と、ずっと付き合える作家さんだと、わたしは思うよ。

それでは行きましょう。

映画化された3作品(桐島、チア男、何者)


■『桐島、部活やめるってよ』(2010)

デビュー作にして、タイトルの軽快さからもっとも有名だと思われる作品

お話の内容は「男子バレーボール部のキャプテン、桐島が部活をやめるらしい」という話を軸に、他の生徒の視点で物語が展開していきます。なので、桐島は物語の中に登場しません。初読だとびっくりするやつ!

映画では、神木隆之介さんが演じる陰キャがリアルでとても好き。


『チア男子』(2010)

朝井リョウさんの母校、早稲田大学の男子チアリーディング部「SHOCKERS」からアイデアを得た青春小説。アニメ化、映画化と、ふだん小説を読まない方にも、朝井リョウさんの名前が広まった作品じゃなかろうか。

めっちゃ青春!熱い!って小説が読みたい方はコレ。

映画では、いまや見ない日はないくらい、いろいろな作品で活躍する横浜流星さんが出演されています。


『何者』(2012)

直木賞を受賞した、言わずと知れた代表作。映画はAmazonプライム会員なら見放題なので、わたし何度も見返してる。ここから飛べます。

就活中の大学生たちを描いた作品。意識が高いくせに内定をもらえないあの子、就活に必死な自分たちをバカにしてくるあいつ。そういうやつらを心の中で見下して、あざ笑っている主人公も含めた登場人物全員の描写が、とてもリアルです。

就活を経験した人であれば、どこかしら自分に重なる部分があって、読んでいると心がキリキリしてくる。

クライマックス、主人公たちが感情を爆発させるストロングスタイルは、朝井リョウ作品の十八番と言っても良い。プロレス見てる気分になる。気持ちいい。ちなみに同じスタイルの作品は、『ままならないから私とあなた』『正欲』『スター』あたり。

ちょっと脱線しますが、映画の主題歌、かっこよくて大好き。


心温まる、ほっこり感動作品(星やどり、世界地図)


『星やどりの声』(2011)

海の見える町で、喫茶店「星やどり」を営む家族の物語。父が亡くなってからも、家族で幸せに暮らしていたけれど、三男三女、それぞれに葛藤があって――。最後は、父が残した家族への思いに涙が出てきます。


『世界地図の下書き』(2013)

児童養護施設で暮らす子供たちを描いた作品。なんかジブリを見ているような感覚になった。子供たちが、仲間のために奮闘する姿に心が洗われる。朝井リョウさんの作品を語るとき、あまりピックアップされないけれど、隠れた名作だと思う。


自分の生きる理由を探したくなる作品(死にがい、正欲)


『死にがいを求めて生きているの』(2019)

平成をテーマに、タイトル通り「死にがい」を求めて葛藤する人間を描いた作品。最後まで読むと、思わずもう一回初めから読み返したくなる、恐ろしい事実が隠されていて、鳥肌モノの内容です。

その他、個別に紹介した作品もあります。

この記事で興味が出た方はぜひ、こちらも読んでいってください。『正欲』が2021年現在は最新作です。


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