書評「なぜ保守化し、感情的な選択をしてしまうのか −人間の心の芯に巣くう虫−」
「保守」というと政治的なイメージを持つかもしれないが、本書は「恐怖管理理論」について述べられたものである。
恐怖管理理論(または存在脅威管理理論)では、避けることができない「死」の恐怖が人間の主要な行動原理のひとつであり、思考・感情・行動に多大な影響を及ぼすと考える。そして、死の恐怖は文化的世界観(ある集団で共有されている信念や価値観)と自尊心によって管理され、逆に死の恐怖を思い起こさせられると文化的価値観や自尊心を守ろうとする、つまり保守的になることで死を意識の外に追いや