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網が走る

「旭川君。網が走る?これって、よく考えたら凄い。と画期的に感じないか?」と自慢げに語る千歳博士。

 助手旭川は、意味がいまいちわからない。「博士、そんなにすごいことなんですか?」「旭川君それはそうだ。だって考えてみたまえ。網というものは何のためにあるかだ」

「博士。それはすぐわかりますよ。虫とか魚とかを捕まえるからです」  

 助手の旭川が即答すると。博士は自慢げに胸を張って嬉しそう。「その通り。だか例えばだ、その取る存在である網が、自我を持ったら凄いし、間違いなく捕獲率が上がるだろう」と、目を輝かせながら語る。

ようやく意味がわかりつつある、旭川。「つまり、博士が言いたいことは、網が走るから、ただの網よりも、動き回って獲物が撮れるということですね」それに大きく頷くと「そう、だから網走というところは、凄い名前だ。網が走って獲物をガンガン取れるといこどだからな」

しかし北海道出身の旭川は完全否定した。
「博士、網走の意味は網が走るのではなく、アイヌ語から来ています」それを聞いた博士は、表情ひとつ変えることなく.、「そうだ君」と、別の話題で、逃げるのだった。



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シリーズ 日々掌編短編小説 274
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