3行日記 第1148話・4.14
「うん?」武田はふとつぶやいたことが妙に気になった。「これって3行で完結してないか?3行日記だな」とつぶやいたら、すぐにあの男が絡んできた。「今、『さんぎょう』といった?ワシはみつゆき(三行)だと何度言ったらわかる」
「僕は誰も君のことは行ってない、気にしすぎだよ」武田は三行の絡みになれていた。「じゃあ、なんだ『さんぎょう』とは?」
「3行日記だよ。文章を3行だけで済ませようというもの」
「ああ、そういう意味か」三行はようやく納得した。「だがよ、武田お前3行じゃ物足りなくないか?ワシが日記をつけるとこんな感じだぜ」
そういうと三行は、最近始めたというブログの文章を持ってきた。
「ほら、日記だと短くてもこのくらいは必要だ。えっと、8行はあるな。だから3行で何が書けるんだ」
三行はそういうが、武田には自信があった。「10分待って」そういって、三行の日記を眺める。
「よしできた」武田はそういうと次のように3行でまとめた。
「どうだ、3行で収まっただろう」武田は得意げになる。三行は不満そうな視線を武田に向けたが、「た、確かに、3行だ」と認めざるを得ない。
「くそっ癪だな。何とか武田に...…」三行は一人になると、武田が3行日記を書けないくらいの日記を考えることにした。
ーーーーーー
「おい、武田、そしたらこの文章は3行で現せるか?」数日後、三行が武田に挑戦をしてきた。「いいよ、どんな文章だ」「これだ!」三行はそういうとまたブログを見せてきた。
「どうだ、今日は15行も書いてやったぞ。それに今回は日帰りでショートトリップだから、仕事をしてご飯を食べただけという日記とは違うんだぜ」
三行は勝ち誇ったような表情で武田を見た。武田はさすがに「これ長いな」と思ったが、考える事やはり10分。
「これも3行で書けるよ」というと次の日記を書いた。
「ほら、3行でまとまったよ。シンプルだろう3行日記」このとき三行は武田をにらんだが反論できない。
「ち、もういいよ。三行でも何でもやりやがれ」と怒って武田の元を離れた。
武田は「3行日記で、まさか三行に勝てるとは」と驚きつつも喜んだが、ふと我に返ると首をかしげる。
「そもそもこんなことして何の意味があるの?」と武田は根本的な疑問に陥ることになった。
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