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何か変?なんでそうなっているの 第819話・4.22

「どうしたの?そんなに怖い顔して?」Aからそのように言われても、Bのこわばった表情は変わらない。「い、いや、あ、一体どういうことなのかと」
「どういう事とは?」
「いや、あれ、何か変だ。何かが...…」Bは怖い表情から、Aに対しておびえているようなしぐさをする。

「いったい何があったの。いつもといっしょなのに、そんなに怖がらなくても」AはなぜBがおびえているのか理解できない。だから余計に目つきが厳しくなった。Bは明らかに怖がってはいる。だがしばらくするとBは少し慣れてきたのか、おびえるしぐさが収まっていく。ここでB大きく深呼吸をした。
「いや、気のせいだったかもしれない。昨日夜更かししたのがいけなかったのかな、ハッハハアハハハ!」そう言いながらBは笑った。

 ところが今度はAの表情がおかしい。「あれ、あなたの表情が変?い、今笑ったわよね。でもそう見えないし、何それ」
「はぁ?」今度はBが戸惑った。「いや、何も変わってないよ。いつもと同じだって」
「いや違う」AはBを眺める。今度はAがBを恐れだす。「な、なにが、え、どうして...…」

 Aからそのように言われても、Bの表情は変わらない。「ちょっと、まて、君、今日おかしいよ。なんでそんなに恐れているの? 理由を教えてくれないか」BはAに問いただした。
「り、理由なんて、説明できたら苦労しない。鏡があればいっぱつでわかるからいいんだけど」そこまで言うとAは近くに鏡がないか探し始める。だが、あいにくこの周りには手鏡もなければ置き鏡、壁に掛けられている鏡もない。
「でもさ、鏡はない方がいいと思うよ、今は特に」今度はBがAに何か思うことを言い出した。

「な、なぜ、鏡があれば、すべてわかるのに...…」Aは、なおも鏡がないか探している。ついに、Bはそれを阻止。
「やめろ、鏡が見つかると、おそらく君がショックを受ける!」Bの強い声にAは驚きの声を上げる。
「ちょ、ちょっと!なに、邪魔をするなんて」AはBをにらみつける「邪魔をしたくなるって、ち、ちょっと怖いよそれは!」
「当たり前、鏡があればすべてがわかるのに、それを阻止する理由がわからない!」Aの口調は明らかに怒りに満ちていた。

 それを見たBはAを完全に恐れる。「ちょ、ちょっとまて、いつもと違うんだ。なのにそれで怒り出したたら、ちょっとシャレにならないよ!」
 Bはおびえを通り越して震えている。それほどまでにAの怒りの表情が恐いのだ。「な、何、そんなにおびえているの。ちょっと注意しただけなのに」
「い。い、いや違う、今日は違うんだ。こ、怖い、やめてくれ!」
 あまりにもBが怖がるので、逆にAは戸惑った。
「な、なんで、ちょっと。もう怒らないから、そんなにおびえなくても」
「い、いや、こ、怖い、た、助けて!」Bは思わずテーブルの中に隠れる。

「わ、わかった。ごめん。謝るからそんなにおびえないで、ねえ、お願いだからテーブルから出てきて!」Aは戸惑いながらBを納得。しばらくしてBはようやくテーブルから顔を見せる。Bはまだ恐れているが、ずいぶんとおさまった。ところがそれを見たAはまたBを見て恐れだす。「こわ、いや、やっぱり、何か変?」


 こうして延々と続くAとBこのやり取りに終止符が打たれたのは、Cが現れてから。それは実はAもB両方とも蒼い顔をして、かつ頭にとさかのようなものが付き、眼のふちが赤く、さらにくちばしがついていた同じ鳥になっていたことを、Cが怯えながら指摘したからだ。

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