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エッセイvs随筆??「なんでnoteを書くのか」

「ふぁあああ」ある人は大きなあくびをする。時計を見るとすでに日付が越えていた。さきほどから睡魔に悩まされている。どうやら久しぶりにネタ探しに遠出したことが、いつも以上の疲れにつながったようだ。
「しかしここが踏ん張りどころ。もうじき完成だ」人は睡魔に打ち勝つために、両手で頬を思いっきり叩く。激痛と同時に瞬時に目覚めた。そして気を確かにキーボード操作。だが完成したか否かもわからぬまま。途中からの記憶が... ...。

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「あれ、ここどこ」色の無い空間。見たこのの無い色なのか、それとも単純に寝ぼけていて色が認識できてないのかわからない。
「目覚めたようだな。現代」「現代?」気が付けばその背景とは違う黒っぽい丸い影が3つ並んでいる。どうやらその中の真ん中の存在から発する声。
「そうお前は『現代』という意識体。そしてお前から見て左にいるのが『過去』である。さらに右にいるのが『未来』だ」「は、はあ?」
「まあ理解できないのは当然だろう。信じられないかもしれないが、実は何らかの作用が働き、本来ひとつの人格に宿っていた意識が突然分裂したのだからな。で、お前はそのうちの現代だ」
「は、はあぁぁ」突然「現代」と言われても意味が全く分からない。だけど意味は分からないのに同時に、この不可思議な設定に対して少しずつ好奇心が湧いてくるのだ。

「あ。ちなみに私は、統括である」「統括?」
「ようは、過去、現代、未来のまとめ役ということらしい」

「おい、統括さんよ。さっきから聞いているけど、やっぱわかんねえ。だいたい過去ってなんなんだよ!」左にいる影からの声だ。
「おっしゃるとおりです。そもそも未来と言うのは、時間軸的にもそのとき以降のもの。ここにいた時点で未来ではありえません。これは未来ではなく、現代より過去のものかと」右の影の言い分、現代は納得して頷く。それが目の前にいる3意識体に認識されているかは別として。

「気持ちはわかる。じゃが設定上、ここには時空の概念は無い。だから過去、現代、未来は共存する。悪いがこの統括も突然のことで驚いているんだ。だからそれ以上のことは突っ込まれても答えられない」統括という意識体は、明らかに逃げをうつ。

「わ、わかった。じゃあなぜ本来ひとつの意識が、時系列別に分かれているんだ」左の過去が質問する。
「過去の言い分はその通り。細かいことはともかく、あるミッションのために一時的に分かれたらしい。まあ統括というこの意識体は、MCのようなものだろう。ハッハハハハ!」と真ん中の影は、喜びを表すかのように小刻みに上下に動く。

「あのう、笑っている場合では?」現代が突っ込む。
「失礼、では説明しよう。今日2月28日はエッセイの日。いつもなら小説を書いているかと思うが、今日はあるテーマのエッセイを書いてもらいたい」

「ちょっと待ってください」「なんですかな、未来?」
 右の未来は語り出す。「どうせならエッセイより随筆のほうが良くないですか。小説は漢字2文字じゃないですか、それなら随筆ですよ。だってさ、あっしら過去、現代、未来、統括ですよ。テーマだけ『エッセイ』というカタカナがどうも... ...」
「そうだ、何ゆえ外来語がここで出てくる!」左の過去も同調。いつしか現代も同じ時間軸仲間というわけではないが、統括の見解に反発した。

 すると真ん中の統括意識体は大きくその影を前後左右に揺れ始める。
「ア、ハハハハハ! さすがは最も後ろの時間軸におられる未来。だけどある事実があってそれを憂う必要がない」

「ある事実!」統括以外の意識体は同時に声をだした。
「諸君! これをみたまえ」

エッセイ

「これはGoogleで『エッセイ』と入れたときに出た検索結果だ。見ろトップに出てくるのが『随筆』のWikipedia。つまりエッセイと随筆はほぼ同義語ということだな」

「わ、わかった。じゃあ統括さん、そのエッセイ・随筆のテーマはなんだ」3つの意識体を代表して過去が発言。
「うん、それは『なんでnoteを書くのか』について語ってほしい。そしてそれぞれに対して、さらに細かいテーマがある。
過去は『なぜnoteを始めたのか?』、現代は『今何のためにnoteを書いているのか?』そして未来は『現在またはこれからのnoteへの向き合い方』だ」
「あのさ、そのタイトル以外じゃダメかな。俺、未来なのになぜか現代入ってるし」
「ダメ! では、早速だが過去から行ってもらおうか」と、未来の意見を統括は無条件に一蹴。

 その間、左の意識体・過去ははしばらく影を震わせるかのように左右に小刻みに動く。その様はまるでバイブレータのようだ。そのような状況が10秒程度続くと、バイブレーターは止まる。

「よし、では過去のおいらのテーマ。『なぜnoteを始めたのか?』への回答を申し上げる」と声を出すと、次の様に続けた。

1、なぜnoteを始めたのか?
 直接的な理由としては、あるリアルな知り合いから「おめぇさん。ツイッターとかもいいけどさ、あれ140字しか書けねえだろ。だったらよ、字数制限のないnoteっていうものがあるんだぜ。いっそのことそっちをやってみなよ」と紹介してもらったからです。

 当初は東南アジアに毎年のように渡航する経験を活かそうということで、そういう情報を書こうと始めました。そのため昨年暮れまでは「アセアン」の名前を出します。
 ところが在住者ほどの情報を持てないと悩んだところ、いつしか創作好きが高じて東南アジア小説を書くようになっていました。

 そこで東南アジア小説で行こうかと思った矢先です。「コロナ禍」なる存在で東南アジアに渡航ができません。そこで東南アジアに限らずあらゆる小説を書くことにしたのです。

「なるほど、コロナが相手では太刀打ちできねえな。では、次は現代だ」統括から指名された現代。しばらく考え込む。
 その際、意識体・過去の様にバイブレータのような震えが出たかどうかはわからない。だがすぐには思いつかなった。目の前の3つの意識体は固まったまま静か。もう何もリアクションを起こさないよう。それが気味悪く、ついつい焦る。意識的な頭の中では真っ白な状態が続く。
  でも『一瞬無になろう』と意識の上で座禅を組む。すると徐々に思いが浮かんでくるのだ。そして一休さんの様にひらめくものがあると、ようやく考えがまとまった。「できました。『なぜnoteを始めたのか?』行きまーす!」と気合を入れると次の様に語る。

2、今何のためにnoteを書いているのか?
 何のためにnoteというより、何のためにnoteで短編小説を書いているのかということになるかと思います。

 まず毎日小説を書いている理由は、あるネット上のサイトで「掌編レベルの短編小説を量産すれば上達する」と書いてあったからでした。
どうせ書くなら上達したほうが良いだろう。そうすればそれを読んでいる人が、飽きずに楽しめる作品を書けるに違いない。と考えていましたから、ぜひやろうと思いました。

 ちなみにそのサイトの意図は、本来毎日というより時間を指定して量産するニュアンスだったようです。しかしながら、ここでnoteの公式を見たときに「毎日記事を書くことが何よりも大切だ」と書いてありました。だから毎日短編小説を量産して書いていこうという次第です。

「なるほど。そう言うことか。だから毎日小説を書いている。よくわかった。さて最後であるが、未来の番だ。最後だから頼むぜ」統括は未来に対して余計なプレッシャーを与える。未来はそれをどう思っているのだろう。結局わからない。
「へい、じゃけど未来のこと、ここで語ったらもう過去じゃねえか。ま、いいか」と独り言をつぶやく。ここで一切揺れは無かった。淡々と次のように語り出す。

3、現在またはこれからのnoteへの向き合い方
 小説を書くならnoteより小説の専門サイトという意見もありますが、どうやら今までnoteで書き込んでいくうちに、それは違う気がしました。

  noteは、小説を書く人だけでなくエッセイ(随筆)の人、詩の人あるいは漫画・イラストとか写真家、さらにはマネタイズの人とかいろんな人がいます。

 せっかく人に見せるためにnoteに作品を投下するわけですから、あらゆるジャンルでnoteに参加している人に見てもらったほうが、結果的に良いのではという思いが強いです。それはこれからも続けるでしょう。

 そして目標を1000本と設定しました。そうなると現時点でゴールまで600本弱。そこでせっかくなので、これからは実験的な小説にもチャレンジしようと考えています。
 それをやっちゃうと、ひょっとしたらウケが悪いかもしれません。でもそれに恐れずやったほうが楽しい。今日のこれもある意味実験小説です。そんなこといろいろやっていれば、また面白い化学変化・反応があり得るかもしれません。 

「うん、わかった。未来よありがとう。これですべての考えがそろった。皆の衆、大儀じゃ」突然、統括が殿さま口調。だけどそれに突っ込む前に意識が遠のいた。

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「あれ、あ、寝ていた?」ある人は気が付いた。どうやら朝になっているらしく、東からの朝日がまばゆい。さらに小さな鳥だろうか? リズム感ある小刻みな高音が心地よく聞こえてくる。
 非常に不可解な夢を見たものだと思いつつも頭を整理。目の前のパソコン画面には完成間近の作品があった。だけど途中で寝たのだろう。誤字脱字もあれば、「あああああ」「ssjsぱrぱjrぱ」と言った具合に、同じ文字が続いたり、意味不明な文字の羅列があったりしていた。とりあえず修正していく。ところがしばらくすると耳の奥で不思議な声が聞こえた。そしてその内容にしばらく体が固まってしまう。

「俺、未来だったけど。さっきの俺の言ったことってもう過去だよね」


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シリーズ 日々掌編短編小説 404/1000

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