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日々掌編短編小説(そよかぜの千夜一夜物語)

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2020年1月1日から、ほぼ毎日掌編小説を執筆中。東南アジア小説をはじめ、興味のあるあらゆるジャンルをネタにして作品を発表しています。ちなみにこちらには「書き下ろし」としてしばら… もっと読む
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2022年7月の記事一覧

予知夢と現実のギャップ。第918話・7.31

「俺が陰謀論者だと!愚か者!俺はただ真実を語り、実践しているだけだ!」駅前の広場で突然大…

スペースホールの中に 第917話・7.30

「博士、この白いベンチがどうしたのですか?」夜中の公園、助手の土田は不思議な表情をしてい…

嫌なことは良きことへの予兆か 第916話・7.29

「もう、コンビニに行かないとトイレがないなんて、ダメな公園だな」近所の公園のすぐ目の前に…

トイレに行きたい。/ぎりぎり間に合った。 第915話・7.28

「トイレに行きたい。」  車を運転しながら俺は心の中で叫んだ!トイレに行きたいのは理由が…

鳥女の叫び 第914話・7.27

「おい、秀吉よ聞け!」ここは大阪市内の中心にある大阪城公園。目の前にコンクリートでできた…

3年待って実現 第913話・7.26

「ふう、着陸の瞬間はいつも緊張するなあ」ベトナムから大阪にある関西空港に一機の飛行機が到…

異次元への道 第912話・7.25

「描ける、描けるわ!」戸画朱(とがしゅ)というペンネームで活動している女性の画家は、長く構想を練りながら、中々筆が進まなかったテーマ「異空間」について、ようやく描けると胸を張る。  戸画朱は自分でテーマを決めて、絵を描く画家。超一流とまではいけないが、少なくとも絵で食べられるほどの画力をもつ。もちろん、定期的に近所のギャラリーで個展を開いているのだ。  たいていの場合、テーマが固まると自然に創作のヒントが湧いてくるからあっという間に筆が動かせた。だが今回のテーマ「異空間」は

山の中に見えるゲートの奥にいたのは 第912話・7.24

「やっぱり白いワンピース着た方が良かったかも」私は初めてのデートで悩みながらも結局着なか…

夜の踏切で 第911話・7.23

「ふう、間に合って良かった」男は息を切らせながら、最終電車に飛び乗った。システムエンジニ…

奈良盆地を一周する? 第910話・7.22

「どうだった、優しい両親だろ」「うん」交際を初めて5年、先月ついにプロポーズをしてきた彼…

月面に着陸 第908話・7.20

「そうだ月面着陸をやってみようかな」天然の芝生が広がる小高い丘の広場で寝そべっていた小学…

ぬいぐるみを入院させるんだ! 第907話・7.19

「それ、部屋においていたぬいぐるみでは?」今日は休日。車のエンジンをかけて今から運転しよ…

彼女のために何ができる。 #誰かにささげる物語・小説 第906話・7.18

「俺はいったい彼女のために何ができるのか?」  俺は、義姉のことがいつも気になっていた。…

妻が戻ってきたので星を見た。 第905話・7.17

「五回目で、ようやくお賽銭箱に入った」と、この日の夕暮れ前、婦人会主催の高野山旅行から3日ぶりに帰った妻が、僕の顔を見るなりいきなり叫ぶように呟く。 「帰ってきていきなり何を言っているんだ。せっかく君をもてなそうと頑張っていたのに。だけどごめん。3分クッキングは伸びに伸びたよ」  妻はそれを無視するかのように玄関から中に入ると、大きな荷物を持ったまま、自分の部屋に入った。 入って姿をかくしてから「苦手なものは、イチゴ味のカレー」と、僕にわざと聞こえるように大声で叫ぶ。僕以外