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抗精子抗体があるとどうなるの?


こんばんは(^^)クマです!

今日は抗精子抗体に関するお話です。

以前も書いたことがあるのですが、最近よく質問を頂くので再度まとめていきます。


◎抗精子抗体があるとどうなる

抗精子抗体とは、精子に対する抗体のこと。

精子を異物として捉え、攻撃してしまうことで起こる不妊原因です。

保有率は9〜12.8%です。しかし、抗精子抗体は非不妊女性でも4%に認められており、抗精子抗体をもつ全ての人が不妊になるわけではありません。



◎抗精子抗体があるとなぜ妊娠しないの

抗精子抗体にも種類があり、血液中を流れている抗精子抗体と、粘膜免疫に関わる抗精子抗体にわかれます。

それぞれ作用する場所が違ってくるだけで働きとしては同じような感じです。

抗精子抗体の働きにより精子の運動を低下させ、精子の輸送を妨げます。

また、抗精子抗体は精子の受精能獲得や先体反応、精子の透明帯への結合にも関与しており、抗精子抗体陽性の方が人工授精を行っても妊娠に至らない可能性が十分考えられます。

体外受精を行っても、抗精子抗体を保有しないカップルと比較すると妊娠率が低いことも分かっています。この理由として、抗精子抗体が受精卵の分割を抑制したり、異常分割を起こし良好胚の発生率を低下させてしまうからです。



◎検査方法

採血により検査することが多いです。

SIVという値が2.0以上あると抗精子抗体陽性とみなします。ただこの方法では精子不動化抗体が強い場合には正確な抗体力価の把握ができません。そのため、精子不動化試験で陽性と判定したときは定量的不動化検査を行い、50%精子不動化値(SI50)を測定すると正確に判断できます。

しかし、SI50は周期的変動や個人差があるため1回の採血では判断せず1ヶ月以上あけて3回ほど再検査を行い、その結果をもって治療方針を決めていくのがいいでしょう。

ただ、1ヶ月1ヶ月大切な時間ではあるので、体外受精をお考えの方は1回の検査で体外受精にすると決めてもいいでしょう。



◎抗精子抗体陽性の時の治療法

SI50の値が10を超えると高抗体価のため人工授精での妊娠成立しないと言われています。なので、治療の選択肢は体外受精となります。

10前後を変動する場合には人工授精でも妊娠が可能と言われています。

ただ、低〜中抗体価でも妊娠に至らない場合には早めに体外受精を考えることが望ましいでしょう。



抗精子抗体で陽性と言われた方、もし自分の結果に疑問を感じた時はもう一度再検査してみてもいいかもしれませんね。

ただ、時間は有限なのであまりそこに拘らず、金銭面など許すのであれば早めのステップアップをお勧めします。


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