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怒られる人だけでなく怒る人も傷ついている

「あなたに未来はない」

どうすればいいのかと尋ねたら、
離婚するか引っ越しをしなさいと言われた。

家は35年ローンで買ったばかり。
離婚は全く考えていなかった。

離婚するか
引っ越しをするか
究極の選択だ。

どちらかをどうしても選ばないといけないなら、
引っ越しするしかないと思った。

でも、購入した一軒家を
おいそれと引っ越しできるはずもなく、
どうしたらいいだろうかと思いながら、
数か月が過ぎていった。

そんなとき、仲間と甲山に登ろうということになった。
300メートルぐらいの低い山で、
元来、「神の山(コウノヤマまたはカンノヤマ)」だったと考えられている。

そこで、霊能力者の方々と会った。
私に未来はないと言った方とは別の方だ。

その方は、霊能力をつかった人生相談をされていて
相談にのってみたらと勧められるままに
後日相談申し込みをしてみたものの、
相談することは特にないと思っていた。

私は幸せだと思っていたから。

家族はいて、
家も仕事もあって、
母も元気で、
何の問題もない。

しいて言えば、何かな。

夫とうまくいきません。
どうすればいいでしょうか?

こんな質問をした。

そしたら、その霊能力者が言った。

「ひどい罵声が聞こえてくるのですが、
それは実際にあなたに浴びせられていることですか?」

夫からの怒鳴り声だ。
毎日のように、怒られていることを伝えた。

すると、
「あなたの魂はそれによって
萎縮してしまっています。
ぼろぼろです。
こんなになるまで、なんで我慢したのですか」

と言われた。
自分では何ともないつもりだった。

怒られることなんて当たり前のことだったから
慣れてしまっていた。

なんで我慢したかと問われば、
母よりましだと思っていたからだった。
母も父から毎日のように
怒られて怒鳴られていた。
だから、夫婦とはそういうものだと思ったし、
他の夫婦の内情を身近に知ることなんてできないので、
それがすべてだと思い込んでいた。

「あなたは、スケープゴートです。
スケープゴートになってはいけない。」

スケープゴートとは、直訳すると逃げるヤギで、
他人の罪を負わされたいけにえのこと。

夫の仕事がないことなどの不満や憎悪が、
私一人に向けられて、
夫のマイナスの感情、不満のはけ口にされているだけだという。

離婚するのを勧められた。

離婚?
する? 私。

「怒ることで、本人も傷つくのです。
怒る相手がいなければ、怒ることもできないのに、
あなたが怒るのをゆるすから、
彼はあなたを怒るのです。
あなたがいるから、彼も傷ついている。
離れなさい」

え?! 
怒らせた私が悪かったの?

怒る相手がなければ、怒らない。
そうね、誰も怒りたくないはず。

確かに、昔6年間つきあった彼女とは
けんかしたことなかったと言っていた。

相性が悪いのだと思っていた。
彼が怒るのを私は黙って受けとめていたから
エスカレートしていったのだ。

言い返そうものなら、
10倍100倍になって返ってくるので
早く終わらせたかったから、
何も言い返さなかった。
それがよくなかった。

普通の人は、そんな罵声を浴びせらて
暴力ふるったらすぐに逃げるよと言われた。
そしたら反省するだろうに、
結婚して12年が経っていた。
身も心もぼろぼろになるはずだ。

私のなかに、「離婚」という灯がともった。

振り返ってみれば、甲山に行った日は、
亡くなった祖母の命日だった。

離婚を考えていなかった私が
離婚を決意した話は、下記にも書いた。


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