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どんなにつらくても別れなかった訳

どんなに罵倒されても
どんなになぐられても
どんなに搾取されても
別れることを考えなかったのは、
結婚したら添い遂げるのが「道」だと思っていたし、
それが正当な人生だという感覚だった。

いや、それは表向きのきれいごとであって、
こんな私と結婚してくれる人は他にいないと思っていて、
一人ぼっちになるのが怖かったから。

一人で生きていくのを避けるために、
私は子どもが欲しかったし、
夫と離婚することは考えなかった。

私が働いていて、
夫を扶養していた。

なんでもできる人だけれど、
家事は妻がするものだという考えの人で、
毎日のように
料理がまずい、
掃除ができていないと怒られていた。

怒られたらどうしようと思う日々。

私のお金の管理は夫がしていて、
私は自分で現金を引き出せない状態だった。

今となっては、
そんな自由のない中で
よく生きていたなと思う。

クレジットカードは自由に使えた。
だから、カードが使えるお店を選んで
ランチや買い物をしていたけれど、
ある日書斎に呼び出されて、
ランチ代が高いと怒られた。

働いて稼いでいるのは私。
その私のランチの楽しみまで奪うわけ?

と思ったけれど、言えない。
言い返したことがなかった。

そうやって、飲み込んだ不満が
たまりにたまっていたのだと思う。

しかも、結婚当初から
親しい後輩の女の子と2人で泊りがけで山に行くという。

は?
意味がわからない。

どれだけの思いを飲み込んできたことか。

それでも結婚している利点があったのか?

殴られているとかいう状況は
誰にも話していなかったけれど、
周りからすれば、稼ぎのない夫と結婚したのは
それほど私が相手のことを好きなのだろう
と思っていたようだ。

好きだったのかどうかもわからないけれど、
私にとって都合がよかったのだろうと思う。

なぜなら、私は独身のときと同じように働いているだけで、
周りから夫を支える偉い妻と見られて
褒められるのだから。

結婚していなかった27歳までは、
いつ結婚するのかと心配されたし、
一人でいるのをかわいそうがられた(ように感じた)

一応、結婚はしている。
働いてもいる。
夫を扶養しているというだけで、
私は何か特別なことをしている気になれた。

ともかく、そんなわけで、
私はメリットがあるとも思えないような状況で
結婚して、11年が過ぎていた。

※結婚したわけはこちら

その私の状態を見透かすように、
見えないものが見える人が、
私の前にあらわれて言った。

「あなたに未来はない」

どうすればいいのかと尋ねたら、
離婚するか引っ越しをしなさいと言われた。

家は35年ローンで買ったばかり。
離婚は全く考えていなかった。

その究極の選択に途方にくれた。


次回はその後
私がどう考えて何を選択して行動したか




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