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「基本のマナー」新人研修の前に

新人を採用したら、自社の業務を教えるために新人研修を行うことになります。しっかり社会経験のある人材なら大丈夫でしょうが、新卒や、経験の浅い人の中には、社会的一般常識を持ち合わせていない、或いは不足している人もいます。そうなると、いざ新人研修を始めても、「え?こんなことも知らないの?」ということが起こります。

今回は、そうした新人研修以前に覚えておきたい内容をいくつか挙げてみます。


<身だしなみ>

まずは身だしなみから。

対人関係で、第一印象はとても重要です。一度植え付けてしまった印象による固定観念は変えることは難しくので注意しましょう。

この第一印象は、会ってからほんのすう数秒で決まります。

「服のセンスもいいし、いつも笑顔で素敵だから、きっと仕事も出来るんだろう」

逆に「着こなしがだらしなくて、表情も暗く、不健康そうな感じだから、きっと仕事も出来ないんだろうな」

これはハロー効果と言って、最初の外見的第一印象が良ければ、その人の内面や能力まで素晴らしいに違いないと思い、逆に悪い外見の印象だと、それに引きずられてしまい、それらがひどく否定的に見られてしまうというものです。

変に誤解されることの無いように、いい印象を持ってもらえるように、気を付けましょう。

  • 男性女性ともに、スーツは自分のサイズに合ったものを選び、肩幅や丈はきちんと調整してもらいましょう。

  • スーツの一番下のボタンは留めません。

  • 制服の場合、着崩さず、アレンジもしないようにしましょう。

  • 着る前にシワやほつれがないか、新品の場合、仕付け糸が残っていないかも忘れずに見ましょう。

  • 靴下は黒か紺・ベージュにして白はだめです。女性のストッキングもベージュが基本で、色付きや柄物は避けましょう。

  • ひげは無精ひげと思われないようにきちんと整えるか、剃っておきます。

  • 女性の長い髪は結んでおきましょう。

  • Yシャツの下は白無地にして、柄物や色物は透けるのでNGです。

  • ネクタイは剣先がベルトに掛かるくらいに長さを調節してください。結び方は様々なので、素材や厚みを考慮して好みの結び方を研究してみるといいでしょう。

  • スカート丈はひざ辺りがいいですが、制服の場合はデザインに合わせます。勝手にリメイクしてはいけません。

  • 靴は黒か茶色の革靴、スーツにスニーカーはNGです。スエードの靴も避けましょう。

  • 女性はパンプスが基本です。ヒールは5cmくらいです。

(ネクタイの選び方)

ネクタイにはプリントやジャガードなど様々なタイプと色があります。

いくつか種類と色を持っておくといいですが、大事な日の朝に選ぶ際、考えてから選ぶといいことがあります。その日のシチュエーションを頭に描き、相手に信頼感を与えたいときは、紺系統のネクタイを、落ち着いた感じを与えたいときは、グレー系のネクタイを、快活さ元気さをアピールしたいときは、赤やオレンジなど明るめの色を、華やかさを感じにしたいときは、明るく大きめの柄物のデザインのネクタイにすると、これだけで受ける印象はがらりと変わります。

これはアメリカの大統領選挙でも使われている手法です。その時の状況に合わせて、赤色にしたりブルーにしたり、ちゃんと考えて選んでいるようです。

色使いについては女性でも応用が利きます。

まずは自分を演出してみましょう。

<基本的な態度>

第一印象で見た目を良くしたら、今度は立ち居振る舞いの仕草を気を付けましょう。

好印象を与えるのも、悪い印象になってしまうのも仕草一つです。言葉は気を付ければコントロールしやすいですが、体の動きはコントロールしにくいため、ついつい本音や感情が現れるものなのです。

では、当たり前のように実行してほしいことをいくつか挙げてみます。

  • 礼儀正しく、自分から挨拶する

  • 常に笑顔を絶やさない

  • だらけた態度はせず、背筋をピンと伸ばし

  • 言われたことは素直に聞き、メモを取る

  • ハキハキと返事をすること

  • 時間を守り

  • 公私混同はせず

  • 自分の意見を求められたら、はっきりと言うようにして

  • 年下でも先輩は立てて

  • 後輩でも節度を保ち

  • 同僚にも礼儀を忘れず

  • お金の貸し借りはご法度にすること

<お辞儀の仕方>

挨拶が大切なことは先ほども述べましたが、その際のお辞儀の仕方についても、少し確認しておきましょう。

  • 背筋をピンと伸ばし

  • 相手の目を見て

  • 笑顔で

  • 自分から積極的に、行います。

ダメなお辞儀は

  • 首だけ曲げる

  • ペコペコする

  • ニヤニヤする

  • 歩きながらする

  • だらけた姿勢でする

  • 上目づかいでする

  • 他のことをしながらする

  • キョロキョロしながらする

  • 目をそらしながらする、ようなことです。

気を付けましょう。

<言葉遣い>

ビジネス用の言葉遣いというものがあります。使い分けを示してみますので、覚えましょう。

  • わかりました➔かしこまりました。承知しました。

  • できません➔いたしかねます。

  • どうしますか➔いかがでしょうか。いかがなさいますか。

  • さようなら➔失礼します。

  • ありがとう➔恐れ入ります。

  • すみません➔申し訳ありません。

  • 今いいですか➔よろしいでしょうか。

  • 居ません➔席を外しております。

  • 今➔只今

  • さっき➔先ほど

  • これから➔今後

  • おととし➔一昨年いちさくねん

  • 今日➔本日

  • 明日あす➔明日みょうにち

  • あさって➔明後日みょうごにち

  • こっち➔こちら

  • あっち➔あちら

  • どっち➔どちら

コミュニケーションをスムースにするための便利なクッション言葉というものがあります。一例を挙げると

  • 恐れ入りますが

  • 申し訳ありませんが

  • 誠に恐縮ですが

  • お手数をおかけしますが

  • 勝手を申しますが、誠に勝手ながら

  • 失礼ですが

  • つかぬことをお伺いしますが

  • よろしければ

  • 差し支えなければ

  • あいにくですが

  • 残念ですが

  • せっかくですが

  • 差し出がましいようですが

  • おかげさまで

これらを使って切り出すと、摩擦が軽減され、話がスムースに運びます。

又、このように言い換えた方がいいという言い回しもあります。

  • できません➔**ならできます。

  • **してください➔**していただけますか。

  • 知っています。➔存じ上げております。

  • おっしゃられる➔おっしゃる。

  • **社長様➔**社長

  • **様でございますね➔**様でいらっしゃいますね。

  • お世話様です➔いつもお世話になっております。

  • ご苦労様です➔お疲れ様です。

  • **でよろしかったでしょうか➔**でよろしいでしょうか。

  • **のほうになります➔**をお持ちしました。

  • お釣りになります➔おつりです。

  • 9時に会いましょう➔午前9時、又は21時に会いましょう。

  • メモの用意はいいですか➔申し上げてよろしいでしょうか、又はお伝えしてよろしいでしょうか。

<名刺交換の仕方>

初対面の相手と名刺交換するチャンスがやってくると思います。最初はドキドキしますが、落ち着いて堂々としましょう。

  • 名刺交換する場合は、必ずお互い立って行います。

  • 相手の目を見て、自社の名前、自分の名前を名乗ります。

  • 名刺は常にきれいなものを携帯するように心がけ、汚れた名刺は失礼になるので出さないようにします。

  • 名刺は相手が読む方向にして両手で差し出します。

  • お互いに出し合って交換する場合は、左手に名刺入れ、右手に名刺を持ってお互いに受渡します。

  • 座った後、すぐにしまってはいけません。相手が複数の場合は、相手に対応する名刺を自分の前に並べます。

  • また、相手の目の前で名刺に書き込んだりしてはいけません。終わってからにしましょう。

<5W3Hを知っていますか>

よく出てくる言葉ですが、報告や連絡に関する基本です。

  • WHEN:いつ

  • WHO:誰が

  • WHERE:どこで

  • WHAT:何を

  • WHY:なぜ

  • HOW TO:どのように

  • HOW MANY:いくつ

  • HOW MUCH:いくら

これらの事柄をまとめて報告すれば、要点に抜けがないというものです。

逆に、だめな報告の仕方は

  • 報告が遅い

  • 聞かれないと言わない

  • こちらの都合を無視して報告してくる

  • ダラダラ、長々として

  • 結論が分からなかったり

  • いきさつを言わず、結果しか言わなかったり

  • 主観が結構入っていたり

することで、これらは避けるよう心掛けてください。

<電子メールの送り方>

すっかり定着している電子メールにも、ビジネスで使うには押さえておきたいことがいくつかあります。

  • 件名は具体的かつ簡潔に書きます。

  • Toは宛先、CCは同時に見てほしい人の宛先で、ほかの人にアドレスが見えます。BCCも同時に見てほしい人ですが、アドレスが他の人から見えず、送っていることを知られません。

  • まずは相手の名前を書きます。

  • あいさつ文は最低限に簡潔にします。

  • 用件は簡潔にかつ丁寧に、読みやすく手短にまとめます。長文になっては、相手に負担をかけてしまい失礼になります。

  • 最後に忘れずに自社名と名前、出来れば連絡先も記入します。わかっているからと省略するのは不親切になります。メールソフトによっては、自作のオリジナル署名を登録できるものもあります。

  • 返事が必要な場合は、出来るだけ早く返信します。まずは連絡のお礼から書き始めます。

  • 遅くなる場合は、メールが届いていることだけは知らせておきましょう。

  • 返信文に、送信分を引用する場合は最低限必要箇所だけにします。

  • 大事なメールを送った場合は、送ったことを電話で知らせておきます。

  • 1件のメールにいくつもの用件を入れてはいけません。最初の一つだけしか返ってこない場合が多いので、必ずメール1件につき、一つの用件にします。複数の用件がある場合は複数のメールに分けましょう。

  • 腹立たしいメールが来ても、怒りに任せてすぐ返信してはいけません。一呼吸、出来れば一晩おいて頭を冷やしてからにしましょう。返事をせずに無視することも作戦の一つです。

<電話の受け答え>

最初は電話に出るのも怖いと感じるかもしれませんが、落ち着いてゆっくりはっきり話しましょう。

  • 電話をかけるときは、かける時間によって

    • 朝9時ごろまでの時は、「朝早くに申し訳ございません。」

    • 夜9時を過ぎている時は、「夜分遅くに恐れ入りますが。」

    • 食事どきの場合は、「お食事どきに申し訳ございません。」

    • 忙しいと思われる時間帯の時は、「お忙しいところ、恐れ入りますが。」「いまよろしいでしょうか。」と、まず言ってから話し始めましょう。

  • 昼間の場合は、まず自社名と名前を名乗り

  • 相手が今話せるか都合を聞いてから話し始めます。

  • 不在の場合は、お帰りの時間を聞いてこちらから掛けなおすか、伝言をお願いしておくか、先に決めておくと慌てずに済みます。

  • 用件は手短に済ませ

  • 電話だからと言って侮らず、相対しているような調子で笑顔で話しましょう。

  • 何か他のことをしながらの電話は相手に伝わります。

  • 電話を切るときは、かけた側からが基本ですが、いきなり切らずに、相手の反応を見てから静かに切りましょう。

  • 受けた側は、相手が切ったことを確認してから切ります。

  • 電話が掛かってきたら、3~4コールで出るようにします。それ以上の時は、「お待たせしました。」と言いましょう。

  • 電話を受けたら、まず相手の会社名と氏名を確認します。

  • こちらの担当者が不在の場合は、「只今席を外しております。折り返し電話を差し上げましょうか?」と聞いてみます。

  • 担当者はいても会議中とかで出られない場合は、「あいにく会議中ですが、いかがいたしましょう」と言って、緊急の場合は用件をメモして担当者にそっと渡します。

  • 伝言を受けるときは、間違いがないか復唱し、受けた自分の名前を使えておきます。

<伝言メモの書き方>

電話等で、伝言を作って渡さなければいけない時、書き方があります。

  • まず誰にかを書き

  • 用件は簡潔にまとめてメモし

  • 受けた日時を正確に記入し

  • 相手の社名と名前を書き

  • 折り返す場合は聞いておいた電話番号も書き込みます。

  • 最後に自分の名前を書きます。

<デスクの整理>

自分のデスクが与えられたら、自由に使ってくれと言われても、乱雑にしてはいけません。

  • 席を外したり、休憩に出るときは、書類を出しっぱなしにしないよう気を付け

  • 仕事が終わったら、片づけてデスクの上には何も置かないようにしましょう。

  • 書類や備品の位置は最初に決めて、

  • 使ったらその定位置に必ず戻すようにすると片づけやすくなります。

  • 又、いらなくなったもの物はさっさと捨てて

  • 書類は優先順位を決めて整理して管理します。

  • データ管理する場合は、ファイル名を必ずつけ、番号や日付を入れると整理しやすくなります。

<退職するとき>

退職しようと決めたらたら、会社に申し出なければいけません。“立つ鳥跡を濁さず”という言葉のように、円満に退職するよう心がけましょう。

  • 社内規定はもっと短くても、少なくともひと月前には申し出るようにしましょう。引継ぎや後任人事で時間がかかる場合が多いからです。

  • まずは、相談から始めます。

  • 退職が本決まりになれば、退職願を提出します。

  • そのあと、しっかりと業務の引継ぎを行い、身の回りも整理します。

  • 仕事の関係先に連絡を入れて、これまでのお礼のあいさつします。

  • 同僚にもお礼のあいさつを忘れずにしましょう。

  • 転職する場合、前の会社の悪口は言わないようにしてください。

  • 前の会社で得た情報を持ち出したり、口外することは禁じられているのでやめおきます。

以上が最低限覚えておきたい基本的なマナーになります。一度確認してみてください。

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次回は、伝言するときに便利なことを取り上げます。こちらも見に来ていただけると嬉しいです。

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