私は持っていないよ。だけどね…
「私は、車の免許を持っていないよ」
「えっ!持ってないの?」
「免許とらないの?」
「車ないと不便でしょ~」
車の免許を持っていないと驚かれたり、とらないの?と聞かれることが多かった。
「車がないと不便」と、感じる人が多いところに住んでいるから、こういうことを言われるのは、しょうがない。
私は、そう言われるたびに、笑って「そうなんですよ~」と流すこともあれば、ちょっと嘘をついてごまかすこともあった。
だけど、本当の理由はふたつある。
「車の免許をとることに興味がなかった」
「小さい頃からの病気」
これが、本当の理由。
ひとつめの「車の免許をとることに興味がなかった」は、運転することや車が好きな方には、ごめんなさい。
だけどね、誰にでも「興味がないこと」ってあると思う。しかも、ひとつじゃなくて沢山ある人だっているんじゃないかな。
私は、その興味がないことのひとつが、車の免許をとることだったの。変わってるかな?
けどね、シンプルに興味がなかっただけなんだ。
ふたつめの「病気」は、前の記事にも書いたことがある。病名は書きたい気持ちにならなくて、書いていない。だけど、記事を読んでくれた方はなんとな~く気づいているかもしれない。
その病気は、突然意識を失ってしまう。もし、運転中にそんなことが起きて、自分だけが傷つくなら良いけど、誰かを少しでも傷つけてしまうのは、すごく悲しいし辛い。それだけは、絶対にしたくなかった。
だから、私は高校生の時に「車の免許はとらない」という選択をした。
このふたつの理由。
普段の会話で「なんで免許持ってないの?」と聞かれたら、私にとってサクッと答えれる内容ではなかった。
明るくおもしろく言える人もいるかもしれない。だけど、私にはできなかった。相手と私の気持ちを考えると、そういう伝え方はしたくなかった。
ちょっぴり嘘をついてごまかすのは下手くそだけど、そうするしかなかったのだ。
ここまで、なんだかネガティブなことを書いているように見えるかもしれないけど…
「ネガティブなことじゃないよ」
私は、持っていないからこそ「ある」を見つけることができたから。
毎日、徒歩や自転車で通勤していた頃
「送っていくよ!」「帰りは大丈夫?」
「遠慮しないで乗ってって!」
「仕事終わるまで待ってるから!」と、
職場の先輩方がいつも声をかけてくれた。
仕事終わりで疲れているのに
そういう気遣いが本当にありがたかった。
車を使わず通勤していたから、隣の会社の人に顔を覚えられて「おはようございま~す!」「気をつけて帰ってね~」と、声をかけられることもあった。
それがちょっと嬉しくて、その会社の前を通るのが、小さな楽しみだった。
友達と会う時「迎えに行こうか?」
「遠慮なく乗ってって!」と言ってくれる友達。
自転車やバスで移動できる、ちょっとした予定でも、わざわざ休みをとって運転してくれる夫。
たま~に乗るタクシーで「あなたと話せてすごく楽しかったよ!ありがとう!」と言ってくれたり
クーポンやあめ玉をたくさんくれたり、楽しそうにお喋りしてくれたり…優しいタクシーの運転手さん達にも出会った。
私はたくさんの人から、たくさんの優しさをもらっていた。持っていなかったから「人の優しさ」に何度も気づくことができた。
たくさんの、優しい人に出会うことができた。
(持っていても、優しさに気づくことはできると思います。持っていることで、「気づくことができない」という表現ではないので🙇♀️)
だから、持っていないはマイナス、ネガティブなことじゃないと思う。
持っていないからこそ、幸せなこと、楽しいこと、有り難いと思うことを、見つけることができる。
持っている人とは、ちょっと違う視点で見ることができる。
○○がない、○○を持っていないは、
「○○がある!」、「○○を持っている!」
を見つけることができる。
今回は車の免許について書いたけど、
もしも「○○がなくて、悩んでいる」「○○を持っていなくて嫌な思いをしている」という人がいたら、ちょっとだけ考えてみて欲しい。
もしかすると、「ある」をたくさん見つけられるかもしれない…💐
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