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2022年NPB ユニフォーム変更・追加一覧【セ・リーグ編】

プロ野球界では毎年新作ユニフォームが発表されています。
一体、誰がユニフォームを見張るのか?
一体、誰がユニフォームをウォッチするのか?
ということで、2022年シーズンに向けて新たに発表された新ユニフォームの概要を球団ごとにご紹介いたします。

各球団ごとに通常ユニフォーム/企画ユニフォームに分け、それぞれに「サクッと解説」という形でコメントを寄せております。
なお、特に変更がない場合は「変更なし」とのみ記載しております。

変更が発表され次第随時更新する予定です。

最終更新:2022年5月17日

パ・リーグ編はこちら↓

東京ヤクルトスワローズ

・通常ユニ
(変更なし)

・企画ユニ
 ・TOKYO燕パワー(右)
 ・CREW (左)

画像1
引用:ヤクルト、来季特別ユニホーム「CREWユニホーム」「TOKYO燕パワーユニホーム」発表
=サクッと解説=
最大の特徴はラケットライン。特にCREWユニに関しては、2015年に阪神が初めて採用し、侍JAPANのユニフォームにも採用され今やメジャーな仕様となった(阪神が止めても代表が採用してたらメジャーですよね)「ピンストライプ+ラケットライン」が採用されています。
正直、阪神を見ても代表を見ても「ピンストライプにラケットラインは合わねーよ」としか思えなかったのですが、このユニフォームに関しては不思議と違和感は少ない。ピンストライプは細め、ラケットラインは太めに調整されており、両者がしっかり差別化されていることが要因でしょう。太い赤のラケットラインは、昨季MLB覇者のアトランタ・ブレーブスを彷彿とさせますね。
燕パワーに関しては、珍しく無味無臭デザインかと思いきや、カラージャージにストライプパンツという、MLBのオルタネートユニ風の組み合わせ(カブス、ロッキーズなどが代表例)。デザイン自体はシンプルなだけに、そういった細かい要素が目を惹きます。
また、どちらも、ラグランスリーブではなくシャツスリーブ仕様になっているのも特徴。地味な部分ですが、ボックスシルエットで選手を大きく見せる効果があります。デザイナーの大岩ラリーさんこだわりの部分でしょうか。
同じくラリーさんのこだわりポイントであろう大きな胸番号も特徴的ですが、やはり昇華プリント故のペラペラ感がどうしてもそれらを台無しにしている感は否めません(あとタフマン)。

阪神タイガース

・通常ユニ

画像2
引用:2022年よりユニフォームデザインが一新!
=サクッと解説=
ようやく、念願のデザイン大幅見直し。詳しくは個別に記事を書いているのでそちらをご覧ください。
とにかく「普通になってよかった」の一言。阪神のユニフォームは「普通=かっこいい」なんですから。余計なデザイン性とか要らないんです。

・企画ユニ
・ウル虎の夏2022

引用:阪神タイガース
=サクッと解説=
ウル虎の夏10周年を記念し、歴代の9モデルの要素をマッシュアップしたデザイン。2021年の虎顔で行くとことまで行ったと思っていたら、まさかその先があったという感じですかね。
流石にやりすぎじゃない?、というのが第一印象。
過去モデルのマッシュアップという案は周年記念ならではでいいと思うんです。そこは問題じゃない。
もう少し落ち着いた感じで組み合わせられないのかな、という。特に背面に関して。こういうのやるなら、一目で「あ、ここ何年のやつ!」みたいに分かった方が楽しいんですけどね。写真だけだと、前面の13年の縦縞、14年の緑、17年の黒黄縦縞、21年の虎顔くらいしかわからない。
プロコレなりレプリカなりを買って、それを手元でじっくり眺める分にはそれでもいいですけど、やっぱり選手が着て試合してるところを見て楽しみたいじゃないですか。
というか、そもそも「マッシュアップ」っていうのが成立するほどバリエーション豊かなラインナップじゃないだろ、というツッコミは野暮ですか。
ロゴや背番号の視認性がほぼゼロなのも痛いところ。せっかく背番号や背ネームがオリジナルのものになっているのに、それを堪能しにくいのはもったいないです。
パンツが縦縞なのは、ヤクルトの燕パワーと同じくMLBのオルタネートユニ風の組み合わせ。ここ最近のNPBは、明確にMLBを意識したデザインが多くなってますよね。
そういう意味では、サンディエゴ・パドレスの迷彩ユニフォームへのオマージュがあるのかないのか、気になるところです。
まあ、こうやって見てる分にはやや微妙な感じですが、多分、というか絶対甲子園に映えると思います。緑がすごくいい味を出してくれるんじゃないかなぁと。見れば見るほどどんどん良く見えてくる「スルメユニフォーム」になる予感がします。
レギュラーユニフォームがちゃんとしたものに変わったので、限定ユニフォームはある程度何やってもいいって堂々と言える土壌はありますし。
追記)
球団の公式SNSでインタビュー動画が上がってましたが、結構いい感じに見えました。思った以上に何と言うか「ちゃんとしてる」と思いました。
黒と緑の面積が意外と広くてちゃんとして見える感じ。

 ・伝統の一戦~THE CLASSIC SERIES ~

=サクッと解説=
久しぶりの復刻ユニフォーム企画。そして待望の「OSAKA」ユニフォームの復刻。それだけでもう嬉しいですね。
今回の阪神・巨人共同プロジェクト「伝統の一戦~THE CLASSIC SERIES ~」のコンセプトは、阪神対巨人の試合が「伝統の一戦」と呼ばれるようになったきっかけとされる、1936年の初代日本一決定戦(通称「洲崎の決戦」)。そして、今回の復刻ユニフォームは「洲崎の決戦」
で着用していた1936年の遠征用ユニフォームです。
上下グレーに金で縁取られたゴシック体の「OSAKA」のロゴ、金と黒のパイピングラインや縞模様のストッキングも再現されていて、当時の意匠はほぼ完全に再現した形。画像を見る限り、左袖のトラマークも当時の形のものが再現されているようですね。
ここまで徹底した復刻ユニフォームは久しぶりではないでしょうか。かっこいいです。なお、ホームとビジターでデザインは変わらないものの、ビジター用には「auじぶん銀行」のスポンサーロゴが付きます。
ただ、少し気になるところもあって、まずはスポンサーロゴ。付けるなとは言いませんが、もう少しユニフォームと同化させて欲しかったというのが本音です。また、ビジター用当時は存在しなかったヘルメットですが、黒一色というアイディアはいいとしても、ツバの縁にラインを入れるのはいかがなものでしょう。
最後は着こなし。復刻ユニフォームの着こなしについてはいろいろな意見があると思いますが、私自身は出来るだけいわゆる「クラシックな着こなし」に統一して欲しい派です。2016年の伝統の一戦のように、全員ストッキングを出すという仕様で制作して頂きたかったですね。
ただ、それらを含めても十分にシックでカッコいい仕上がりになっているのではないでしょうか。

・Family with Tigers Day

=サクッと解説=
かねてから「補色のカラーリングが好き」「特に青+黄の組み合わせは至高」と何度も言ってきた私ですが、まさか阪神のユニフォームでそれが見られることになるとは夢にも思っていませんでした。
こういうのありなんだ、っていう感じですね。特に、縦縞の色を変えるのありなんだ、っていう。
87年の歴史の中で、縦縞の色が黒(グレー含む)以外の色になったのは実は2度目。1度目は2007年の交流戦ユニフォームのビジター用で、黒地のシャツに黄色の縦縞が入ったデザインでした。それでも阪神のチームカラーではあったので、チームカラー以外のカラーで縦縞がデザインされたのは今回が初ということになります。
多くの家族がいつまでも平和で幸せに暮らせることを願って、「平和」の象徴である青色と、タイガースのイメージカラーであり「幸せ」の象徴である黄色をベースにデザインした、とのことですが、そういう難しい話は抜きにしてもパッと見て良いデザインですよね。
雰囲気的には私のお気に入りユニフォームの一つでもあるミルウォーキー・ブルワーズのような感じです。控えめに言って最高。
ゴチャゴチャと色んな要素を足していくのではなく、通常ユニフォームをベースにカラーリングだけをアレンジするというスタイルは阪神らしからぬ、という感じがして非常に好印象です。
欲を言えば、ただの色違いにするよりはロゴとかを少しいじってもよかったのではないかと思わなくもないですが、奇を衒って変なことになってしまうよりかはこういう控えめな感じの方がいいです。
帽子&ヘルメットのデザイン如何では2022年ベストユニフォームになるかもしれません。
3試合しか着用しないのが非常にもったいないですね。

読売ジャイアンツ

・通常ユニ
(変更なし)

・企画ユニ
 ・橙魂シリーズ

=サクッと解説=
もう少し詳細な情報が出てくるまで待とうかと思いましたが、とりあえず現時点での雑感をまとめておきます。
ついに本格的なネタ切れか、というのが第一印象。
球団初のオレンジベースのユニフォームとなった2012年の橙魂ユニフォームのデザインをモチーフとする「原点回帰」がコンセプトと来ました。
両袖にイベントのキャッチコピーである「WELCOME TO DREAM TIME」をあしらっているらしく、それを差して「キャッチコピーをデザインしたユニホームは球団史上初」とする、苦し紛れな謳い文句が何とも涙腺を刺激します。
やはり、他球団の恒例イベントと違い、初めから「チームカラー縛り」という厳しい制約を課されている中にある訳で、そういう意味ではよくここまで保ったなという労いの言葉すらかけたくなるような状況ですが…
いえ、「イベントユニフォームの復刻ユニフォーム」というパワーワードは、むしろユニフォーム界に革命を起こすのかもしれません。
ということくらいしか現状語ることができないので(出ている情報がコンセプトと上のユニフォームの画像一枚のみ)、とりあえずは続報を待ちましょう。

追記)
5月12日、ようやく全容が明らかになりましたが、まさかまさか、帽子の前面にもキャッチコピーである「WELCOME TO DREAM TIME」があしらわれるという衝撃展開。
これはないでしょう、流石に。
「YG」マークを跨るように文字列が入っているのですが、仮に「Y」と「G」にかかっているならまだアリだったと思います。
ただ実際は「WELCOME TO DREAM TIME」と、YもGも一つも入らないもの。
ユニフォームに関しては、肩に入っている文字がそこまで目立たないので思ってた以上に2012年版に似た雰囲気でした。
やはり脇の切り返しデザインはちょっと時代遅れな感じがしますね。

 ・伝統の一戦~THE CLASSIC SERIES ~

=サクッと解説=
主な概要は阪神と同じですが、ようやくこの共同イベントに巨人もガッツリ乗っかってきたという感じですね。
2016年から始まっているこのイベントですが、2016〜2018年と阪神のみがやる気を出して特別ユニフォームを作っていたのですが、巨人側はほぼノータッチ状態。挙句、2019年以降は阪神側もやる気をなくし、イベント自体があってないようなもの状態になっていました。ですが、今回両球団ともに急に思い出したかのように気合を入れてきた訳です。
巨人も阪神と同じく、「洲崎の決戦」時に着用していた1936年当時のユニフォームを復刻。
プロ野球発足の言い出しっぺの身ながら、他チームを置いて2回目のアメリカ遠征に出かけてしまう巨人軍。1936年春にリーグ戦が開幕するも結局その春季大会を欠席し、帰国後夏季大会からリーグ戦に参加しました。今回のユニフォームはそのリーグ戦参加用に用意されたモデルを復刻したものです。
まだチームカラーにオレンジが採用される前で、白・黒・濃紺がベースのシンプルなデザインですね。胸の花文字「GIANTS 」ロゴは現在まで受け継がれる不朽の名意匠。「あえて語る必要のなさ」は今に通ずるものがあります。
当時のデザインがほぼ完全に復刻されている上に、阪神のユニフォームに対して述べたような小さい不満点もなく、現状では完璧な復刻ユニフォームだと言えます。ただし、ストッキングに関してはモデルを務めた2選手がたまたま上げる着こなしを選んだだけなのか、デザイン段階で統一されているのか、そこは今のところは保留ということになりますね。

ちなみに、巨人にはもう一つ「1936年のユニフォーム」があって、それが2009年にも復刻した「TOKYO GIANTS」の二段ロゴユニフォーム。これは、そのリーグ戦を欠席する理由となった2回目の米遠征時に使用されたものなのです。

広島東洋カープ

・通常ユニ
(変更なし)

・企画ユニ
(coming soon...)

中日ドラゴンズ

・通常ユニ
(変更なし)

・企画ユニ
 ・昇竜ユニホーム2022

引用:日刊スポーツ
=サクッと解説=
以前、中日の昇竜ユニに関して「今まで一度も昇竜ユニフォームをカッコいいと思ったことがない」「どれを見ても『ペラい』という印象しかない」などいうことを書いたことがあります。
今回もそれです、完全に。
この致命的なセンスの無さはどこから来るものなのでしょうか。どこをどうとってもカッコ良く見えない。
巷では「家庭科のエプロン」などと揶揄されているこのドラゴンのデザイン。個人的に「ダサい」とまでは思いません。ただ。創立86周年を迎えるリーグ最古参のチームのものとは思えない重厚感のなさ・迫力のなさが問題です。
キッズ向けグッズのデザインとしてなら100点満点だと思います。「家庭科のエプロン」のドラゴンも、小学生が選んで着るということを前提にデザインされているものですから。
ただ、このユニフォームを実際に着てプレーするのはガタイのいい大人の男性です。ここ数年の昇竜ユニのデザインにはそういう視点が欠けているのではないでしょうか。
記事では京田陽太選手の「今までにないデザイン」というコメントが紹介されていますが、私に言わせればもはや親の顔よりよく見たデザインです。
確かに初めて白を基調(※)としたという意味では「今までにない」のかもしれませんが、はっきり言ってマンネリ感しか感じません。
それに、白を基調としているせいで昇華プリント特有のペラペラ感が余計に目立つ結果に。デザインのポップさと相まってかなり「軽く」感じてしまいます(もちろん悪い意味です)。
また、これも常々思っていることなのですが、昇竜ユニを初めやたらとイベントユニフォームに赤を入れたがるのは何なんでしょう。
それならいっそレギュラーユニフォームに赤を入れてドジャーススタイルを復活させたらいいのに、と思わざるを得ません。

※追記)白基調というよりはシルバー基調に白のマーブル模様風のデザインが地色に採用されているイメージでした。
ただ、グレーのシャツを白のパンツに合わせるということを考えると、結局のところ「微妙」と言わざるを得ないのが現状

横浜DeNAベイスターズ

・通常ユニ

引用:オフィシャルキャップサプライヤー変更について
=サクッと解説=
ユニフォームデザインは変わらないものの、試合用キャップのサプライヤーが「NEW ERA(ニューエラ)」から「'47(フォーティ・セブン)」へと変更されました。
MLBの公式サプライヤーとして全30チーム(とその傘下マイナーチーム)へキャップを提供している「NEW ERA」のキャップを日本にいち早く持ち込んだ、まさにパイオニア的存在でもあるDeNA。この変更は歴史的転換点と言っても過言ではないでしょう。
個人的な感想になりますが、数年前から「'47」を使用している楽天やロッテを見ていても、「NEW ERA」と比べて「'47」はあくまで「アパレル」「ファッションアイテム」向きのキャップなのではないか、という気がしてなりません。
野球好き、ヒップホップ好き、ファッション好きと様々な面から「NEW ERA」を愛している身からすると、今回の変更は少し寂しい。
元々、ニューヨークの会社とボストンの会社という意味でもライバル関係にある「NEW ERA」と「'47」。その勢力図が少し変わりつつあるのかもしれません。

・企画ユニ
 ・I☆YOKOHAMA SERIES

引用:日刊スポーツ
=サクッと解説=
「ベイスターズ」を名乗って30周年のベイスターズと、クラブ創設30周年のJリーグクラブ横浜F・マリノスによる共同企画「I☆YOKOHAMA SERIES
。NPB球団とJリーグクラブによる共同イベントは昨年のカープ×サンフレッチェに引き続いて2年連続となるということになりました。
特別ユニフォームを着用するとのことですが、個人的にはこの手のイベントユニフォームに関して少々不安がありまして。
まず、サッカーのユニフォームと野球のユニフォームとでは、デザインの方法論が全く異なります。なので、野球チームとサッカークラブとのコラボというものは安易に考えてはいけないと思っている、という前提があり。
その上、その前提を踏まえても踏まえなくても、昨年のカープ×サンフレッチェイベントの際のカープのユニフォームがありえない出来栄えだったということもあって、やはり「Jリーグとコラボ!」と聞くと少し構えてしまうというのが正直なところです。
で、今回のベイスターズ×マリノスがどんな感じになっているかと言うと…?

これが案外悪くないんですよね。
落ち着いた雰囲気のネイビーを基調に、レンガを思わせるブロック調の柄を前後に配しており、襟ラインや肩のパイピングなどにはアクセントとして横浜市花であるバラ(市の花がバラって凄ぇ)をイメージしたピンク色を採用。
スターナイトの毎年ド派手なデザインに麻痺しているせいもあるのか、かなりシックにまとまっているように感じます。
マリノスのユニフォームを見てからだと、やはりサッカーユニフォーム味が強めではあるのかなとも思ったりはするのですが、それでも「ベイスターズのイベントユニ」としては異彩を放つ落ち着きっぷりです。
さらに虚を突かれたのが、着用イメージに選手が一切登場せず、一般のモデルさんたちだけでユニフォームが紹介されていること。
「主役は“横浜”」という趣旨のイベントコンセプトの表れなのでしょうが、試合着用モデルなのですから選手の着用イメージも併せて用意して欲しかったのが正直なところです。
最後になりますが、個人的に思うこのユニフォームの最も評価されるべきポイントは、左袖の「Nojima」ロゴがユニフォームに溶け込むデザインになっていることです。

・YOKOHAMA STAR☆NIGHT 2022


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