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Apple vs Fortnite(フォートナイト)

ゲーム業界やアプリ業界に衝撃を与えている
今回のApple vs Fortnite(フォートナイト)。

Apple帝国も時代の流れの潮目に
差し掛かっているという印象を
強く植え付けれた。

プラットフォーマーから
コンテンツメーカーへと
時代の主役は移り変わっている。

この騒動をざっくりと説明

1.Fortniteを運営しているEpic Gamesが、
  App Storeを迂回してゲーム内課金
  (決済)するサービスを発表。
2.Epic Gamesは、App Storeの規約を
  故意に違反。
3.AppleはFortniteをApp Storeから削除。
  新規でのダウンロード不可能となった。
4.Epic GamesはすぐさまAppleを
  独占禁止法違反で訴訟を起こす。
 (こうなる事態を予測し、
  事前に訴訟準備を進めていた)
5.アメリカ連邦地裁は
 「App StoreからのFortnite削除に
  ついては妥当」という判断を下す。

要はEpic Gamesが
Apple税を不服と感じており
反撃の準備を粛々と進めならがら
わざとAppleを刺激し
Apple税の是非を問い
更にはゲームチェンジを企てている。

Apple

この騒動を理解するうえで
Apple税を理解する必要がある。

Apple税について、ざっくりと説明。

✔App Storeを通じて販売される
 有料アプリケーションあるいは
 アプリケーション内での課金にたいして
 Appleに徴収される販売手数料。
✔有料ダウンロードアプリは30%
✔サブスク型アプリは初年度30%の課税、
 2年目以降は15%の課税。
✔アプリケーションを通して行われる
 物理的な商品やサービスは課税対象外。

App StoreのWebサイトに
詳しく説明がありました。

無料
無料+広告

スライド1

無料+アプリケーション内課金
無料+物理的な商品とサービス

スライド2

無料+サブスクリプション
有料

スライド3

クロスプラットフォーム

渦中のFortniteは、
以下のクロスプラットフォームと呼ばれる
カテゴリの中にあるアプリケーション。

クロスプラットフォームとは、
説明にも書いてある通り
iOS、Android、WinPCなど
複数のOSやデバイス上を
跨って使うことを指しています。

Apple税としては、
App Storeを通して購入した
アプリケーションにのみ課税されるようです。

スライド5

リーダー

過去Appleと対決してきた
SpotifyやNetflixはリーダーにカテゴライズ。

スライド4

ここで疑問。
SpotifyやNetflixもいわゆる
無料+サブスクリプションの
カテゴリではないのかと思いました。

早速アプリをダウンロードして確認しました。

Spotify

スライド6

「アプリからは、プレミアムプランへのアップグレードはできません。お手数ですが、公式ウェブサイトをご利用ください」

と思いっきり記載がありました。
アプリからは有料プランへ行けないようです。
Fortniteのタックスヘイブンと
何が違うのだろうか。。。

Netflix

スライド7

「アプリからはNetflixに登録できません。お手数かけますが、メンバー登録後はアプリで視聴できるようになります。」

こちらも思い切り記載されており
Webサイトから有料会員登録となるようです。

考察

考察①
元々App Storeを通しての課金は
ネット勃興期にAppleという信用基盤の上
ユーザに安心して、オンライン決済を
してもらう、ということが役割の一つとして
あったと思う。

それが近年は、App Store以外でも
安心安全に使える信用基盤は多くあるのと
オンライン決済への慣れから、ユーザの
心理的なハードルもぐっと下がってきている。

そのため、アプリデベロッパーも必ずしも
App Storeを通じての課金でなくとも、
ユーザには受け入れてもらえる
ということはわかっている。

しかし、自前で決済を持てない
アプリデベロッパーも一定数いるはずで
Appleもメガサブスクアプリを失おうとも
Apple税の30%は維持していくのでは
ないだろうか。

いずれにせよ、このApple税は
時代にそぐわないものになりつつ
あることは間違いない。

考察②
Fortniteもそうなのだが、それ以前に
SpotifyやNetflixといったメガサブスク
アプリも既にタックスヘイブンを作り
Apple税を回避している。

推察するに、これらの
「指名買いされるアプリ」
UXが低下しようとも、ユーザ離れや
新規のユーザが減ることは無いので、
平気でタックスヘイブンをつくってしまう。

Apple側もこの「指名買いアプリ」
iPhone上で使えなくなることの方が
よっぽどリスクが高く、タックスヘイブンを
しぶしぶ容認している状況に
あるのではないだろうか。

また、これまではプラットフォーマーが
主役の世の中が到来していたが、今回の
Fortniteもそうだし、SpotifyやNetflixといった
コンテンツメーカーが台頭し、
プラットフォーマーに物申す時代が来た。

ただし、FortniteとSpotifyやNetflixは
単純に比較できないのも事実。
Fortniteはエピックディレクトペイメント
という独自の決済システムとゲーム配信
プラットフォームを持っている。

考察③
完全に個人的見解にはなるが
Apple帝国内でビジネスを
展開し利益を上げているのだから
Apple帝国に納税は当然では?

日本でもどの国においても
その国で上がった利益は
その国にたいして納税義務がある。

一時期、英領バージン諸島や
ケイマン諸島が富裕層の
タックスヘイブンとして
実態のないペーパーカンパニーを
通じて資金が集まっていることに対し
話題になっていたが、今回のFortniteも
それに近しい話なのではないだろうか。

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