夏休み、建築を学ぶ君は、何を読む?
学生のみなさん、夏休み楽しんでいらっしゃいますか?
勉強にインターン、部活、サークル活動、遊び、アルバイトとやりたいことがたくさんある方もいらっしゃると思います。
学生もかつて学生だった方も、みなさまに向けて
この夏、ぜひ読んでいただきたい本を3冊ご紹介します。
建築を職業にしたい君へ、建築を職業にしてしまったみなさんへ!
2024年日本建築学会著作賞受賞の1冊です。
『建築と規範-利己から利他の建築へ-』
【概要】
人が生活していくことは、身近な建築(すまい)や周辺環境(まちなみ)と関わり、多くの時間を建築と共に過ごすことに繋がる。こうした認識の下、私たちの社会の中での建築とのかかわりを考察する一つの方法が、「規範」という概念で串刺しにした倫理、法、職能や建築の生産に通底する倫理的視点である。
本書は倫理や法、制度を切り口として建築物を建築する規範(ルール)の意味について考え、同時に建築を具体のモノ(建築物)にする建築生産のルールを通して、単なる所有(利己)を超えた建築の社会性や倫理的公共性(利他)の獲得の意味を構築する契機となるものと位置付けている。
基本的に(利己に対する何らかの制限、制約に係る利他につながるイメージを含む)公共という概念を倫理に帰着させて考えることで、「利己の建築」が具体の場所にかかわる建築空間において、生活の意味や快適性を個人の体験を超え共感として共有していくこと、そのことを含めて他者に寄り添い、人生における善きことの感覚(倫理的視点)に繋げていくことで、広く建築や環境の公共性の在りようを見つめていくことが「利他の建築」に繋がっていくと考えている。
著者プロフィール
後藤伸一(ごとう しんいち)
建築家・元明治大学大学院客員教授。1949年東京・麻布生まれ。
早稲田大学大学院修士課程修了都市計画専攻。建築家故前川國男に師事し、山梨県立美術館、東京文化会館増築、石垣市民会館など主に公共建築の設計・監理を担当。独立後は建築士事務所を主宰しパサージュいなぎ、滝乃川学園第2成人部、おきなわ未病ケアセンターなど医療福祉施設を主に手掛ける。
書 名:『建築と規範-利己から利他の建築へ-』
著 者:後藤伸一
発行日:2022年10月15日
価 格:1,980円(税込)
概要ページ
試し読みはこちら。
テーマは新境地。来るべきケンチクに耳を澄ませ 目を凝らせ
【概要】
修士学生による修士設計・修士論文作品を集め、作品の展示及び公開講評会・討論会を行う全国公募制のイベントである「トウキョウ建築コレクション」の18回目の大会内容を伝える公式記録集。
「全国修士設計展」「全国修士論文展」は、本選に出場した設計展9作品、論文展10作品の詳細を掲載。また、建築分野の第一線で活躍する審査員による、公開審査の過程や討論の内容も忠実に記録。
「特別講演」は、” 建築のこれからの変貌 ”をテーマに議論した内容を収録。「企画展」は、”「日用建築」―― 身近に潜む温かさ”をテーマとし、全国から写真作品を公募。一般来場者による投票で入選した12作品を紹介。
大会テーマ:新境地
◆全国修士設計展
審査員 :内藤廣(審査員長)、金野千恵、妹島和世、原田真宏、萬代基介、山田紗子
◆全国修士論文展
審査員 :竹内徹(審査員長)、小岩正樹、田中友章、中島直人、増田幸宏
◆特別講演
パネラー:大野宏、倉方俊輔、髙木秀太
書 名:『トウキョウ建築コレクション2024 Official Book』
著 者:トウキョウ建築コレクション2024実行委員会 編
発行日:2024年8月5日
価 格:2,420円(税込)
概要ページ
卒業設計日本一! 公式記録集
【概要】
全国で建築を学ぶ学生の卒業設計作品を一堂に会し、日本一を決める日本最大の卒業設計展『せんだいデザインリーグ卒業設計日本一決定戦』の大会内容を伝える公式記録集。
本書では、受賞作品を含むファイナリスト11作品の紹介をはじめ、全出展作品468作品を掲載。予選からファイナル(公開審査)までの全ての審査過程を記録。また、ファイナリスト作品、予選通過の上位100作品となる「100選」の個別講評や、「100選」選出審査の当落選上にあった51作品の明暗についての審査員コメントも掲載する。
「日本一」の作品は、ていねいに背景を読み解いた上で、綿密に設計された母子寮の提案。境界性を段階的につくりながら徐々に奥に入っていくという空間のありかたを提示した、地域に対して閉ざしつつ、同時に開かれた完成度の高い作品が受賞した。
書 名:『せんだいデザインリーグ2024 卒業設計日本一決定戦 official book』
著 者:仙台建築都市学生会議+せんだいメディアテーク 編
発売日:2024年8月19日
価 格:2,420円(税込)
概要ページ