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島原「菱屋」のうすばね

きんせ旅館を後にして、ふたたび山本合金製作所へ向かう。「昔からある地元のお菓子屋さんが好きなんです」と言うとじゃあ、と地元の方が連れて行ってくださったのがここ。

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島原大門を出て少し歩いたところにある「菱屋」さん。明治創業なのだそう。

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うすばねという薄いせんべいみたいなのが看板商品なんだとか。お店のお母さんはとても優しい方で、お店のことを色々と教えてくださりました。

菱屋さんは俗にいう餅屋さん。昔はお寺さんからおそなえのお餅をお下がりでもらって、それを割ってあられにしていたのだそう。お店に貼ってあるこの画は、当時おかきを入れていた一斗缶に貼っていたというラベル。

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これを一斗缶に貼っていろんなところに卸していたんだよ、と話すお母さん。当時は今よりかなりお店の規模が大きかったことが伺えました。

ちなみに御所にも献上していたんだとか。

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これは昭和天皇御大典のときに行われた品評会で銀賞を受賞した時の表彰状。「京大の学長とか、京都市のお偉いさんが審査員なの」と言われその表彰状をじっとみていると武田五一の名前が。近代建築めぐりをしているときにしか目にしないその名前を見つけて驚いていると、お母さんは嬉しそうに笑っていた。五一に審査してもらったお菓子屋さんが当たり前のように今も営業しているのが京都らしい。

今はお寺さんからのお下がりはいただかず、お餅からすべてお店で手作りしているそう。なので生産数が少なくすぐに売り切れてしまうのだそう。

お話していると地元の人がお供え用にお菓子を買いに来られました。店の外には京都の白黒写真。いい店のしるしです。

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地元のお菓子屋さんや喫茶店によくある「外の人は意味不明だけど中の人にとっては秩序立てられて存在しているゾーン」も。なぜ泡波があるのかきくのを忘れてしまいました。

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うすばねはお餅を0.4ミリに削っていて、乾かしているときに羽のように飛んで行くからうすばねというのだそう。香ばしく美味しかったです。

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▶ 菱屋
住所:京都市下京区花屋町通壬生川西入ル
電話:075(351)7635
営業時間:9:00~19:00
定休日:不定休

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