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自分の首を締める行為

僕が昔大好きやった漫画 「おカマ白書」ってのがあるんですが、知ってますかね?( ´∀` )

でもね、
単行本三巻の発売が当時中止になったんです。
しかもそれ移行の単行本化も禁止。
さらにさらに!
既刊やった1.2巻も書店から回収。。。
権力って恐ろしい( ;∀;)って小学校の時に感じたのを覚えてます。
もちろん1つ、シンプルな疑問が浮かびます。
「なんで??」

まず内容。
おカマ白書の主人公「岡間進也」は都内在住の大学1年。
飲みの席でのノリで女性メイクをされた後に、自分の顔に惚れてまうってのが開始。
ほんで、友人の田中って奴に<ゲイバー・モーリス>を紹介されて「キャサリン」の名前で勤務開始するんです。
まあ今でも「女装否定派」ほど、メイクしてみたらハマる男って多いですからね。メンズも化粧で化けられるんですよ。

そこに女装した自分とそっくりな女性「ミキ」が客として来るんですけど、2人は運命??ってくらいに意気投合して仲を深めていく事になります。
ここで双方に思考に差ができます。
〇主人公「岡間」は男として「ミキ」を好きになってまう
〇「ミキ」は自分とそっくりな同性の親友と思ってる
です。
その差ができたまま、とりあえず女同士ってノリで
挨拶変わりで冗談で乳を揉みあったり、一緒に風呂入ったりするわけです。
そんな生活な中で、主人公の「岡間」は
男性「岡間」と女性「キャサリン」のハザマで苦しむ事になるんです。
矢沢永吉が「矢沢永吉」と「YAZAWA」のハザマで苦しむ感じやな('ω')
「俺は良いけど、YAZAWAがなんて言うかな?」のやつな。

ね?面白い内容でしょ?
トランスジェンダーを扱ったラブコメディ漫画やったんです。
当時から人間って動物の生態に興味をもっていた僕ですから、この漫画は最大の娯楽やったんですよ。
ところが、これに邪魔が入るのですよ・・
しかもこの漫画の邪魔をしたのは、まさかの同業種やねんな。

「動くゲイとレズビアンの会」・・通称アカーって聞いた事はあるんじゃないですかね。

東京都に所在する特定非営利活動法人のひとつ。同性愛者ゲイレズビアン)に対して、様々な社会的支援や、社会的な差別・偏見の解消活動を行っている。
1986年3月 設立

です。
「同性愛者に対する差別・偏見があるやろ!」と編集部に抗議を行い、ついに販売中止にまで追い込まれました。( ´∀` )
この団体が特に気にくわなかったのは、
<ゲイバー・モーリス>の従業員や男性同性愛者達の描写でした。

例えば、
容姿に関しては、
モーリスのママ達は剛毛の眉毛が1本に繋がる。
顎から頬にかけて髭剃り後で灰色に染まる。
長髪だらけ。
次は会話の内容。
「おケツにいれて~」
「ケツの毛についたウンコのカスでもくれてやる」
などと下品な部分。
もちろんそれを超えるような人情溢れる強烈なキャラクターって表現なんですがね。
が、アカーはこれを徹底的に抗議。
「笑いの対象とされた」
「1部分を誇張した」
「オカマのカマは尻を意味した」
と、もはや抗議が目的のような抗議にすらなっていたんです。

中止騒動から5年
アカーと小学館の話し合いがおこり、内容の修正と、単行本末にアカー主張を文章として掲載する事で解決。
ようやく完全版が出版される運びとなりました。

この中止されてからの5年。
「おカマ白書」の作者<山本英夫>という人物がどのような人物なのかが分かってきたのもあります。
彼は非常に綿密な現場取材を自ら行う人間です。
ホームレスを経験してみたり、
薬物を扱う漫画では実際に大麻所持で逮捕される経験をしてまでも漫画に命をかける人物でした。
つまり、「自らできる限りの経験をして、納得してから漫画を描く」という人やったんです。
人から聞いた事や、本等で得た知識で描くような舐めた作者じゃないって事でね。
って事でもちろんこの「おカマ白書」でも何度も何度も罵詈雑言を浴びながらもゲイバーに通い、取材をして、生活を密着させてもらい、客層から、会話内容から、文化から、一生懸命に学び、そして彼なりの世界観として
「おカマ白書」を描いていた事が分かった5年やったんです。

この山本さんという方の思想は僕も影響を受けています。
まず、
彼は絶対に自らが経験した事でない限り会話を開始させないというSTYLE。
これは<他者の気持ちは分からない>という前提がしっかりある者の思想です。
なので知識だけで、会話は極力したくないという事。

そして、彼はトランスジェンダーを一縷もバカにしてはいませんでした。
むしろ彼はどのようにしたら大衆にも認めてもらえるか?を考えぬいた先に、
<漫画で、楽しく読んでもらう>事でトランスジェンダーの方達へ親近感をもってもらおうとしていたんです。

今でもですが、みんな差別している、偏見をもっている、というよりは、未知なのでどこか不安ってだけな事もあります。
そういう大衆に向けては、まずは面白くて、接しやすいというのは非常に大事な視点の1つです。

まず、トランスジェンダーの事を
子供~高齢者に知ってもらう事。

これは避けられない。
その一環として山本さんは漫画家として戦ったのですよ。

結果として、トランスジェンダー関係の漫画はこの事件後に委縮する事にもなりました。

アカーは残念ながら、自分達の首を自分達で締めた形になります。

結果、大衆には
「トランスジェンダーの組織って怖い・・」
と思わせる事件になったからです。

そら、漫画読んでたらいきなり大人の組織が抗議して販売中止に追い込むのですから。
怖いですよ。僕も当時は権力ってこわって思いましたから。

もちろん、アカーにも大義名分はあります。
話し合いで解決した事は賢明でした。

が、自分達を知ってもらう時には、
一体どのような視点が必要なのか
もう少し話し合う必要がありそうです。

いきなりね

「自分達の事を分かれ!!!」
なんて無理なんです。

それは誰もがそうです。

そこから、どう戦うのか?が大事なんですよ。

それが分かるか否か。ですね






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