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何か物足りないセルフレジ

「夕焼け、綺麗だねー。」
「淡い橙色で、春っぽくなってきたよね。」

買い物当番のこざる二人組が帰ってくるところです。

「今日は いつも行く近所のスーパーじゃなくて、駅の向こうの ちょっと大きいショッピングモールに行ってみたんだ。」
「ショッピングモールの中のスーパー、売り場も広くて、商品の棚がダーッと並んでいて…」
「その棚に 商品もたくさんダーッと並んでいて、ぼく達 びっくりしゃったよー。」

こざる達は、いつも行くスーパーとは違って、どこに何があるのか すぐにわからずにウロウロしました。

「ちょっと迷子になった感じだったよ。」
二人は うんうん頷きます。

「それにカートも とっても大きくて…」
「いつものスーパーのカートよりもずっと大きくて、ちょっと使い勝手が悪かったなぁ…」

車で来て、一度に大量に買う人向けに大きいのでしょう。

「レジで またびっくりしたんだけど、ほとんどセルフレジだったんだよ!」
「お店の人がいるレジは端っこに二つか三つくらいしかなくて、皆、セルフレジでピッピッってやってたんだ。」
「ぼく達が、いつも行く近所のスーパーは、セルフレジはなくて、セミセルフレジがほとんどだから、お店の人がいなくて驚いたね。」

セミセルフレジとは、お店の人がピッピッと商品のバーコードを読みとってくれて、会計のみお客さんがやるというものです。
いつも行くスーパーは、ほとんどがこのセミセルフレジで、会計もお店の人がやる通常のレジが二つか三つあります。

「とにかく、お店の人がいないっていうことに びっくりしたんだ!」

いつも行くスーパーよりも、なんとなく客層が若かったように感じました。
そのレジのせいかどうかはわかりません。

「でも、高齢のお客さんは 見かけなかった気がするなぁ。」
「そうだね。若い人が多かったように思うよ。」

店内が広くて、たくさん歩かないとならないのも、ちょっと負担かもしれません。

「あとね、話をしないよね。」
「そうだね、レジに人がいないからね。」

こざる達は、いつものスーパーでは、レジにいる お店の人と ちょっとした会話をします。
カゴに入っている商品を見て「あら、これ美味しそうね。」とか、「これはお買い得ね。」などと
ほんのちょっとの やりとり、大した内容ではありませんが、心が和みます。

「特に高齢のお客さんは、それを楽しみにしている人も少なくないと思うんだ。」
「高齢者でなくても、ぼく達だって 会話すると 心の中に" 嬉しいな"っていう気持ちが広がっていくよね。」

以前、テレビで見たのですが、確かオランダだったか スーパーで、
店員さんと会話ができるレジというのが人気があるとニュースでやっていました。
他のレジも店員がやっているのですが、普通に早くレジを済ませるということで、
必要以外の会話はありません。
会話ができるレジは、ゆっくりのレジで、もちろん大人気です。
お客さんだけではなく、店員さん達にも人気があると言っていました。

誰かと少しでも会話をするということ、とても大切なことなのだと思います。

「ただいまー。」
「おかえりー。」

「ちょっと りこちゃんの様子、見てくるね。」

こざるちゃんが鼻歌を歌いながら、りこちゃんの部屋へ向かいます。

「りこちゃーん、もう少ししたら夕飯だよ! 食後のデザートのいちごプリンも買ってきたよ!
一緒に食べよう!」

こざるカフェは、今日も ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
節分が終わって、スーパーはバレンタイン、そして雛祭り菓子が沢山並んでいました。
よい毎日でありますように (^_^)

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