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体幹側屈ストレッチは片方だけで十分

こんにちは。理学療法士のこうやうです。

今回は

体幹側屈のストレッチ

について書いていきたいと思います。

臨床で思ったことですが

割と体幹側屈のROMって左右差が大きいと思います。

そして何より高齢者はこのROM制限が著しいです。

腰痛患者に対する胸郭や胸椎の介入としても

有効なものだと思っていますが

私はこれは

片方で十分だと思っています。

完全に私見ですので

信頼性はあまりありませんが

頭の片隅に置いていただくとうれしいです。

私なりに書かせていただきますので

よろしくお願いします。

それでは始めます。



なぜ片方だけか

どのようなROMもやはり両方やりたくなるようなものです。

かなり怖いことを言っているのは自覚していますが

ほとんどの患者が片方だけで十分だと思います。

なぜこのように思うのかというと

はっきりといった根拠は残念ながらありません。

ですが実際に体幹側屈ストレッチ後に

歩かせてみる

とわかると思います。

どうなるかというとだいたいの患者さんは

もう片方は良くなり、もう片方は悪くなります。



どのように変わるか

良い歩行の定義からふれなければいけませんが

私は歩行は主に二つの視点でしかみておりません。

それは

・流動性があるか
・立脚後期が出ているか

です。

個々の関節の異常動作を見る

一般的な歩行分析の定義とはかけはなれてはいますが

私の歩行分析の目的は

その運動療法が効果的かどうかみる効果判定です。

これを前提として話していきます。


体幹側屈のストレッチをして特に変化が大きいと思う部分は

股関節です。

いわゆる

トレンデレンブルグ徴候です

悪くなるほうに側屈ストレッチをすると

このトレンデレンブルグが顕著になる印象があります。

またトレンデレンブルグになることから

両脚の立脚期間に左右差が出てきます。

言葉にすると難しいですが

体幹が乗っかてつっかかっている感じです。

流動性が欠如しているということです。


考察

私の考察ですが

これはもともとヒトが片方に偏っている生き物だからだと思います。

柿崎ら1)によれば、

成人の9割の胸郭が左側方偏位しているといわれています。

この体幹側屈ストレッチはこの偏りを操作しているのだと思います。

そのように考えると

片方のよくなるほうは胸郭を正中位にし

悪くなるほうは胸郭をさらに偏位を強めていると推測しています。

しかし臨床をしている感じだと

良くなる体幹側屈ストレッチは右側屈ばかりかというと

そうとは思えないのが正直なところです。

経験年数の少なさも影響しているとは思いますが

割合的には両方同じくらいだと思っています。

むしろやや左側屈が有効な場合が多い印象です。


そして何より重要な発見は

ROM制限がある方をストレッチしても

必ずしも良くならないという点です。

このことから

ROM制限の改善がいい歩行に直結するわけではないことを実感しました。


目の前の患者をみる

重要なことは目の前の患者をみることだと思います。

有名な臨床家や教授、理論・根拠、研究結果よりも

セラピストに治療を教えてくれるのは

患者です。

何より理論や根拠は通じない場合がほとんどなのが

臨床です。

ヒトは複雑系であり、単純ではありません。

シンプルな治療が良い治療という

言い伝えがありますが

私の意見ではありますが

ヒトにシンプルな論理はほとんどの場合通じません。

ヒトにかかわるさまざまな研究が

再現性がないということは念頭においてください。

研究者を踏みにじるような発言かもしれませんが

それほどヒトの変化は多様なものなのです。

ですから知識だけにとらわれず

客観的に仮説を検証する能力

を養いましょう。



今回はこれで以上です。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。




参考文献

1)柿崎 藤泰 :胸郭運動システムの再建法 第2版 ヒューマンプレス社 








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