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新たな変化を求める時に読みたい7冊

【勉強を教えない塾でよく参照される本をかみ砕いて伝えるnote】
◆ 人生や生活の「節目」のヒントになりそうな本を厳選してご紹介
◆ テーマは「ビジネス・教養・コミュニケーション・自己管理」に特化
◆ ベストセラーにならない「見つけにくい本」を中心にお届け

「そろそろ次のステージへ進みたい」なんて思う時って、ありませんか?
進学や就職、起業や結婚に限らず、人生にはさまざまな「節目」があって、そういう時に人は新しいことを学ぼうとします。

ただ、現代には情報がありすぎて、考えてもよくわからない時があります。
「何から手をつければいい?」
「結局何がしたいんだろう?」
「これに何の意味があるの?」

 そんな時に動き出すきっかけとして、読書はオススメです。必ず答えが見つかるわけじゃないし、中途半端になる方が多いかもしれない。それでも、確実に「考えを広げるヒント」にはなります。

 ここで取り上げる本も、全部を読む必要はありません。軽く調べてみたり、書店や図書館で読んでみたりして、気付きがあれば十分です。その中で特に興味を惹かれるものがあれば、その時にじっくり読んでみればいいと思います。

まずは「知ってみる」ことから。考えるためのヒントとして、ここに挙げる本があなたの役に立てば嬉しいです。
(いずれも「難読度」「ジャンル」「メッセージ」を表記しています)


『新一分間リーダーシップ』

難読度:☆
ジャンル:コミュニケーション
メッセージ「4つの成長段階に合わせてリーダーシップを使い分けよう」

 仕事や勉強における人の成長プロセスがシンプルにまとまっていて、次のチャレンジが見えやすくなる本です。今の自分の成長段階や、今の自分に必要なサポートを、大きく4つのステージに分けて解説してくれています。

 モチベーションと実行能力、コーチングとティーチング、それぞれアプローチの組み合わせによって関わり方はまったく異なります。タイミングや状況によって変化するリーダーシップなので、「Situational Leadership(状況に応じたリーダーシップ)」と呼ばれています。

 自分自身をリードするヒントとして、まず読んでみるのにオススメです。物語風に書かれていて読みやすい上に、要点は奥が深い。(著者のケン=ブランチャードさんの「1分間」シリーズは、『星野リゾートの教科書』にも取り上げられていて、こちらも勉強になります)

(本文より一部抜粋)
・懸命に働くな、賢明に働け
・違った人には、違ったやり方を
・すぐれた仕事とはどのようなものか、共通認識をつくりあげる

『新一分間リーダーシップ』/ダイヤモンド社

『言葉にして伝える技術』

難読度:☆
ジャンル:自己管理
メッセージ「感じたことを表現するための言葉を洗練させよう」

 「伝える技術」とあるのでコミュニケーションの本のようですが、表現力や言語化能力に重点を置いた内容になっています。おそらく読んだ後は、「人に伝えてみよう」ってなるより、「まずはノートや日記で練習しよう」ってなるはずです。

 まずは、いかに自分が普段「あいまいな言葉」を使っているか気付くことから。「言葉にできないモヤモヤ」を乗り越えた先で、やりたいことは見つかり、人に伝わるようになっていくんだと思います。

(一部抜粋)
・いつでも思い出し、より明確に呼び起こすためには、言葉が必要
・表現力は、国語力や文章力とは関係なく、五感が磨かれることで自然に身につく能力
・最も手っ取り早く、簡単な方法が、感じた感覚を言語に置き換え、整理をしながら記憶をすること
・言語化を積み重ねていくことで、感覚も養われていく

『言葉にして伝える技術』/祥伝社新書

『他者と働く − 「わかりあえなさ」から始める組織論』

難読度:☆☆
ジャンル:コミュニケーション
メッセージ「人と自分は違う、という前提で他者を理解しよう」

 「自分の中の常識」と向き合いたい時に読むといい本です。表向きは「他者との関わり方」について書かれていますが、本質的には内省に向いています。他者との関わりの中で見えてくる、「自分の態度や心構え」に気付くことがポイントだと思います。

 この本の中では、「解釈の枠組み」という表現で自分と他者との「考え方・ものの見方」の違いを解説してくれています。世界的名著『7つの習慣』における「パラダイムシフト」と同じ意味なので、こちらも参照すると一層考えが深まります。(ただし、『7つの習慣』の方が難しめです)

(本文より一部抜粋)
・対話が日本で起きにくいのは、お互いに同じ前提に立っていると思っているから
・自分がよかれと思ってやってきたことが、いつの間にかよくない結果をもたらしていたことを受け入れるというのは楽なことではない
・大企業病なのは、実は提案を妥協した側も同じであり、そこに加担していることに気がつく必要がある

『他者と働く』/NEWSPICKS Publishing

『ニュータイプの時代』

難読度:☆☆
ジャンル:教養
メッセージ「時代の変化を見極めて、常識をアップデートしよう」

これまでの正解が正解じゃなくなる時、どのように働き方や生き方を考えていけばいいか? 態度や思考を養うための一冊です。

社会が不安定・不確実・複雑・曖昧になっていく中では、これまでの社会で常識とされてきた考え方が通用しません。特に「経験・予測・最適化」の価値が急速になくなっていく流れが示されています。

行動様式を「オールドタイプ」と「ニュータイプ」に分け、思考法やワークスタイルの変化をわかりやすい流れで書いてくれているので、内容の割に比較的読みやすい本です。まずは「勉強のしかた」を知ることから、少しずつ行動や習慣を進化させていくといいと思います。

(本文より一部抜粋)
・問題が少なくなり、解決能力が多くなった現代では、「問題を見出し、他者に提起する人」に価値が生まれる
・イノベーションとは、「結果として生まれるもの」であって、初めからイノベーションを目指してがんばるようなものではない
・さまざまなテクノロジーやビジネスモデルの変化に対して、ルールの制定が追いついていないのが現代
・構想力はリベラルアーツ(自由になる技術)で高まる

『ニュータイプの時代』/ダイヤモンド社

『Humankind 希望の歴史』

難読度:☆☆☆
ジャンル:教養
メッセージ「人間は、圧倒的に善である。『善の悪用』を防ごう」

「人間は根本的には、善なのか、悪なのか」を問う一冊。
世間では悲惨な事件や戦争がたくさん報道されているため、人間の「悪」の部分が強調されがちです。しかし、「実はそうではない!」というのがこの本の主張です。

人間は、圧倒的に善である。そして善ゆえに、事件や戦争に進んでしまう。その洞察やメカニズムはとても鮮やかで、人間に対する捉え方がガラッと変わってしまうほど。

しかも、この主張には明確な根拠があり、単なる著者の見解や願望ではありません。過去の心理学の実験やメディアの情報を検証し、エビデンスを明らかにした上で反証や結論を述べています。

なぜ、世の中ではこんなにも人間の「悪」の部分が取り沙汰されるのか?
陰謀論ではありませんが、「人間は悪である」と主張した方が都合の良い人たちが存在しているのは確かなようです。(だからこそ、惑わされないようにしたい!)

どのようなメカニズムで、人は残虐な事件を引き起こしてしまうのか。なぜ善の部分はほとんどクローズアップされないのか。根本から人間や社会を見直してみると、これから考えるための視野がグンと広がると思います。
(じゅくちょうが選ぶ、2021年に強く影響を受けた本、堂々の第一位!)

(本文より一部抜粋)
・危機が引き出すのは、人間の最悪の部分ではなく、最善の部分なのだ。
・緊急時に観察された行動の圧倒的多数は、社会のためになる行動だった
・映画でよく描かれるのとは逆に、災害時に大規模な混乱は起きない
・多くの研究によると、ニュースはメンタルヘルスに危険を及ぼす
・映画によって作り上げられた暴力のイメージと現実の暴力は、ポルノと現実のセックスが違うのと同じくらい違う

『希望の歴史』/文藝春秋

『「型を破る人」の時代』

難読度:☆☆☆
ジャンル:教養
メッセージ「常識にとらわれず、アートの視点でものごとを考えよう」

『「型を破る人」の時代』/三笠書房

 「アート(自己表現)」を題材にした本です。マーケティングを想定してのタイトルだと思いますが、せっかくアートを題材にしたなら、もう少し美的センスも働かせてほしい気もしますね。笑 原書のタイトルは『The Icarus Deception』(イカロスの過ち)です。

 「イカロス」は神話の人物です。ろうで固めた翼を使って空を飛ぶのですが、太陽に近づきすぎてろうが溶け、墜落してしまいます。それで後世には「高望みをしてはいけない」「思い上がるな」というメッセージが遺されているのですが、この話にはもう一つ裏があります。

 イカロスに翼を授けた父ダイダロスは、「低く飛んで海に近づくな」という警告も発していたのです。高いところを飛ぶより、低いところを飛ぶ方が危険だ、と。これは「低レベルに甘んじて身を滅ぼすな」というメッセージなのですが、残念ながらこちらは言い伝えとして遺されなかった。「出る杭は打たれる」を強調した方が、権力者には都合が良かったのでしょうね。

 こうした前置きをもとに、「アートとイノベーション(=破壊と再生)」のための考え方や観点をたくさん書いてくれているので、新しいことを考える上でとても参考になります。ページ数は多いものの、小見出しの区切りが短いので、スキマ時間を利用して少しずつ読み進められます。

 世間に押し付けられた「常識の枠」にとらわれず、自由に空を舞う生き方へと羽ばたいていきましょう。

(本文より一部抜粋)
・目立って輝くことのリスクを気にするあまり、それを避けようとして、大切なことをすべて犠牲にしてはいけない
・人が喜んでお金を払うのは、今まで想像もしなかったものや、いつも簡単に無料で手に入るわけではないものに対してだけだ
・ほとんどの人はずっと洗脳されてきたがゆえに、自分の仕事は世界を修正することであってデザインすることではないと、まだ信じている
・あなたの仕事とは、自分のおそれと向き合うことだ
・集団は、まわりと違った行動をする人、異なる外見を持つ人に羞恥心を植え付ける

『Your Life as Art 自分の人生を創り出すレッスン』

難読度:☆☆☆☆
ジャンル:自己管理
メッセージ「思い込みから抜け出し、創造の流れに乗ろう」

 帯を見てもわかる通り、「アーティストが作品を生み出すように、人生を創造する」というのがこの本のコンセプト。「創造」という行動を、どのように考え、どのように取り組めばいいのか、アーティストの思考回路を覗き見しているような気分で読めます。

 勉強を教えない塾としては、毎月実施している「メンテナンスセッション」や「workin' talkin'」が、この流れに沿ってデザインされていると確認できて嬉しかったです。

 一口に「頭を使う」といっても、どこに意識を向けて何から考えていくか、順序立てて考えるのは意外と難しいものです。それを分解して論理的に組み立てくれているので、考え方から取り組み方まで「思考のメカニズム」が見えてくると思います。

 ただし、相談やコンサル、コーチング等で「深い対話」を経験したことがない人には、イメージがつかめず内容が入ってこない可能性があります。頭で考えるよりもう少し深い「心で考える」能力が求められるので、自信がない人は一度プロに頼って深い対話を経験しておくといいかもしれません。

(本文より一部抜粋)
・これまでどんなパターンにはまっていても、いつも新しい可能性がある
・自分のニーズを満たせなかった過去の事例をどんなに参照しても、今の自分のニーズを満たすことはできない
・スケッチや練習を重ねていくことから、画家の心の中でビジョンが明確になっていく
・創り出したい人生を創り出すには、思い込みや信念は関係ない
・現実を否定し続けている限り、私たちは自分の人生を創り出すことができなくなっていく
・嫌いなことを好きになろうとして時間を無駄にしないでほしい

『Your Life as Art』/Evolving

 ……以上、勉強を教えない塾で参考にしている7冊をご紹介しました。

参考になりそうな本、興味が持てそうな本はありましたか?

 新たな変化を求める時には、「今までと違う行動」が一番の勉強になります。普段は読書をしない人も、別のジャンルばかり読んでいる人も、考えるきっかけとしてお役立ていただけたら嬉しいです。

最後までご覧くださいまして、ありがとうございました!

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