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『親といるとなぜか苦しい』~セルフチェック読書~

親になった全員がバランスの良い愛情を会得できる訳じゃないし、
子どもは、自分の親が少々歪んでいたとしても気が付くのは難しい。

皆さまご存じの様に、世の中の親子は理想のカタチばかりでは有りません。
いかにも全てが上手くいっているように見える家庭でも、実は親が子どもの心身の健全な成長を阻害してしまっていることも少なくないようです。
極端な場合は身体的・精神的なネグレクトや、虐待という事態にまで及び。

こちらの本は、"愛着障害"について長年発信されてきた岡田尊司さんが、未熟な「親」に苦しめられている子どもの心を救うために書かれました。
読み進めて行くと、親である自身と、子どもとの関係性を点検する視点でも読めることを感じます。
自分が親として"子の安全基地"になれているのかは気になるところです。
子育て中または子育て後の親としても、セルフチェックに如何でしょうか?

「子どもは親を選べない」という事実
 子どもは人生で最初に経験する対人関係を自分で選ぶことはできない。もっとも強い絆は、最初に愛着を抱く親とのかかわりだ。子どもにとっての親とは、怖い思いをしたり、空腹だったり、疲れたり、病気になったときに頼れる存在でもある。
 精神的に未熟な親は、いつ果てるともなく子どもの期待を裏切り続ける傾向があるが、その理由を説明するのに役立つのが、この絆の強さだ
 子どもの中にあるごく初期の本能が「親に面倒をみてもらえ、親に理解してもらえ」とうながしてくる。

子ども時代を振り返る
 ここでは精神的に未熟な親のせいで子どもが経験してきた、特につらかったであろう経験をまとめておく。自分の子どものころの経験にあてはまるものをチェックしてみてほしい。

◎親に自分の話を聞いてもらえなかった。親が自分としっかり向き合ってくれたことはほとんどない
◎親の機嫌が家の雰囲気を左右した
◎子どもの気持ちなど思いやってくれなかった
◎つねに親の気持ちを察していなければならない気がした
◎何をしても、親に心から喜んでもらえたことはなかったと思う
◎親が子どもを理解しようとする以上に、親を理解しようとがんばっていた
◎親と心を開いて率直に話すなど難しいか、とうてい無理だった
◎「自分の決められた役割を果たすこと。その役割から外れてはならない」。それが親の考えだった
◎子どものプライバシーに口をはさみ、尊重してくれないことがよくあった
◎親から、神経過敏で感情的な子どもだと思われている気がしていた
◎親がえこひいきした
◎親は、耳の痛いことを言われると、そこから先は聞く耳を持たなかった
◎親のそばにいると罪悪感を覚えたり、自分はつまらない人間、できが悪い子だと感じたり、恥ずかしい思いをすることがよくあった
◎子どもとの間で問題が起きても、親は謝ったり、その状況をなんとかしようとすることなどまずなかった
◎親にぶつけられない怒りが心の中に積もっていた

すべての特徴に自分の親が当てはまることはないとしても、複数当てはまれば、精神的に未熟、ということになるだろう。

親といるとなぜか苦しい ~P86~

本書では"毒親"ではなく"精神的に未熟な親"という表現をしています。
世の中には毒親特性を発達障害の一種とする解釈も有りますが、"未熟な親"は発達障害の有無に関わらず生じます。
わざと意地悪したのでもなく、能力がなかったわけでもなく、他人を心から思いやれるほど心が育っていない親というケース。
感受性が低かったり、相手の気持ちが汲み取れない親というケース。
親に限らず、兄弟など「未熟な家族のだれか」で苦しんでいるケース。
私自身含め自力で変化するのは容易なことではありませんから、他の人の言葉で自分自身を振り返るのは、改善の良い一歩になるのではないかと感じてます。

この本はコミュニティ作りの勉強会で知り合った若い友人に教えて頂きました。
その方は、人生の大切な進路を決めたときにこの本を手に取ったそうです。

では、今月もいろいろなことを学びながら子どもと歩んで参りましょう。

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