登場人物(母の日記)

〇〇:私。現在39歳。母を26歳のときに亡くす。

母:私の母。生前に愛犬のソラに話しかけるように日記を書いていた。

ソラ:母が本当に大好きだった愛犬。私が23歳の頃に病死。

△△:私の兄。兄なので言いづらいが、私と同じくしっかりとしているとは言い難い兄。

■■:私の姉。私の兄弟の中で1番しっかりとしている。結婚をして子供も2人いる。

◆◆さん:私の祖母。日記内では施設に入所している。母が亡くなった約半年後に他界。

夫:私の父。母が日記で夫と記載している。母が言うこと、家族の話すことは否定してばかりの人間。私自身、小さいころから褒められたことがなく怒られた記憶しかない。車とゴルフが大好き。

 最後に。

 私の先祖は土地を多く持っており、父は不動産経営で働かずとも収入を得る生活を送っており、私たち兄弟もすごい贅沢をしたわけではないが、不自由することなく生きてきた。
 
 まわりから見るとお金持ちに見られていた。現代で想像するようなすごいお金持ちではないが、私自身も恵まれていたということは感じている。

 しかし、現在は税金や父が車を多く乗り換えたこと、働かなかったこと、色々なツケが回り、今は徐々に不動産を手放している。税金対策、借金していなればならないというが現状手放すばかりで崩壊が進んでいる。

 母は生前、家の経理をしており、一見比較的お金持ちにみえるが、資産と同時にそれ以上の借金を背負っていることで、色々な部分を父に指摘していたはずだが父は聞く耳を持たなかった。

 また、母を亡くしたあとに施設に入所していた祖母が亡くなった。世間的にはよくあることと言われるが、父の兄の家族が不動産か金銭をほしいという裁判を起こし、大きな金額の支払いをしなければならないため借金、資産含め大規模な借り換えをしなければならなくなった。

 その際に私たち兄弟が連帯保証人のハンコを押さなければならないと銀行の方に言われたが、兄と姉はハンコを押さなかった。結婚して家族がいるので資産よりも借金が多いことのリスクももちろんあると思う。が、母がいない今、兄と姉はとにかく父との関係を終わらせたかった気持ちが強い。

 「おまえらがハンコ押さないなら養子でもとるからよ」

 父は、そこまでの言葉を私たちに吐いていた。

 私はハンコを押した。父がどうとかではなく、自分は仕事もしっかりしておらず、独身。一人の人生ならどうでもいいや、と。そのときから7年ほど経つ今は怯えてしまっているが。また、父は嫌いだが、亡くした母、祖母、兄、姉は好きだ。15年で借金は返し終わると、銀行の方の提示したシュミレーションを信じた。

 だが、生活水準を下げれない父は、税金に苦しみ前途で書いたとおり、不動産を手放し始めている。

 私は弱い。自分自身弱すぎることはわかっている。私がしっかりしていれば、すべてにおいて余裕があれば不安になることはない。

 もちろん恵まれてきたこともわかっている。

 そんな弱い私は最近父に問いかけた。

 「最終的に借金どうなってるの?」

 そうすると父は、

 「20年経つと税金が上がって、~~」

 Q&Aにならない会話ばかりがずっと続き、溜まったイライラで私は精神状態はおかしくなってしまった。

 つい熱くなり、最後にと書きながらかなり長くなってしまったが、そんな父を母はずっと我慢していた。そして、しっかりしていない私と兄。姉は嫁にいき、子育てに忙しく迷惑をかけれないと母はきっと感じていた。

 心の拠り所が日記に出てくるソラだけだった。

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