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2024年5月の記事一覧
私は記憶を手繰る度…
私はなんでも、思い出します
オタマジャクシの足、トンボの赤茶けたいろ、
図書館の外で、シロツメクサを見ていたあの時
みんな、みんな、思い出します
そして、その度、淋しくなります
もう二度と、あの時は訪れないから
もう二度と、あのしあわせは来ないのだから
あの幸福は、去ってしまったのだから
私には、もう幸せなんて、訪れないでしょう
私には、もう人を愛する時は、来ないでしょう
全ては、悪い、夢のよ
自分自身を無にするということ。
人生とは、下降運動である。この世に生まれ落ちたその瞬間から、その身が汚泥へと成り果てるその時まで、人は絶えず下へ、下へと落下を続ける。この力は、「重力」のようなものである。
いかにしてその力から逃れられようか。
いかにしてその力から免れられようか。
ーただ、「恩寵」によってのみ、である。
「恩寵」とは、満たすものである。
しかし、恩寵を迎え入れるには擬似的な真空状態が必要である。それは、全てを捨て
他者を通して、自分自身を愛するということ。
人は、自分自身を愛することはできない。
わたしたちは、ただ他のものを愛することが
できるのみなのである。
ここに、わたしたちの悲惨がある。
他者が私たちを愛しているから、わたしたちは
他者を愛さなければならぬのではない。
他者が私たちを愛しているから、わたしたちは
わたしたち自身を愛さねばならぬのである。
この回り道がなければ、どうして自分自身を
愛することが出来よう。