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人との絆を深める仏教の知恵:和顔愛語のすすめ




1. はじめに:お悩み相談会について

みなさん、こんにちは!蓮城院副住職のコウブンです。今日は、「お悩み相談会」をお送りしたいと思います。

このお悩み相談会は、ハスノハというお坊さんがお悩み相談に答えるウェブサイト、そちらに寄せられたお悩み相談に、私コウブンが答えるといったものでございます。

楽しみながら、みなさんと一緒に考えていけたらいいなと思っています。どんなお悩みが寄せられているのか、早速見ていきましょう。

2. 相談内容:人との縁が切れやすい

さて、今回相談してくださったのは、30代の既婚兼業主婦の方です。どんな悩みなのか、ちょっと覗いてみましょう。

厄年のせいなのか、ここ一年身内や職場、友人含め人との縁が遠くなったり、切れたりしています。こちらからなにもいわず去ったり、お互い喧嘩したりなどが続いています。他の年と比べるとかなりの数です。原因が自分にあるとすれば、自分の正義を押し通しすぎるきらいがあるかもしれません。どう修正すればいいかと悩んでいます。柔和な人格になりたいです。

う〜ん、なんだかつらい状況が続いているみたいですね。人間関係って本当に難しいものです。でも、大丈夫。一緒に考えていきましょう。

3. 和顔愛語(わがんあいご)とは

この相談を読んで、私がぱっと思い浮かべたのが「和顔愛語(わがんあいご)」という言葉なんです。「わげんあいご」とも読むんですよ。聞いたことありますか?

この言葉、実はとってもステキな意味が込められているんです。二つの部分に分かれていて:

  1. 和顔:柔らかで穏やかな表情、優しい表情、笑顔のこと

  2. 愛語:思いやりのこもった優しい言葉のこと

つまりね、笑顔で、相手を思いやる優しい言葉で話すこと。そんな意味なんです。簡単そうで、実は奥が深いんですよ。

4. 問題の原因を探る

さて、今回の相談者さん。自分で「正義を押し通しすぎるきらいがある」って気づいているんですよね。これ、すごく大事な気づきだと思います。

えっとね、たとえば友達と話していて、自分が正しいと思ったことを強く主張しちゃうことってありませんか?「これは絶対こうだ!」って。でも、そんなふうに言われたら、相手はどう感じるでしょう? ちょっと引いちゃうかもしれませんよね。

正しいことを言っているつもりでも、相手の気持ちを考えずに言ってしまうと、それって攻撃されているのと同じように感じられちゃうんです。そうすると、「あの人とは話したくないな」って思われちゃうかもしれません。

5. 和顔愛語の実践方法

じゃあ、どうしたらいいの?って思いますよね。ここで役立つのが、さっき紹介した「和顔愛語」なんです。具体的にどうすればいいか、一緒に考えてみましょう。

  1. まずは表情から:鏡を見て、自分の表情をチェック。柔らかい笑顔を意識してみましょう。

  2. 言葉遣いを意識:「〜しなさい」「〜すべき」みたいな言い方は控えめに。代わりに「〜してみない?」「〜だといいかもね」という優しい言い方を心がけてみましょう。

  3. 相手の意見を尊重:自分の意見を言う前に、まず相手の話をしっかり聞きましょう。そして「なるほど、そう考えたんだね」と相手の意見を認めてから、「私はこう思うんだけど、どう?」って感じで自分の意見を伝えてみるのもいいかもしれません。

  4. 全否定は避ける:「それは違う!」ではなく、「そうだね。でも、こんな見方もあるかも」という感じで、相手の意見も尊重しながら自分の考えを伝えてみましょう。

これらを意識して実践してみると、きっと周りの人との関係も少しずつ変わっていくはずです。

6. 曹洞宗における愛語の重要性

ところで、私が属している曹洞宗では、この「愛語」というものをとっても大切にしているんです。なぜかというと、修証義(しゅしょうぎ)というお経の中に、こんなふうに書かれているからなんです。

  • 「面いて愛語を聞くは面を喜ばしめ、心を楽しくす」
    これはね、直接会って優しい言葉を聞くと、顔が喜んで心も楽しくなるよ、って意味なんです。

  • 「面わずして愛語を聞くは肝に銘じ魂に銘ず」
    これは、直接会わなくても、人づてに優しい言葉を聞くと、心に深く刻まれるんだよ、って教えているんです。

つまり、優しい言葉ってすごい力があるんですよ。直接会っても会わなくても、人の心に深く届くんです。素敵じゃないですか?

7. 人望のある人から学ぶコミュニケーション

みなさんの周りにいる、人気者や人望のある人のことを思い浮かべてみてください。その人たちって、どんな感じですか?

たいていの場合、こんな特徴があると思うんです:

  • 笑顔が素敵

  • 優しい言葉遣い

  • 相手の話をよく聞いている

  • 自分の意見を押し付けない

つまり、無意識のうちに「和顔愛語」を実践しているんですよね。

例えば、正しいことや正義のことを言うときも、強く主張するんじゃなくて、「こう考えるのはどうかな?」って感じで、やわらかく伝えたりするんです。そうすると、相手も受け入れやすくなりますよね。

8. まとめ:和顔愛語の実践に向けて

さあ、ここまで「和顔愛語」について一緒に考えてきました。最初は難しく感じるかもしれません。でも、少しずつ実践していけば、きっと良い変化が訪れるはずです。

相談者さんも、ぜひこの「和顔愛語」を日々の生活で意識してみてください。最初は鏡の前で練習するのもいいかもしれませんね。笑顔で「おはよう」って言ってみるだけでも、気分が変わってくるはずです。

そうそう、大切なのは自分を責めないこと。人間関係って本当に難しいものです。うまくいかないときもあるでしょう。でも、それも含めて人生なんです。ゆっくりでいいので、一歩ずつ前に進んでいきましょう。

最後に、このお話を聞いてみなさんはどう思いましたか? ご意見やご感想があれば、ぜひコメント欄に書いてくださいね。また、自分の悩みを相談したいなという方は、スタンドFMのレター機能を使って、私に直接メッセージを送ることもできます。みなさんの声を聞けるのを楽しみにしています。

それでは、蓮城院副住職のコウブンでした。また一緒にお話しできる日を楽しみにしています。ありがとうございました!


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