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【多くの人は「才能」を誤解している?】自分の才能に気付くための簡単な方法(2014年4月号特集)


※本記事は2014年4月号に掲載した本田健先生のインタビューを再掲載した記事です。

〝自分の好きなことをやって楽しく生きよう〟をテーマに、これまでに80冊以上の本を世に送り出している本田健さん。著書はすべてベストセラーになり、著作累計部数は560万部を突破しています。今回は34歳で作家デビューし、見事に才能を開花させた本田さんにそのノウハウをうかがいました。

身近にありすぎて見つけにくい

――ずばり、才能とはなんですか。

才能は、ごく自然にできて楽しいものです。本を読む、料理を作る、人と仲良くなるのが得意など、本人としては努力したつもりがなくてもできることです。

――趣味や好きなことですか。 

あまりにも自然なことなので、自分自身はそれを才能だとは思っていない。ほとんどの人が、俊足であるとか、おもしろい小説が書けるとか、何か特別なことだと考えてしまっています。

――すぐに見つかるものですか。

才能は地面の下の温泉のようなもので、発掘しないと出てこない。将棋の羽生善治さんやイチローのような天才たちは、子どもの頃からすでに才能が突出していて発見しやすかったかもしれません。しかし、多くの人は、油田を探すときのように何度も掘り起さないと、才能は見つけられないものです。

――才能を掘り当てるのと掘り当てないのとでは、人生が大きく変わりますね。

自分の才能のありかを見つけることが、人生で一番大切なことだと思っています。
なぜなら、才能を発揮する場所を間違えると、どう頑張ってもうまくいかないからです。嫌な仕事にしがみついているだけでは、人生が苦しくなります。

――才能がないと分かっても、あきらめきれない場合もあります。 

方向性は合っているけれど、分野が間違っているだけかもしれません。たとえば、公募ガイドだったら、文芸の項目に俳句もあれば、小説もある。さらに小説には、ミステリーもあれば純文学もある。

いつもミステリーに応募しているけど、本当は純文学のほうが向いているかもしれない、そんなふうに発想を変えてみましょう。たとえば、イチローは最初はピッチャー志望でしたが、けがしたこともあり、打者に転身して成功しました。バスケットの神様、マイケル・ジョーダンは一時、野球に挑戦しましたが、全く振るわなかった。スポーツという枠でも種目によって違うし、同じ競技でもポジションが変わるだけで、才能が発揮できるかどうかが違ってきます。才能のありかの周辺にいても、本来その人が持っている才能の文やではないと才能が生かせないんです。

――本当の自分の才能を見つけるヒントはありますか。 

それは、「自分が大好きなこと」に隠されていると思います。たとえば、子ども時代にワクワクしたこと、人からよく褒められることなどです。反対に、恐ろしくてドキドキすることでもいいです。
小説家になりたくて公募ガイドを買ってみたものの、挑戦するのが恐ろしいという人もいると思います。なぜかと言うと、自分が受賞すると思っているからです。
挑戦する前に、賞を獲って作家デビューできたらどうしようという想像が働いているんです。受賞すると思っているということについては、ワクワクするのと同じです。最初から落ちると思っていたら、怖くはないはずです。

多くの人が諦める

――才能があっても伸びない理由は? 

一番大きいのは経済的なことですね。
せっかく才能が見つかっても、食べていけないからとあきらめてしまう人がほとんどでしょう。実業家の松下幸之助さんも、「失敗の多くは成功の前にあきらめてしまうことに原因がある」と言っています。多くの才能があきらめという谷に落とされているとも言えます。

――あきらめてはいけない?

東野圭吾さんや大沢在晶さんも、売れる前は、「万年初版作家」と言われていましたそれなのになぜ今こうして成功しているか。それは書くのをやめなかったからです。さきほども言いましたが、才能とは本来、ごく自然にできて楽しいこと。だから、努力を努力と感じないで続けられる。自分の本当の才能を見つけたらあきらめずに続ける、こういう人たちが成功できます。

――本田さん自身は、昔から本を書く才能があると感じていましたか。 

デビューする34歳まで、そんな才能があることに気づいていませんでした。両親も親戚も学校の先生も、誰も作家という才能を見出してくれませんでした。高校の同窓会では、先生から「まさか作家になるとは想像せえへんかった」と言われました。けれど、「確かにおもしろいやつではあった」とも言われました。子ども時代は話すことが得意で、日常のことをおもしろおかしくしゃべることが大好きだったんです。

人との出会いで才能が開花

――作家デビューへの道のりを教えてください。

作家になろうと思ったときに、公募ガイドを買いましたが、どれも難しそうで、ほとんどの読者の方と同じようにすぐに沈没したのを今でも覚えています。

――それでどうされたんですか。

別のルートにしようと決めて、まずはプロで活躍している作家の方を紹介してもらい、会いに行きました。その次はベストセラーを編み出した編集者、さらに何万部も売り上げている会社社長のもとにも足を運び、実際に成功したリアルな方法を伝授してもらいました。

――行動力があったんですね。

私には弟子入りの才能もあったと思います。文章が苦手でも、「話す才能」と「弟子入りの才能」を生かして作家デビューしました

――才能を開花させるには、自分の力だけでなく、人の力も必要ですね。 

真剣に才能を開花させ始めると、不思議と助けてくれる人が現れてくるんです。

――そこで頑張れた原因はなんですか。

やっぱり自分の才能を育てたいという気持ちです。それは、「この子のために頑張らなければ」というような子育てに近い感覚です。やらずにあきらめてしまったら、育つものも育ちません。

――しかし、才能が思うように発揮できなくて落ち込むときもあります。

それは誰にでもあることで、一時的なら落ち込んでもいいと思います。ただし、ずっとはだめです(笑)。

――とことん落ち込んで、「才能のありか探し」が嫌になったときは?

才能を探すのをやめてしまう人がいますが、まずは今一番ワクワクすることをやりましょう。たとえば、Aという才能らしきものを続けていくと、いつのまにか才能が生かせるBにたどりつくことがあります。ある女性にはフラメンコを踊りたいという夢があり、思いきって教室に通いました。すると、そこで意気投合できる人と出会い、さらにその仲間と組んで、なんと起業までしてしまったんです。結局、教室は三日でやめたけど、起業の仲間が見つかった。だから、フラメンコをしようと思った選択は正しかった。
今は分からなくても、まずはなにかワクワクすることをやってみることが大事です。始めると、道が開けてくるんです。

――才能を見つけると、まさに人生が変わりますね。

仕事が仕事と思えなくなります。私は話が得意という才能を生かして、定期的に講演会も行っていますが、1000人以上の人たちの前で話すのが楽しくて仕方ありません。本もほぼ毎月一冊という早いペースで出していますが、本を書くのが生活の一部になっていて、まったく頑張っている気がしません。そういう自分も、作家になる前は、公募ガイドを見て、自分には無理だと思いました。しかし、あきらめませんでした。

――本誌読者の方に一言お願いします。

いろいろな分野で活躍する人物とたくさんお会いしてきましたが、才能のある人には、表舞台に立つタイミングが必ずめぐってきます。今、公募ガイドを手にとったということが、そのタイミングかもしれません。本当の才能を見つけるために、毎号買って積極的にチャレンジしてほしいと思います。

「大好きなこと」の7つの側面(『図解 自分の才能の見つけ方』より引用)

  1. やっているだけで楽しくなること
    「料理をつくっているだけで楽しい」「人前で話すとワクワクする」といったように、やっているだけでエネルギーが高まってくるような感覚が持てる状態です。

  2. 周りを楽しませ、幸せな気分にさせること
    やっている本人だけでなく、まわりの人も自然と喜ぶことです。例えば、喜びいっぱいの表情で歌を歌う人は、聞いている人を幸せな気分にさせます。

  3. 自然とやってしまうこと
    本を読む、掃除をする、料理を作る……など、ついつい自然とやってしまうようなことです。
    当然、それらはその人にとって大好きなことと言えます。

  4. 生まれ変わってもやりたいこと
    「それをやるのが楽しすぎて、1 回の人生ではやりきれない」という感覚を伴うものです。

  5. お金を払ってでもやりたいこと
    大好きなことをやって成功している人は、お金を払ってでもそれをやりたいと思っています。

  6. いつもまわりにほめられたり、「もっとやったら」と勧められること
    サラッと描いた絵などが思いがけず他人からほめられたりすると、実はそれがあなたが本当に好きなことである可能性が高いのです。

  7. 少しでも時間があればやってしまうこと
    誰にも頼まれたわけではないのに、少しでも時間があればついついやってしまうこと。それこそが、あなたが本当に好きなことです。

才能に対する7つの誤解(『図解 自分の才能の見つけ方』より引用)

才能は天才にのみ与えられる

才能は最初から特別な人だけに与えられているものという誤解。才能は誰もが持っていますが、たいてい自分ではそれが何かわかりません。多くの人は才能の掘り出し方、磨き方を知らないので、自分にはないと思い込んでいるだけなのです。

才能は職業である

才能をすぐに職業に結びつけて考えてしまうという誤解。「すぐお金や仕事にならないんだったら、才能ではない」と考えると、せっかくの可能性が閉じてしまいます。才能を上手に組み合わせていけば、その人にしかできない楽しい人生が送れます。

お金に換えられないものは才能ではない

お金に換えられないものは意味がないと思っているので、せっかく自分の才能らしきものを見つけても、ゼロと評価してしまう誤解。その才能が単体でキャッシュに換えられなくても、価値がないわけではないことを知っておいたほうがいいでしょう。

才能は遺伝する

才能は遺伝するという誤解。親に才能がないからといって、あなたに才能がないとは限りません。逆に、親に才能があるからといって、子供に才能があると決まっているわけでもありません。親と子供はあまり関係がないケースのほうが多いのです。

才能は秋っぽい人には見つからない

才能は飽きっぽいと見つからないという誤解。本当に心から「これだ!」というものが見つかったら、絶対飽きることはありません。逆に言うと、飽きているうちはまだ本物ではないと考えたほうがいいでしょう。

才能は若いうちにしか開発出来ない

才能は若いうちしか開発できないという誤解。スポーツや楽器の演奏など、一部の特殊な才能はたしかにスタートが早いほうが有利ですが、それ以外の才能に関しては、年齢は関係ないものもたくさんあります。

才能はある日突然天啓のように降ってくる

才能はある日突然降ってくるという誤解。
何もしていないのに、急に自分の才能がわかるというのは、特殊なケースだと考えてください。

才能をつぶす3つの言葉(『図解 自分の才能の見つけ方』より引用)

世間では通用しない

子供の頃、歌手や、スポーツ選手に憧れて、勉強をおざなりにしていると、「そんなことでは世間で通用しない」と親や教師に言われることがあります。「世間では通用しないよ」という言葉を聞いたら、「そんなつまらない世間に、自分は属さないことにする」と考えてみましょう。

経済的に成り立たない

せっかく才能があっても、「お金にならないからダメだ」と考える人がたくさんいます。ちょっとぐらい絵を描けても、歌を歌えても、文章を書けても意味がないと考えます。けれども、どんな大作家も世界的な画家もミュージシャンも、自信のないところから始めているのです。最初にお金にならないからといって、やめないことです。

お前にはどうせ無理

この言葉も、才能をつぶしてしまうパワーを持っています。なんの根拠もないのに、放たれるこういう種類の言葉には、その人の未来の可能性を奪ってしまう力があります。先生、両親、友人、パートナーからこの種の言葉がきたら、断固として受け取りを拒否するといいでしょう。

本田健(ほんだ・けん) 
経営コンサルティング会社など複数の会社を経営する「お金の専門家」。娘の誕生をきっかけに、30代前半で育児セミリタイヤ生活を開始。現在は「お金と幸せ」をテーマに、セミナーや講演会などを不定期に行っている。「20代にしておきたい17のこと」(大和書房)、「大好きなことをやって生きよう!」(フォレスト出版)などの著書シリーズはすべてベストセラーとなっており、累計発行部数は560万部を突破。累計1,100万ダウンロード突破の無料インターネットラジオ『本田健の人生相談~Dear Ken~』も好評配信中。
本田健公式HP:http://www.aiueoffice.com/

特集「才能はいかにして開花するか」
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※本記事は「公募ガイド2014年4月号」の記事を再掲載したものです。


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