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気になる生活

いつの間にか淡々と過ぎる生活。
この街にたくさんある生活の中の私の生活はその中の一つで、静かな生活なのだと思ったのは学生は受験の時期だったり、大学生は春休みの時期だったり、就活生はその準備を始めていたりすることを何気なく気づいたから。
自分も当事者だった時期があるのにすっかり忘れてしまういま起こっている周りの色々なこと。あの人の生活が気になってならないなんていうこともどんどんなくなっていくのだろうと思って少し鳥肌が立つような感じがしたのはなぜだろう。

朝散歩していると家の前を掃き掃除する老人やランニングをする中年男性がいたりして、駅に向かう会社員がいてその中に学生がぽつぽつと紛れ込んでいる。電車の中にはランドセルを背負った小学生が乗っている。
平日に動物園に行く。平日なのに子供連れが多いことに驚くのは学校は休みなのだろうか、動物園に行くから休みにしているのだろうかということがわからないから。大人の私もそう思われているのかもしれない、あの人は仕事をしているのだろうかと。喫茶店には置物のようなおじいさんやおばあさんがそこに座っていてその人たちは長いことそこにいて、そこにいることが生活になっているのだろうということをなんとなく、しっかりとした雰囲気で察することができる。
土曜日と日曜日の休みの人が多い日、街を歩いていてはっとする。
不動産屋の中ではスーツを着た人たちが忙しなく働いていて、コンビニでも薬局でも働いている人の方が多いくらいだ。考えるまでもなく当たり前のことなのになぜかはっとする。自分がどれだけぼうっと生きているのかを改めて認識したりする。

でもその認識は時間が経つにつれて薄まっていってしまって、また私はそこにいる人の生活を気にしだす。

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