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知識をどのように活かして行動するかが大事(『韓非子』説難篇)

今回取り上げるのは『韓非子』説難篇からの言葉。

知の難きにあらず、知に処するは則ち難きなり
(読み:チのカタきにあらず、チにショするはスナワちカタきなり)

『韓非子』説難篇

知ることが難しいのではない、知ったことを臨機応変に活かすことが難しいのである、という意味。

知識をスキルにまで昇華することの難しさを語った言葉ですね。


現代の情報化社会では、知識を得ること自体はそれほど難しくはありません。

ネットで検索すれば大抵の情報は手に入りますし、ChatGPTに質問すれば既存の情報を整理してアドバイスもしてくれます。

ネット環境さえあれば、理論上は誰もが同じレベルの情報を取得可能です。

もはや単純な情報の質と量だけでは、他人と差がつかなくなってきているのだと思います。

そこで大事になってくるのが、得た知識をどのように活かすのか、ということ。

知ること自体は楽しいですし、とても素敵なことだと思います。

私も歴史や古典を学ぶことが大好きです。

ですが、新しい知識を学んだり、過去の事例から教訓を得たりしたとしても、それを活かして自身の行動を変えることができなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。

荀子も以下のように言っています。

学は之を行うに至りて止む。
(読み:ガクはコレをオコナうにイタりてヤむ)

『荀子』儒效篇

学びの道は、実践までして初めて学んだと言えるのである、という言葉です。

学びは実践と一緒になって初めて最大の効果を発揮します。

何かを学んだから、新しいことを知れたから、それで十分だと考えてはいけません。

本当に難しいのは学んだあとです。

知識として知っていることと、実践で活用できるということは違います。

実践で活用できるようになるためには、知識同士の連携や深い理解が必要ですし、実際にやってみないとわからないこともあるでしょう。

私も先日、「やっぱり知識と実践は違うなぁ」と改めて感じる出来事がありました。

最近、自社サービスの表示速度の改善を進めていまして、先日改善の第一弾をリリースしたのですが、当初思っていたよりも表示速度が上がらなかったのです。

改善についての基本的な知識や他社事例はいろいろ確認し、検証用の環境ではかなり効果が出ていたので期待していたのですが・・・。

ただ、失敗ばかりでもありませんでした。

本番リリースを行って確認した結果、本当のボトルネックを発見することができたのです。

今はそのボトルネックの解消に向けて第二弾の改善を進めています。

この作業ができているのも、得た知識をもとに実践をしたからです。

知識を得ただけで何もしなければ、もちろん改善はできませんし、事前に知識を得ていなければ、そもそも本番リリース後に真のボトルネックに気づくこともできませんでした。

今回の経験をもとに、次回からはもっと効果的な改善作業ができると思っています。

知の難きにあらず、知に処するは則ち難きなり
(読み:チのカタきにあらず、チにショするはスナワちカタきなり)

『韓非子』説難篇

知ることが難しいのではない、知ったことを臨機応変に活かすことが難しいのである、という言葉。

知識を得ただけで満足しては勿体無いと思います。

むしろ、知識を得てからが本番です。

本当に大事なのは、得た知識を自在に活かして行動すること。

本やネットで新しく知ったことがあれば、忘れないうちに試してみましょう。

実際に行動することで理解も深まりますし、その経験から次の知識につながることもあると思います。

私も知識を臨機応変に扱うことができるように、日々実践を大事にしていきたいです。


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