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小鳥書房
2021年2月24日 01:57
小鳥書房を訪れる人たちは、本を買わない。買わないどころか「悩みごと」を持ってきては置いていく。家庭の悩み、恋愛の悩み、仕事の悩み、人生の悩み、企画やアイデアの悩み…。本屋としてどうなの!とツッこみたくもなるけれど、新たな悩みごとが持ち込まれる瞬間が、店主である私も嫌いではないのだ。というかむしろ、そういう無遠慮な関係性をカウンター越しに築けることに微笑ましさすら感じているのだから、店として儲かるわ
2021年2月15日 22:52
小鳥書房は、ひとり出版社であり、ひとり本屋。のはずだった。なのに気づけばひとりではなくなっていた。これは自然なことなのか奇跡だったのか、いまもわからずにいる。客からスタッフへ。カウンターを越える本屋が開店して数日後、印象的なお客さんが店に来てくれた。笑顔が眩しく明るい女性で、「ここが開店するのを、商店街の買いものついでに毎日覗いて心待ちにしていたんです」と声をかけてくれた。うちのお客さんたちは
2021年2月12日 23:30
前回まではこちら↓これまで綴ったように、本と本屋と旅は私の人生に欠かせない。それらがつないでくれたいくつもの縁に気づかされたのは、「誰と生きたいのか」という問いだった。国立市谷保のダイヤ街商店街に本屋を構えたのは、私なりのその答えなのだろう。「本を売る」という特別な仕事大学卒業後の2010年、私は童話作家を目指して地元の名古屋から上京した。最初に住んだアパートは、西武新宿線の花小金井駅から