小鳥書房

落合加依子が東京国立市で営む出版社。「たったひとりが心から喜んでくれる」 本づくりがし…

小鳥書房

落合加依子が東京国立市で営む出版社。「たったひとりが心から喜んでくれる」 本づくりがしたくて2015年設立し『ちゃんと食べとる?』 『本屋夜話』など出版。 編集仕事に雑誌『怪と幽』(KADOKAWA)ほか。小鳥書房文学賞を主催。 出版社に併設して本屋も(水〜土13〜19時開店)。

マガジン

  • あつかんオン・ザ・ロード

    この連載ついて 日本酒を愛するDJ Yudetaroが全国の熱燗を求めて旅する連載企画「あつかんオン・ザ・ロード」。毎月15日の18時公開予定です。第1回は7月15日18時に公開します。

  • 【連載】犬の看板探訪記〜関東編〜 | 太田靖久

    犬を愛する小説家・太田靖久さんの「犬の看板探訪記〜関東編〜」の連載です。 公開日時は毎月30日18時で、全12回の予定です。

  • 募集している記事

    小鳥書房や、まわりのお店にまつわる募集記事をまとめます。

  • インターン日記

    小鳥書房で編集や本屋の修業をしてくれたインターンさんたちが綴る、個性豊かな日記です。

  • 小鳥書房の往復月報

    谷保のちいさな本屋であり出版社でもある小鳥書房の店主・落合とスタッフ・ゆういちが各月の雑感を「往復月報」として交代にゆるゆると記します。小鳥書房の月誕生日、毎月26日に更新予定です。今月は皆さんにとってどんな月でしたか? 一緒に振り返りながらゆったり読んでいただけれたら幸いです。

最近の記事

  • 固定された記事

理想と現実と本屋讃歌

「本屋なんていう儲からない商売、大変でしょう、続けるのは」 小鳥書房の本屋を開店してからしばらくの間、私はこの言葉に滝行のごとく打たれ続けることになる。滝行と違って心身が浄められるどころか、不安が掻き立てられるだけなのだけど。“本屋=儲からない”の方程式を追究して答えあわせしようとするより、1日でも長くこの店が続くように1冊でも本を買ってくれたらいいのに…。そう思いながら、「たしかにそうですね。でも50年続けたいので、よろしくお願いします」と繰り返し返答し続けた。 “売上

    • 番外編 出雲・日本酒のルーツを辿る旅|あつかんオン・ザ・ロード|DJ Yudetaro

      サンライズ出雲号の個室寝台で目が覚めたのは朝の7時ごろだ。 岡山を過ぎ、車窓の緑が色濃くなってきた。日本酒の起源を辿りに出雲に向かっているが、私は行き詰っている。 数日前にネットで出雲の下調べをしていたら、佐香神社という場所が「日本酒発祥の地」と紹介されており、せっかくだからそこへ行ってみようと計画を立てた。 日本酒の起源について大雑把な知識しかなかった私は、もう少し深堀しようと何冊かの本を図書館で漁り、資料をコピーしたりして車内に持ち込んだ。 それを昨夜から眺め、出雲と日

      • 2024.6.17〜6.23 週日記

        2024.6.17(月) 家から出ていない 朝も昼も夜もなくミルクをあげていて、もう自分が眠いのか眠くないのかもよくわからない。でも4時間に一度、空腹で泣き出す娘の声が時報代わりになって仕事がはかどっている。外部編集として関わって6年目となった妖怪雑誌の取材先にメールを送り、疲れて布団に横になると、スマホから流れるのは柴田聡子「愛の休日」。夜勤から帰宅した夫に「不思議な曲だね。どんなときに聴くの?」と聞かれて「うーん、なんでもないときかな」って答える。わたしにはなんでもない

        • 2024.6.14〜6.16 週日記

          2024.6.14(金) 家から出ていない 昨夏から黙々と編集してきた、ひとり暮らし100人のエッセイを集めた書籍『ワンルームワンダーランド』を今夜ついに入稿する。仙台の友人ゆりちゃんが、いまもデータの最終チェックを進めてくれているはず。部屋にはそのひとそのものがあらわれる。意図した部屋でも無防備な部屋でも。部屋から限りない未来が広がってゆく、生活のなかのそんな煌めきを本として残したかった。本づくりに懸けられる時間が、人生の残り何年かわからないけど、そのうちの1年をこの本に

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        理想と現実と本屋讃歌

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        • あつかんオン・ザ・ロード
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        記事

          太田靖久『「犬の看板」から学ぶ いぬしぐさ25選』刊行|犬の看板探訪記スピンオフZINE|文フリ東京

          編集担当Sです。ついに「犬の看板探訪記」全12回の連載が終了しました。いつも楽しみにしてくださった皆さん、本当にありがとうございます! 犬の看板探訪はポップでハード 全12回の連載で50〜60の自治体を訪ねたでしょうか。出会った犬の看板は300枚超。どこにいっても、DOGモたちが待ち構えていてくれました。犬の看板探訪はポップでハード…。簡単に見つかるときもあれば、いくら探しても見つからないときもあります。でも、これがクセになる面白さでもあります。 嬉しいご報告① ZIN

          太田靖久『「犬の看板」から学ぶ いぬしぐさ25選』刊行|犬の看板探訪記スピンオフZINE|文フリ東京

          第10話|島根県・出雲市編|あつかんオン・ザ・ロード|DJ Yudetaro

          数年来、燗酒界隈の知り合い複数名から「出雲にあるこん吉堂っていうお店、いいよ」と聞いていた。 関東在住の身で、首都圏以外のお店、それも大阪や京都、札幌といった大都市ではない島根県出雲市のお店を推奨されるとは珍しい。 情報をくれた人に対して「どんなお店なんですか?」と返すと「"粉もん"をつまみに燗酒が飲める店!」という答えがくる。 粉もんとは、よく関西の人が使うお好み焼きやたこ焼きといった食べ物を指す言葉だ。正直私はそれほど粉もんに食指が動かない人間ではあるが、燗酒との組合せと

          第10話|島根県・出雲市編|あつかんオン・ザ・ロード|DJ Yudetaro

          〈第十二回〉犬の看板探訪記|関東犬・追憶編と参拝編|太田靖久【最終回】

          追憶編  連載最後の第十二回は関東犬・追憶編と参拝編だ。そのタイトルだけを先に決めていたものの、具体的にどこに行くのかは未定だった。  正直に告白するなら、今連載のクライマックスは第七回の<福岡犬編>だったといえるだろう。探訪の原点である【プンスカ犬】との再会を無事遂行したことで、大きく描いた輪は閉じられた。ただきれいにオチがついても終わらないのが人生であり、そのはみ出した部分にこそ濃厚なおもしろさが潜む場合もある。ささやかなカタルシスに酔って少し休んだら、またどこかに出

          〈第十二回〉犬の看板探訪記|関東犬・追憶編と参拝編|太田靖久【最終回】

          第9話|千葉県・成田市、神崎町編|あつかんオン・ザ・ロード|DJ Yudetaro

          成田~青い空間で出会った極上の燗酒と蕎麦~ 横浜駅から乗り込んだ成田エクスプレスの車内は私以外全員、布団くらいの大きさがあるスーツケースや荷物を抱えた人たちばかりで、トートバッグ1つだけの私は時々怪訝な目で見られたのだった。海外でもなく、空港にすら向かわず、その手前で熱燗を飲みに行くために降りる客は、私くらいのものだろう。 千葉に住むDJ Razzから「成田に燗酒が美味そうな店がある」と聞いており、行くタイミングをうかがっていたのが、とうとう実現したのである。 3月中旬

          第9話|千葉県・成田市、神崎町編|あつかんオン・ザ・ロード|DJ Yudetaro

          〈第十一回〉犬の看板探訪記|栃木犬編|太田靖久

           十一回目の探訪は栃木犬編だ。2024年2月現在、栃木県には25の市町が存在する。今回は日程と同行者を変えて電車と車の二回にわけて探索した。連載を重ねる中でどうしても既出の【フリ素系】が多くなり、各看板の分析や説明が簡素になってきているため、たくさんの市町を訪ねることで初出の看板や【オリジナル系】を発見する確率をあげたいという思惑があった。  以前に栃木県内で撮影した看板の一部を先に紹介する。栃木市、野木町、小山市、足利市である。  別途、栃木県内には「栃木県動物愛護指導

          〈第十一回〉犬の看板探訪記|栃木犬編|太田靖久

          フェミニズムを理解するように熱燗を理解すること ~飲む人も日本酒も差別されないために~|あつかんオン・ザ・ロード番外編 |DJ Yudetaro

          はじめに 個人的な都合で取材に行けなかったため、今回の旅の記録はお休みとする。 だが、連載開始当初からこの企画はあたためており、一度は書いておこうと思っていた。 あつかんオン・ザ・ロードは、熱燗の場を巡る旅であり、私にとっての理想の場とは、飲み手の人種/性別・日本酒の種類/温度帯が差別されることなく楽しめる空間である。 当初、全国の居酒屋、酒場に顔を出すなかで、それがしばしば侵害されるであろうことを覚悟していた。不寛容で排他的、保守的な側面を持ち、昭和の悪習の残香に鼻

          フェミニズムを理解するように熱燗を理解すること ~飲む人も日本酒も差別されないために~|あつかんオン・ザ・ロード番外編 |DJ Yudetaro

          旧国立駅舎に3日間限定「国立駅前ドーナッツパーク」開園!(3/15〜3/17)

          「国立駅前ドーナッツパーク」が2024年3月15日(金)・16日(土)・17日(日)の3日間、JR国立駅前にある赤い三角屋根の「旧国立駅舎」(東京都国立市東1-1-69)で開園する。 旧国立駅舎の運営を支える「旧国立駅舎運営連絡会」と、国立市のまちづくりを考えるワークショップ「クラブサバーブ」の参加者有志がコラボレーションして企画し、今回はじめて開催する。旧駅舎内に天体を投影して宇宙にしたり、旧駅舎周辺の屋外に芝生を敷いて本棚を置いたり。夕方〜夜にかけてのアフターワークを心

          旧国立駅舎に3日間限定「国立駅前ドーナッツパーク」開園!(3/15〜3/17)

          〈第十回〉犬の看板探訪記|東京犬23区編<その2>と<その3>|太田靖久|ゲスト:わかしょ文庫

          太田靖久 十回目の探訪は東京犬23区編<その2>と<その3>だ。今回は2回にわけて探訪しており、日程も同行者も異なっている。  連載第2回目の<その1>で9区(江戸川区、江東区、中央区、千代田区、台東区、文京区、葛飾区、足立区、荒川区)を訪れ、連載第4回目の滝口さんゲスト回で1区(世田谷区)を終えているため、撮影済みは計10区だ。東京犬23区編はすべての区の制覇が目的であり、残りは13区となる。 <その2>  <その2>では「東京メトロ・都営地下鉄共通一日乗車券」を活

          〈第十回〉犬の看板探訪記|東京犬23区編<その2>と<その3>|太田靖久|ゲスト:わかしょ文庫

          インターンみく 2023.10.30

          教育の話① 私が、谷保に初上陸して約5分。幼い男の子が1人で自転車を停めようとしていた。 ママは見守るだけ。 「どうやったら上手に停められるかな。頑張ってるね~!ママ手伝おうか?」 男の子は無言。 そこに白髪のおばさまが登場。応援隊員がもう1人増えた。   「あら1人でできるんだ!えらいね~!すごいすごい!賢い!」 そして、男の子、無事駐輪完了。 なんと尊いことか。  1人で頑張りたい男の子。(褒められたいのかもしれないし、ただ楽しいのかもしれない) 見守るママ。(応

          インターンみく 2023.10.30

          インターンはるの 2023.10.23

          こんにちは、小鳥書房で10月11日から1週間インターンに参加した はるの です。 前回のインターン日記では前半の2日間のことを書いたので、今回は後半の2日間について書こうと思います。 電車の乗り換えを間違えてしまい、インターン3日目は30分ぐらい遅刻しました。 京王線の分倍河原に着くはずの時間に、まだずっと手前にいたんです。何を間違えたのか今でも分からないのですが、そもそも電車のルートを調べる時点でまちがえたか、予定していた電車よりもゆっくり進む電車に乗ってしまったのか、

          インターンはるの 2023.10.23

          インターンはるの 2023.10.19

          はじめまして、10月11日からの1週間、小鳥書房にてインターンをした はるの です。 インターン日記では、小鳥書房にお邪魔した4日間のことを前半の2日間と後半の2日間に分けて書くことにしました。 まずは少しだけ自己紹介をしておきます。 私は都内の大学に通っている4年生で、大学では人類学を勉強しています。 もともと小鳥書房のインターンのことは1,2年ほど前から知っていたのですが、タイミングが合わず、学生生活が少し落ち着いてやっと参加することができました。 読書も本屋さんも好き

          インターンはるの 2023.10.19

          インターン彩夏 2023.10.2

          9月15日~9月21日の一週間インターンに来ていました、彩夏です。 インターンを終えてつくばに帰ってきて一週間と少しが経ちました。サークル・バイト・学生自主研究誌の中間発表会など、いつも通りの忙しない日々が戻ってきたという感じがします。大学の夏季休暇も今日で最終日を迎え、明日からまた授業が始まって忙しくなるのだろうなと考えながら、夏休みの締めとしてこの日記を書くのだと思い起こし、眠たげな昼下がりにパソコンを開いてカタカタと文章を綴っているところです。そこはかとなく書き記した回

          インターン彩夏 2023.10.2