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新刊『ワンルームワンダーランド ひとり暮らし100人の生活』のこと

2024年7月17日(水)に、小鳥書房から新刊『ワンルームワンダーランド ひとり暮らし100人の生活』を刊行することになりました。
この本は、職業も住む場所もさまざまな100 人の、ひとり暮らしの記録集です。全240ページのオールカラーで、部屋にまつわるエッセイと写真を100人分掲載しています。
https://kotorishobo.theshop.jp/items/87474084

「部屋は、言葉を話すわけじゃない。でもありったけの息を吸って暮らすわたしたちを、静かに見守ったり叱ったりしているのかもしれない。
記憶も匂いもそこに残って、見慣れたはずの毎日の隙間に、あの恋やあの会話、さみしさ、まばゆさが染みついている。」

(「はじめに」より)

この本の企画は、わたし(小鳥書房の店主おちあい)が生活というものに興味をもったことから生まれました。
数年前から、わたしは暮らしを模索していました。上京や離婚などを経て、引っ越した回数はトータル16回。いい大人になっても自分がどんなふうに暮らしたいのか、どんなふうに生きたいのかもわからない。だから自宅アパートの部屋は片づかないし、どこからどう手をつけたら自分らしい部屋になるのかわからない。
その模索はいつまでも終わらない気がするのだけど、きっと部屋には今のそのひとが表れる。意図した部屋でも、無防備な部屋でも。ほかの誰かと暮らす部屋ではない、ひとり暮らしの部屋ならなおさら。
わたしと同じようにひとりで暮らすひとたちは、一体どんなふうに家や自分の人生と向きあっているんだろう。ただそれを知りたかったのです。

そんな個人的な思いから、この本のテーマを「ひとり暮らしの部屋にまつわるエッセイ集」に決めました。
そして昨年の夏、友人知人100人に声をかけて執筆依頼をスタートし、ようやくこうして刊行することができました。

部屋全体が写る写真と、お気に入りのものを写した写真も載せています


わたしと、この本を一緒に制作してくれた佐藤友理さんは、100人の書き手それぞれの部屋に流れる時間を想像しながら、この本を編集していました。
ひとり暮らしを始めたばかりの部屋、停滞と安堵が漂う部屋、そのひとの歴史が詰まった部屋、誰かの気配が残る部屋、これから先の長い時間が見えるような部屋……。
それぞれの部屋の中に誰とも違う生活がある、ただそれだけのことなのに、100人分の暮らしの営みがこうして綴じられていることが、どうしてか心強く感じられます。

派手さはないけれど誠実で優しい、とてもささやかでいい本になりました。
小さなひとつの部屋(ワンルーム)から、限りない未来が広がっていきますように。

■編著者プロフィール

落合加依子
1988年名古屋市生まれ、東京都在住。ちいさな出版社と本屋「⼩⿃書房」の店主。住まいのある⾕保(やほ)という町と、そこで暮らすひとたちが好き。⼝ぐせは「やっほー」。著書に日記本『浮きて流るる 小鳥書房店主日記2021年3月~2022年6月』がある。

佐藤友理
1988年生まれ、仙台市在住。文化施設職員。遠くで暮らす十人のエッセイ集「まどをあける」企画編集。家事のお供にラジオを聴くので、聴きたいラジオが決まるまで家事が始まりません。

■本のご入荷について

小鳥書房の本はどの本も、直取引もしくは取次経由でご入荷いただけます。
直取引をご希望の場合は、メールアドレス(staff.kotori★gmail.com ※★を@に変えてください)にご連絡をお待ちしております。
取次経由(返本可)をご希望の場合は、弘正堂宛にFAXでご注文いただくか、ふだんお使いの取次にご注文いただければ幸いです。
http://www.kouseido.server-shared.com/kaisha.htm

注文書はダウンロードしてご自由にお使いください


■本のサイズや定価など

『ワンルームワンダーランド ひとり暮らし100人の生活』
編著=落合加依子、佐藤友理 
エッセイ=100人の皆様

装丁・組版 佐藤友理
編集 落合加依子(小鳥書房)、佐藤友理
印刷・製本 シナノ書籍印刷株式会社

並製、B6、帯あり、240ページ
ISBN978-4-908582-12-7
定価:2,000円+税
発行:小鳥書房

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