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唇の赤いリンゴ/レスキューミー

9月27日の朝に時間は戻る。ぼくは上唇の中央左が腫れていることに気づいた。赤く柔らかいしこりのような感じ。かゆみや痛みはない。ふくらんだせいでぼんやりとなった感覚だけがある。口内炎やニキビはよくできるのだが、これはいったいなんだ?!

そこで強制発動したぼくの不安障害・病気不安!できものやほくろを発見するたびに、がんかもしれない!と真剣に思い悩んでしまう。上唇に生った赤いリンゴの謎を解くために、ネットの海を無我夢中で駆け巡る!唇周囲にできる病気はいくつか発見したものの、自分の症状とは噛み合わない気がする。そこでぼくの頭に電流走る!歯医者に行くんだから、唇も診てもらえるのでは?!という閃きが!電話してみると、先生が診ますとお返事してくださって一安心。

時は午後。エアコン修理工事へと再び舞い戻る。3時間はかかると言われていた工事が、なんと2時間ほどで終わったのだ!歯医者へ行くことを事前に伝えていたため、急いでくれたのかもしれない。メンテナンスの方、ほんとうにありがとう!感謝しかない!

さらにここでまた閃きが!今からなら16時に皮膚科へ行って、17時の歯医者に間に合うのでは?!乾癬の治療のことで通院する時期だったし、これは行けと運命が告げている!爆速でネット予約を取り、皮膚科へ向かった。しかもありがたいことにめちゃくちゃ空いている!タイミングがよかった!

唇の腫れは表面をこすって顕微鏡で確認してもらったりした結果、唇で炎症が起きているのでは?という話だった。人に移してしまうような病気ではなくてよかった。「悪いものじゃないと思いますよ」という一言に安心する。抗生剤のビブラマイシン錠(6日分)と、アクアチムクリーム(にきびの薬、細菌感染治療)を使って治療開始。
炎症があって痛かった左ひじは、アクアチムクリームを塗り続け、ひじをつかないようにしてだいぶ治ってきた。色素沈着して黒いのだが、これはそのうちに消えてくるらしい。今後は乾癬治療薬のオキサロールローションを再開してくださいということだった。こちらも一安心。いつも丁寧な診察をありがとうございます!

続いて歯医者へ。先生に皮膚科で聞いた内容や薬を報告。それを踏まえつつ、先生も診てくださった。唇の触診をした感じだとやわらかいしこり。アレルギーでこういうことがあったりするという話も聞くことができた。

「不安障害だとこういうのが全部がんに思えて不安なんです」
「これは絶対にがんじゃないから大丈夫。がんだったら白かったり、もっとじゅくじゅくしていたりする
から。もし続いて気になるなら口腔外科も紹介できるからね」

こちらでも先生の丁寧な診察と声かけに癒される。皮膚科と歯医者、隙のない二段構えでほっとした。気さくな先生でいつも相談しやすくてありがたすぎる!

さて、ここに来た本来の目的は右下の虫歯を治療するためだ!忘れてはいけない。今までは歯石取りメインだったが、いよいよ虫歯攻略戦が始まる。前よりも強めに麻酔をかけて、いざ勝負!歯医者さんといえば「痛かったら左手を上げてくださいね」だよね。ぼくは人生で一回だけ手を上げたことがあるが(この歯医者ではない)、「もうちょっとだから我慢して!」と言われた思い出が胸に突き刺さっている。なけなしの勇気はあえなく散った。この治療はまったく痛みはなく、あっけないほど無事に終了。麻酔が切れてからが痛くなるかもしれないからとだけ伝えられた。次は右上の虫歯を治療予定!

さて、お会計を待っていると、見知らぬ番号から電話が。訪看さんや相談員さんかな?と電話に出ると、なんと救急隊員さんだった!
「いま、お父様を救急車で病院へ搬送しています」
「ええ?!」
「もうすぐ戻られると伺いましたが、どちらにいらっしゃいますか?」
「えっと…病院です」
「病院ですか?!」

救急で迫真の瞬間なのに、なんか間の抜けたやり取りになってしまった。病院に付き添ってほしい人が病院にいるというケースはレアだろう。もう会計を済ませるだけなのでと伝え、終わりしだい救急外来へ向かうことに。

30分ほどして、救急外来へ到着。父は採血の結果待ちをしていた。1時間ほどで結果が出るとのこと。まさかまたここに来ることになるとは…。何度も付き添いで訪れている救急外来。今日は予定が詰まっていたこともあって、自分がぶっ倒れたい気分だった。レスキューミー!!

結果としてはデータは異常なし。心臓手術後の推移も悪くない。便秘がたたっているのと、メンタル面での負荷が大きいのではないかとのこと。どうしても食欲がない時は、アイスクリーム(氷菓ではない方)でもいいから口にするといいですよと言われた。調べてみると、牛乳で作られたアイスクリームはタンパク質やカルシウムが摂れるのでいいみたい!これは勉強になった!

点滴が終わり、父を車いすに乗せてぼくの車へ。とにかく慌ただしい一日だった。でも、父の不安感が消えない限り、また同じことの繰り返しになるに違いない。明日は地域包括支援センターの相談員さんが来訪予定だ。そこでショートステイ利用の提案をしてみよう。そう考えていたぼくだったが、まさか明日もとんでもない事件が待っているとは知る由もなかった。

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