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大国主神VS刀剣の神 神話の力 神様も“失敗”して成長した。百三六

刀剣の神の一手は?


おはようございます。全国に大雨による避難指示が出ています。
どの地域も難が少しでも小難に、小難が無難でありますように……。


神さまも“失敗”して成長した、神話の物語。

高天原の天照大御神さまの言向けを授かり、
地上の出雲の国の、稲佐の浜に降り立った、
武力の刀剣神の建御雷之男神(たけみかづちのかみ)さまと、
天鳥船(あめのとりふね)さま。

建御雷之男神(たけみかづちのかみ)さまは
波打ち寄せる浜辺に降り立つと
腰に帯びた十拳剣をさっと抜いた
のです。

地上のみなが驚き、騒然となります。

天上界VS地上界、争いの火ぶたが切られるのでしょうか!

と、その次の瞬間建御雷之男神さまは、
いがいな行動をとられたのです。

なんと、十拳剣を、出雲のみなに向ける、
のではなく……。
十拳剣を逆さまにされて、
波打ちよせる海岸に、剣を刺したてた
のです。
剣の柄(え)の部分を、砂浜に刺しこみ
鋭い剣先は、天に向けて刺したてました。

建御雷之男神(たけみかづちのかみ)さまは、
その刀剣の切っ先に足を組んであぐらを組まれて座ったのです!!

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↑こんな感じ
見ていた出雲のみなも、驚いたでしょうね。

そして、出雲の王、大国主神さまに対してこう話しかけました。

天照大御神さま、高木神(高御産日神)さまの命を受けて参った。
大国主神にもの申す。
そなた治めている、この葦原中つ国は、
天照大御神さまは、「我が御子が治める国だ」と、申されておられる。
さあ、そなたの考えはいかに!?


この物語が伝えているのは、
勇壮な刀剣、雷神の神である建御雷之男神さまですが、
武力を使い統治を奪いかえすのではなく、
話し合いで、このことを解決しようとした
、ということ。
武力の神ですから、見た目の強さや迫力は誰が見てもわかったでしょう。


ただ、戦ではなく、互いが意見を述べ合い話し合う……

神代の物語に、こんなことが綴られていることを
私たちは、意外と知りませんよね。

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対話による問題解決

一方、「とうとう来たか」と大国主神さまも覚悟されたはずです。
豊葦原中つ国、国造りをされてきたのは大国主神さま。
けれど、大国主神さまの妻は、須佐之男命様の娘でもあります。
この国を譲り渡すか……抵抗するのか……。
それでも、大国主神さまも武力は使われません。
建御雷之男神さまの、問いかけに
こうお答えになられたのです。

私は、もう年老いて、私だけの一存では答えられません。
私の息子である。八重言代主神(やけことしろぬしのかみ)に
その返答をさせたいと思います。
けれど、今、息子神は、鳥や魚の猟に、美保の御崎まで
出かけておりまして、戻っておりません。

なるほど~。
元祖いじめられっ子から成長し、
様々な苦労や困難を乗り越えて国造りをされた
大国主神さまは、少しでも“時間かせぎ”をして、
国をゆるがす大難だいへの即答を避けた
ようです。

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大国主神さまが成し遂げてこられた国造り……きっと、暮らしやすくいいところだったのでしょうね。
天照大御神さまが、何度も派遣した神さまたちも
“懐柔”してきました。
高天原の使命を忘れて、出雲に居つくほど佳い処だったのでしょうね。

さぁ刀剣・雷神の建御雷之男神さまは、
大国主神さまに、どう対応されるのでしょうか。
こうなると、知恵と知恵の勝負。
交渉力がカギ
を握りますね。

武力や戦ではない
話し合いの問題解決

神話を今にも活かしたいですね。

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―次回へ。

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