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力比べ 大国主神様の国譲り 神話の力 神様も“失敗”して成長した 。百三八

大国主神の息子 建御名方神


こんばんは。夜になりましたが、一時「ことの葉綴り」に向かいます……。


神さまも“失敗”して成長した、神話の物語。

豊葦原の中つ国は、高天原の天照大御神さまの御子神のものです。
私たちは出雲の国を、お譲りすることにいたしましょう。

大国主神さまの息子・言代主神さまは、
武力で戦うことをせずに、
平和のうちに、国を譲ると宣言されました。

高天原から、三度の使者を出したものの
国譲りは、叶いませんでした。
ようやく、それが叶いそうなのです。
四度目の使者となった建御雷神(たけみかづちのかみ)は、
事代主神さまの言葉を受けて、
大国主神さまへこう申されて、念を押されました。

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今、あなたの御子の事代主神が、このように申した。
ほかにも、天津神からの言向けを伝えるべき子はいますか?

またもう一柱(一人)、建御名方神(たけみなかたのかみ)という子がおります。それ以外にはおりません。

大国主神さまも、もう国譲りのお覚悟を決められたのでしょう。

そうこうするついに、もう一柱の大国主神の息子である、建御名方神(たけみなかたのかみ)が、千人ほどでようやく動くような巨岩を、手の先で軽々と持ち上げて、やってくるではありませんか。

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建御雷神VS建御名方主神

誰だ!? 何の用なのだ? 私たちの国に来て、こそこそとこのようなものを言っているのは? この出雲の国を奪おうというのなら、力比べをしようではないか。
まずは、私はそのあなたの手を掴もう

と、建御名方主神(たけみなかたのかみ)は、
高天原の使者である、建御雷神(たけみかづちのかみ)の手をつかみ、握りつぶそうとしました。

手を掴むというのは、神さまの力比べ

ところが……。

ええ? なんなんだ、いったい?!

しっかりと握りつかんだはずの、建御雷神の手が、氷のつららへと変わったのです。
さらに次に瞬間には、氷のつららから、剣の刃へと変わったのです!

建御雷神さまは、刀剣の神、雷神ですからね。

おおっ~これは!?

と、建御名方主神さまは、目を見開いて驚き、氷、鋭い剣先へと変わった手を放し、怖れおののいて退きました。

そりゃあそうですよね。
腕だと思っていたら、いきなり冷たい氷のつららへと変化し、
さらに切っ先鋭い剣の刃になったのです。
つかんでなんていられません。

はっはっはっ今度は、私がそなたの手を取ろう!

そう、笑いながら建御雷神さまが、建御名方主神さまの腕を取りました
そして、若い葦の草を根っこから引き抜くように、腕をひっぱり、
思い切り投げ飛ばした
のです。

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建御名方主神さまは、あまり恐ろしさに、逃げ出しました。
逃げた建御名方主神さまを、建御雷神さまが追いかけます。

逃げる、逃げる、出雲から逃げて走る建御名方主神さま!

それを追いかけて走る、建御雷神さま!

さぁ建御名方主神さまは、逃げ切れるのでしょうか?

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―次回へ。

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