見出し画像

和歌・なでしこのような恋心

「ひさかたの雨は降りしくなでしこが
 いや初花(はつはな)に恋しき我が背(せ)」
 万葉集巻20・4443 大伴家持


雨がしとしとと
この世界を優しく濡らすように
やわらかに降り注ぐ


その中にぽつんと、
まるで今はじめて咲いたような
なでしこの花


この花のように
いつまでもわたしの恋心は新鮮で
色褪せることがない


はじめて出会った時から今でも変わらず、
何かにつけてあなたを思い出し、
愛しさが込み上げてくるの


「この可愛いなでしこをあなたに見せたい」


ほら、
またあなたのことを想ってしまったわ


わたしの愛しいあなた

*

この歌の作者の大伴家持は男性ですが、
宴のときに遊びで
女性の気持ちになって詠んだ恋歌です。


大伴家持は
なでしこの花が好きだったようで、
よく歌に詠んでいます。


秋の七草の一つでもあるなでしこ。
可憐で可愛らしい姿が
なんとも愛しくなる花ですね。


長かった夏が終わり、
いよいよ肌寒くなってきました。


みなさん体調崩されないように
ご自愛下さいね^^

この記事が参加している募集

#古典がすき

3,994件

#今日の短歌

39,143件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?