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和歌・純粋な君を愛しているよ
「道にあひて 咲(え)まししからに
降る雪の 消(け)なば消(け)ぬがに 恋ふとふ 吾妹(わぎも)」
万葉集巻4・624 聖武天皇
(道ばたで一目あって微笑みかけただけなのに
まるで降る雪が消えていくように
消え入りそうなほどわたしに恋をしているという愛しい人よ)
万葉集では
恋に身をやつし
消えてしまいそうだという表現がよく出てくる
思い詰めるほど
相手に想いを募らせて
自分のことなどかえりみられなくなる。
痛いほどに恋い焦がれるあまり
苦しくて消えてしまいそうになる。
女の一目惚れだったのだろうか。
自分が微笑みかけたことがきっかけで
消え入りそうになるまで想いを募らせるとは、なんて純粋で可愛らしいひと…。
自分のことを痛いほど想っている恋人を、
愛おしい目で見つめている男がここにいる。
男は女に、とてもあたたかい眼差しを向けてくれたに違いない。
その微笑みから女は、男の心の優しさを感じ取ったのであろう。
どこまでも純粋な女に、
どこまでも優しい男の美しい恋の歌。
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