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和歌・あなたの想いのカケラ

「風に散る花橘(はなたちばな)を袖に受けて君が御跡(みあと)と思(しの)ひつるかも」
万葉集巻10・1966


心地よい風が吹きわたる野。

風に吹かれて、
たちばなの花の
柑橘系のかおりがさわやかに香る。

その香りにうっとりしていたら、
花びらがわたしの袖にひらりと舞い落ちた。

その花びらをそっと、受け止める。

「あぁ…まるであなたがわたしに残してくれた、想いのカケラみたい」

あなたはわたしを
心の底から愛してくれる。

あなたはわたしに
この世で最も美しいものを見せてくれる。
人を想う気持ちを。

それはまるで、この花のように美しい。

この美しく
爽やかな香りの花を身に受けて、
まるであなたの愛を浴びたよう。

「いつどこにいても君を忘れないよ。
愛してる」

花橘を散らした風の音に、
あなたのささやく声が聞こえる。

*

今の時代ネットで検索すればいくらでも
画像は出てきますが、
現物の橘をわたしは見た事がありません。

ミカンなどと同じ種類で、
柑橘系の植物らしいです。

わたしが住む地域には、
橘は育たないそうなのです。

和歌にもたくさん詠まれているので、
いつかは見てみたいものです(^^)

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