和歌・あなただからこそ
「君ならで誰にか見せむ梅の花色をも香をも知る人ぞ知る」
古今和歌集・紀友則
今年も梅の花が咲いた。
この花の色。
馥郁とした香り。
あなた以外の誰に
この梅を見せるものか。
あなたをおいて、
この花の良さがわかる人はほかにいないよ。
梅は、
厳しい寒さに耐えて
わずかなあたたかさでひらく
とても芯の強い健気な花。
あなたなら
この花の真の美しさがわかるはず。
この冬を乗り越えて、
もうすぐ春がやって来る。
わたしが感じた希望と幸福を、
あなたならわかってくれるはず。
素敵な感性を持った
大切なあなただからこそ、
この梅の美しさを分かち合いたかったんだ。
*
作者は
自分が美しいと感じた梅の花を
分かち合いたいという気持ちで、
大切な人に枝を贈りました。
その人は
「本当に綺麗だね、良い香りだね」と
一緒になって喜んでくれるような、
作者とよく似た感性の持ち主なのでしょう。
こころが通じ合っている、
とても素敵な関係ですね♡
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