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共戦神話の真相「完」

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人々より語り継がれる神々の歴史。 その実を知るのは、彼と天使のみ。 神々の苦難の真相を知ったとき。あなたは世界を知ることになる。
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記事一覧

共戦神話の真相(探知の天使)

共戦神話の真相(探知の天使)

「ミスティオも異界を閉じる手伝いをしてたの?」

「そうだよ。俺は堕天使を感知出来るから、その力を使って異界を探してたんだ。」

「竜にのって?」

「そうだよ。」

「天使なんだから、空とか飛べるんじゃないの?羽とかを使って。」

「いやまあ・・・飛べるけど、疲れんじゃん?飛ぶと。」

「いや、知らんけど・・・疲れるんだね笑。」

共戦神話の真相(界復の天使)

共戦神話の真相(界復の天使)

「シントスも異界を閉じる手伝いをしていたんでしょ?」

「そうよ。でも、完全には閉じきれてないけどね。それに、異界を見つけるのだって、すんごい大変だったし。」

「具体的にどうやって見つけてたの?」

「ほんとに地味なんだけど、竜に乗って、空間の歪みだったり綻びを意識を集中しながら探っていったの。」

「それを地上全体やったの?」

「そうよ。」

「地味というより、地道すぎるよ・・・。それ。」

共戦神話の真相(界消しの天使)

共戦神話の真相(界消しの天使)

「ソーマって神社の道を管理してたの?」

「そうだ。地上では巫女という人間が道の番人だったが、天界では俺がその道の管理をしている。」

「あと、地上にある道って記載が神話にあるんだけど・・・それって何なの?」

「それは異界だ。その異界には堕天使が隠れてることがままあるんだ。だから、上天使たちやシントス、ミスティオそれに地上の眷属であるカラスや竜たちにも協力してもらって閉じたんだ。」

「その天使

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共戦神話の真相(神の炎脚)

共戦神話の真相(神の炎脚)

「ガンペーデのその足・・・俺に燃え移らないよね?」

「燃え移らねーよ!・・・まあ、お前に邪悪な心がなければな。」

「・・・それは、ちょっと心配だな。」

「何だ?なんか良からぬことでも考えてんのか?」

「いや、良からぬことっていうかさ・・・人って誰でも少なからず、邪な気持ちは持ってるじゃん。だから、心配なんだよ。」

「ああ、そういうことか。だったら心配ねえよ。その邪な心が主になった時に燃え

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共戦神話の真相(悪魔の足枷)

共戦神話の真相(悪魔の足枷)

「ペストって堕天使たちと最初に対峙したの?」

「ああそうだ。堕天使の大半はまとまって攻めてきたから、俺の嵐の力で捕まえやすいように四方に散らせたんだ。それで、イアスやウナたちに次々と捕まえてもらっていた。しかし、しばらくそうしているうちに急に妙な力で吹っ飛ばされてな。そこから混戦になっちまったんだ。」

「誰にやられたの?」

「・・・イプノだ。あいつの力で、陣形の中央まで吹っ飛ばされた。」

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共戦神話の真相(邪を祓う雨)

共戦神話の真相(邪を祓う雨)

「ピオージャも、地上で戦ってたの?」

「まあな。最初は天界にいたんだが、ウナから“地上がやばい。守りに行け!”って言われて地上に降りたんだ。そしたら、地上を守ってた天使たちが殆ど消されててな。人間たちが堕天使に支配されかけていたんだ。だから俺の水の力で雨を降らせて、堕天使の力を天使の力で相殺していったんだ。」

「でも、なんでそんなに天使たちが消されていったんだ?」

「・・・分からねえ。でも、

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共戦神話の真相(神風と浄化の炎)

共戦神話の真相(神風と浄化の炎)

「フォリアは天界じゃなくて、人間界で戦ってたの?」

「ああ。天使の中でも位がそこまで高くない奴は人間界を守るように命が下っていてな。俺は人間界を堕天使たちから守っていたんだ。それに、天使の戦いで人間が傷つくなんて、堕天使たちからしたら、そんないい皮肉はないしな。それも防がなきゃいけなかったんだ。」

「・・・そうなんだ。」

「ほかにも色んな天使たちが戦ってた。出来れば俺も天界で戦いたかったが、

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共戦神話の真相(天界と地上の道繋ぎ)

共戦神話の真相(天界と地上の道繋ぎ)

「プーロが地上と天界を繋いだの?」

「そうだ。ビランチが“ヴェンに地上の導は作らせたから、その導と天界を繋いでくれる?”って言われてな。ソーマとシントスと一緒に繋いでいったんだ。」

「でもさ、なんでわざわざ世界を隔ててからまた繋ぐとかまどろっこしいことしたの?」

「それは、最終的に簡単にかつ完全に隔てることが出来るからだ。世界を隔てない状態だと、確かに、簡単に手助けは出来る。でも、人間が独立

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共戦神話の真相(砂漠の神)

共戦神話の真相(砂漠の神)

「カリタルって砂漠を創ったの?」

「ああ。」

「ビランチの命で?」

「そうだ。」

「何で創ったの?」

「・・・それは、人間界のバランスを取る為だ。地上の自然物を満遍なく存在させるようにとの命で、その自然物の一つとして砂漠を創ったんだ。」

共戦神話の真相(怒りの体現者)

共戦神話の真相(怒りの体現者)

「大逆の時の地上ってどんな感じだったの?」

「どんな感じって・・・この世の終わりって感じだったな・・・。呆然としたよ。」

「でも、人間たちを雷で守ったんだろ?」

「・・・最初は守る気なんてなかった。俺は天使の中でも階級が低いから、堕天使に関わったら容赦なく消されてしまう。」

「・・・じゃあ、なんで助けてくれたの?」

「・・・浮かんだんだ。ビランチたちの顔が。ビランチとかシェンスの悲しい顔

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共戦神話の真相(伝えの烏)

共戦神話の真相(伝えの烏)

「ラスポが堕天使たちの住処みたいのを突き止めたんでしょ?」

「正確には、堕天使たちが利用している人間の集会場だがな。当時堕天使たちは、人間の生命エネルギーを吸い取り、利用して力を得ていたんだ。俺はその場所を突き止めて、眷属の烏を使ってフォールに知らせようとしたんだ。そしたら、この瞬間をロッサに見られちまったらしくて神力の糸で烏を殺されちまったんだ。その後、俺も消されかけたが、情をかけられ、消され

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共戦神話の真相(時空の天使)

共戦神話の真相(時空の天使)

「スパツって大逆の時、地上を彷徨ってたの?」

「そうだよ。だけど、地上に堕天使たちが見えて天界に報告しに行ったんだ。そしたら、天界ではもっと堕天使がいっぱいいたんだ。それで、フォールに何があったのか尋ねたんだ。そしたら“セイとイプノが反旗を翻した!それに影響を受けた天使たちも多く攻め込んできている。地上にも多くの堕天使たちが流れ込んでいるはずだ。お前は地上の人間たちを守ってこい!”って言われてね

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共戦神話の真相(治癒の女神)

共戦神話の真相(治癒の女神)

「ヴェールって、医学の起源になったの?」

「地上じゃ、そうみたいだけど、あたしとしては面倒だったのよ。」

「え?面倒だった?どういうこと?」

「だって、困ったことがあるとすぐに祈祷、祈祷なんだもの。あほなんじゃないの?って思ったわよ。」

「ヴェール。口悪くなってる汗。」

「だって、いくら天使の力に肖れるからって、頼りすぎなんだもの。だから巫女に憑依して“神に頼る前に自分でやろうとしました

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共戦神話の真相(季節折々)

共戦神話の真相(季節折々)

「ヴォルティって何で季節を作ったの?」

「それはね、自然の美しさを知ってほしかったの。それに、自然の盛衰を見ることで色々と想像して欲しかったの。きっかけを作れば、思考を深めることが出来るでしょ?」

「思考を深めるねぇ・・・。」

「思考を持ってしまった以上、それをコントロール出来るようになることでしか、あなたたちの心を平穏にする術はないと思ってね。でも、そのおかげで地上は住みづらくなっちゃった

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