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自分との約束を思い出すとき
ときどき、夢見るように自分の手をかざして見つめることがある。
この手が、みんなみたいにきれいだったら。
白くて、傷一つなくて、大写しになっても写真に耐えうるような手だったら。
きっと、結婚指輪がよく似合うんだろう。
わたしは物心ついて以来一度も、両手からアトピーの傷がなくなったことがない。正確には違うのかもしれないけれど、わたしの手が汚くなかった時のことを、わたしは思い出すことができない。
自
31歳という地点から振り返る景色
去年生前葬をして、20代のきらめきを存分に成仏させてから、少女性というものへの苦しい執着がすこしだけ、いや、かなり、手を離れたような気がしています。ほのかに寂しい気持ちはたしかにありますが、それよりはるかに、やっと視界が開けたような清々しさがそばにいてくれるようになりました。
今年は面白いことがどんどんやってきて、わたしのそばにいて、通り過ぎていきました。わたし(の内面)もおそらく驚くほど変わり
さわれる思い出と電子書籍
最愛の恋人からの初めての誕生日プレゼントは何?と共通の知人によく聞かれたが、彼がくれたのはKindle端末だった。
その思ったよりずっと実用的な贈り物との距離感は、最初こそ戸惑ったものだが、アマゾンプライムスチューデントに加入しているわたしとは相性が良く、殊に風邪を引いた暇な病床で横になったまま次々と作品を購入しては読めるというのが良かった。
7年が経った。
今年で31歳になるわたしだが、こ
わたしが東京にいる理由 #ALT図書館
『#ALT図書館』というTwitter企画に参加させていただきました。
写真:
水憂@wasureru22
企画:
はしこ。@hasiko_、無限@chan_mugen
わたしが東京にいる理由
「演劇がしたいならここにいちゃだめ。ここには何もない。」
体感としてはもうこちらにいる人生のほうが長いような気がしていたが、まだ地元にいた年数のほうが断然長いのだった。物心ついてからをカウントする