春のまどろみの詩

いつも同じ注文ね、と笑われるのがほんとうは嬉しかったから、ぼくは涼しい顔でちいさなフルーツパフェを食べていた、あの日はそう、暖かく乾いた風が吹いていて、不安なんてないみたいだったね、ぼくは巡礼するように、今日も死なずに生きているのです。

完璧な希望について、そんなものはないよときみが寂しそうにほほえむとき、東京は雨が降っていて、生きるための明日を部屋の隅に置き忘れてきたみたいだった、一生味方でいてね、叶わなくても願ってしまう。

ほがらかな夜、その中心には恋をする花が一輪あって、人々の幸せを祈っているそうです、音のない真夜中の香りを冷凍保存して、いつまでも食べないおくことにするよ、きみの眠る顔はだれにもあげられない。

味方でいることと好きでいること、違いがわからないからぼくは永遠に沈黙することにした、きみは暖かな部屋で幸せに暮らしていますか、その祈りだけが手を握っていてくれる。

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