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#8 亡き母が放った「怒りの叫び」で目が覚めた日 

この連載は、長年生きづらさを抱えていた私(KOTOBUKI)が、セラピストのKANNA(かんな)さんとの出会いをきっかけに、初めて自己の内面と深く向き合い、本来の魂の道を生き始めるまでの完全実話の手記――。

サイキック能力を持つセラピスト、KANNAさんから、「お母さんはまだ成仏していなくて、今はKOTOさん(私)に対して恨みに似た気持ちもありそうです」と聞き、ショックを受けた私。

そこでKANNAさんを介して直接、母と対話を始めたのが前回のお話↓↓

私への負の感情でいっぱいになっている母に、思い切って自分の本音をぶつけてみると……?


母から思わぬ一言をぶつけられて茫然自失


「ママ、私、ずっと連絡をとらなかったのは悪かったと思うけど、娘に助けを求めるのはどうなのかなぁ。普通、親だったら、娘が元気で楽しく暮らしてたら、それだけでうれしいもんなんじゃないの? 幸せなんじゃないの?

KANNAさんを介して、母にそう伝えると、思わぬ一言が返ってきた。

「……は? あんたは子どもを産んだことがないからわからないんだよ!」

ひと呼吸、間があった後、「お母さん、そう言ってますね」と、KANNAさんは少し悲しそうな目で母の言葉を伝言してくれた。

私はその一言があまりに衝撃すぎて、固まってしまった。

え、今のどういう意味? それ自分の娘に言っていいやつ? 想像の域をはるかに超える一言が飛んできて、何も言い返せなかった。

いくら子どもっぽい親でも、この言葉はないだろう……。ショックが大きすぎて、マスクの下の口があんぐりしてしまった。

少しの沈黙の後、KANNAさんは、

「お母さん、泣いていますね。静かに涙を流しています。でも、これまでずっと溜めてきた感情を初めて吐き出せたことで、少しずつ黒く凝り固まった感情のエネルギーがほぐれて、薄くなってきていますよ」

「えっそうなんですか。それはよかったです……」

「KOTOさんはお母さんにまだ言いたいことはありますか?」

「いや、今日のところはもう大丈夫です」

お腹いっぱいだった。短い会話しかしていないのに、息苦しくてグッタリしてしまった。

母との対話は私たちにとっての学びでもあった


母が誰にも言えなかった感情を初めて吐き出せたことは、ホントに良かったなと思う。これで心がほぐれて、成仏してくれるならそれでいいと思った。

だけど、娘の私にその感情をぶつけるのは、いかがなものか。あまりにひどすぎる言い草に、うなだれてしまった。

その様子を見たKANNAさんが、こう伝えてくれた。

「実は浄霊という形で、お母さんの負の感情を私のほうで浄化して、成仏してもらうことはできるんですね。

でも、それをしてしまうと、お母さんにとってもKOTOさんにとっても、“学び”につながらないと思ったので、あえてお話する機会を持ってもらったんです」

「ああ、だから対話の時間をとってくれたんですね。理解できました。ただ、正直言うと、最後の母の一言がどうも引っかかっちゃって……」

「うんうん、KOTOさん、グサッと来てるなと私も感じ取ってましたよ」

「さすがにあの言葉はないですよね? 母親だったら、子どもが元気ならそれでいいじゃんと思っちゃうんですけど」

「確かに、お母さんのあの言い方はないなと私も思いました。でも、母親としての立場からすると、それも理解できなくはないというか……。

お母さんと同じことを言ってしまいますけど、もしKOTOさんにお子さんが居て、母親という立場を経験していたら、お母さんの気持ちもわからなくはないな、と思えたかもしれませんね」

あれれ……私の思いにまるごと賛同してくれるかと思いきや、そうではない返事が返ってきて、キョトンとしてしまった。

でも、KANNAさんからもらったその視点は、これまでの自分がまったく持ち合わせていないものだった。

親というのは、母親というのは、無条件に子どもを愛するものであって、子どもに見返りなんて求めないはずだ、と思っていたから。

だけど、もし、私が自分の子どもを産んで、子育てを経験していたら、もう少し感じ方が違っていたのだろうか。

「親だって人間だもの、完璧なわけじゃない。つい子どもをアテにしてしまうこともあるし、ぜんぜんアテにならなくて、憎らしく思ってしまうこともある」

そんな風に、母親の心情を理解できたのだろうか……。

「親とはこうあるべきだ」とか、「子どもには絶対的な愛情をかけるべきだ」とか、勝手な理想像を持っていたのは、自分のほうだったのかもしれない。

私、これまでの人生、「子ども目線」でしか物事を見ていなかったんじゃないか? いや、49歳にして、まだまだお子ちゃまだったんじゃないか?と、視界がバッと開いた気がした。

自分が親との関係で深く傷ついている!?


こうした新しい気づきについてKANNAさんに話してみると、

「いい気づきだなと思います。ただ、KOTOさん自身も親御さんとの関係で、深く傷ついたり、感情をたくさん溜めてきたりしているはずなので、そこについても追々見ていきましょうね」と、そっと伝えてくれた。

だが、当の私は、親との関係で自分が傷ついているなんて、想像もしていなかった。母親のことを若干疎ましくは思っていたけれど、決して嫌っているわけじゃなかったから。

今は、とにもかくにも、一刻も早く母親を成仏させたい。そうじゃないと、私の人生が始まらない。そちらのほうにばかり、意識が向いていた。

「お母さんは思いをたくさん抱えていそうなので、できたら次のセッションまでの間に引き続きお話してみますね! あ、お母さんのお名前、聞いてもいいですか?」

「H子って言います!」

「H子さんですね、 わかりました!」

KANNAさんがあまりにも爽やかな笑顔で言うものだから、ふっと肩の力が抜けて笑ってしまった。

いやはや、KANNAさんが母と直接を話してくれるとしたら、それはありがたいことだけど、一つ素朴な疑問が湧いてしまった。

幽霊の母親とマンツーマンで話すの怖くないんだろうか??

私だったら自分にしか視えない霊と話すの、めっちゃ怖いんですけど。体育座りしながら、ただ静かに涙を流しているって、もうお化けですやん。

だが、餅は餅屋だ。ここは見えない世界のプロにお任せしてみようと委ねたのだった。



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