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【プロローグ】49歳のある夏の日。私は魂の道へとつながる扉を開けた

「あなたに出会えて、本当に本当に良かった」――。

私にはそう、心の底から思える人がいる。

その人の名は、KANNA(かんな・仮名)さん。
私の運命を大きく変えた、セラピストの女性だ。


KANNAさんと出会ったのは、2022年7月7日。
49歳の、暑い夏の日のことだった。

もしあの日、KANNAさんと出会っていなければ、いまだ暗黒の中をさまよっていたんじゃないかと思う。それほど2年前までの私は、心身ともにボロボロの状態だった。

身体は鉛のように重だるく、常に首肩に痛みが走る。長年続けてきたライターの仕事にもまったく情熱が湧かず、クライアントから頼まれた仕事をこなすだけで精一杯の日々だった。

自分は何を書きたいのか、いや、そもそも何をしたいのかが、わからない。毎朝起きるたびに「ああ、今日も朝が来ちゃったか……」と、うんざりするばかりだった。

この状況をどうにかしたくて、心理学を学ぶようになった。自己啓発やスピリチュアルにも救いを求めた。健康にいいと言われるものは、何でも取り入れたし、ヨガも瞑想も断捨離も筋トレもした。だけど、何をやっても続かないし、一向に変われなかった。

私はただ、「ああ、幸せだなぁ。楽しいなぁ」って、腹の底から笑える自分になりたかった。ただ、それだけなのに……。

出口の見えない暗闇のトンネルをひたすら歩き続け、とうとう力尽きた。
それが、2年前までの私である。

そのときの自分と比べたら、今は、天と地ほど差があるのではないかと思う。

私は今、暗闇から脱する「出口」を見つけ、まばゆい光のほうへと歩き出した。腹から笑えるようにもなった。これは自分史上初の、快挙と言ってもいい。

そのきっかけとなったのが、KANNAさんとの出会いだ。私は彼女の導きのもと、初めて自己の内面を探求するようになった。

この2年、2人で対話を重ねていくにつれ、真っ暗闇だった心の中は少しずつ明るさを取り戻し、それと同時に、世界が明るく見えるようになった。街行く人の顔もなんだか優しく見えて、自然と笑みがこぼれるようになった。散歩しながら鼻歌が出るなんて、今までの自分からしたらあり得ない。

これまでないがしろにしていた自分の感覚を絶対的に大事にしようという気持ちも芽生え、違和感のある人や仕事から遠ざかるようになった。体重が12㎏減って標準体重に近づいたときには、さすがに自分でも驚いた。これも自分の身体を大事にしていこうと、不摂生な生活習慣を変えられたからにほかならない。

ライターの道以外の、行きたい方向性も見えた。実は、これこそが、最もうれしいことだった。

行く先が見えない、何をやりたいかもわからない、ただ日々をさまよっている苦しみは、私にとって心底耐えがたいものだったから。

今日で51歳になったが、人生の後半に差し掛かってやっと、息を吹き返した。文字通り、息もしやすくなって全身に酸素が巡り始めた。

私は今、本来の魂が望む道へと歩き出した。

KANNAさんと出会ったきっかけ


「KANNAさん」と出会うことになったのは、ライター仲間である、年下の友人からの、何気ない一言がきっかけだった。

それは2022年6月のこと。当時、首肩の異常な凝りと痛み、さらに膝の痛みまで抱えていた私は、家に遊びに来た友人の前で、いつものようにマッサージガンを取り出し、凝っている肩回りの筋肉をほぐし始めた。

すると、その友人は「私もこれと同じの、持ってます!」と、驚いた表情をした。

「実は私も身体がバキバキで、数年前からカイロプラクティックの施術を受けているんですよね。その先生というのが、私の長年の友達で……! その友達から『マッサージガンで筋膜をほぐすといいよ』と教えてもらったんです」と言うのだ。

「へ~。お友達がカイロプラクティックの先生なんだ! すごいね」と、興味津々で聴いていると、「KANNAさんて言うんですけどね。これがホームページ」と、サロンのHPを見せてくれた。

「KOTOさんも、身体キツイようだったら、KANNAさんの施術、受けてみるといいかも。きっと楽になると思いますよ」

友人はそう言うと、最後に気になる一言を添えた。

「KANNAさん、いわゆる『視える人』なんですよね。だから、言う相手を選んでしまうのだけど(笑)」

スピリチュアルはもう懲りごりのワケ


な、なに!? 確かにサロンのHPを見ると、KANNAさんはスピリチュアル的な能力があって、その力を活かしてカイロの施術だけでなく、カウンセリングやヒーリングも行っているようだった。

詳しく読み込んでいくと、その人のインナーチャイルドや過去生にもアクセスしながら、「生きづらさの根本原因」を探り、自身の力で癒せるように導くのだと言う。

なるほど、身体だけじゃなくて、心や魂の領域も深く視てくれるというわけか。

私は正直、そこまで取り組まなくてもいいと思った。インナーチャイルドとか、過去生とか、掘り下げていくのが、なんだか億劫に感じたからだ。

まずは身体が楽になって元気になれば、勝手にエネルギーが湧いて、自分のやりたいことも見えてくるに違いない。

それに本音をさらせば、スピリチュアルはもう懲りごりだった。

これまでさんざん評判の霊能者やスピリチュアルリーダーと言われる人に視てもらったが、一時気持ちが軽くなっても、日常に戻ればまたどんよりと憂鬱な毎日に逆戻りしてしまう。

だからついついまた相談に行ってしまうのだが、そこで方向性が見えて、ガツンとやる気が出ても、一瞬にして消えてしまうのだ。幻かのように。

私には何かをしようと立ち上がる勇気も、続ける元気も湧いてこなかった。むしろ、何かに頼るたびに自分への信頼がなくなり、生きるパワーを失っていった。

これまで、スピリチュアルで救われたためしがない。それゆえ、警戒心を持っていたのだ。

「私、カイロの施術だけ受けてみようかな」

友人にそう言うと、「うん、ぜんぜんいいと思います」とニコッと微笑み、それ以上何も言わなかった。

扉を開けたら何かが始まってしまう予感がした


KANNAさんのサロンを訪れたのは、それから2週間後のことだった。

カイロの施術を予約するだけなのに、申し込みボタン押すかどうかも、1週間以上は悩んだ。この扉を開けたら、何かが始まってしまうような、そんな恐れにも似た感情が無意識にあったからだ。

施術だけだし、やっぱり行ってみよう。
エイっと勢い、申し込みボタンを押した。

こうして私は、新しい扉を開けることとなった。

すると、そこには想像もつかない世界が広がっていた。

私はKANNAさんの導きのもと、身体の状態を改善していきながらも、内面の奥深くを探求することになった。

自分では自覚がなかったが、私のインナーチャイルドや過去生には、膨大な傷ついた感情や負のエネルギーがあって、それらがかなりの生きにくさを生み出していることがわかった。

内側にある、見たくなかった醜い感情、怒り、悲しみ、ブラックホールのように広がる絶望感……。

いろんな色や姿・形として現れた感情たちを、決して否定することなく、一つ一つ拾いに行って、手放していった。こんなにも多くの傷を抱えていた自分を、ときに抱きしめてあげながら、ときに声を上げて大泣きしながら、癒していった。

そうしていくたびに私は、私の過去を、私そのものを少しずつ肯定できるようになった。

すると、本来の魂の自分がちょこちょこ顔を出すようになった。

KANNAさんの誘導で、初めて自分の魂と対面したときは、心が震えた。
ああ、これが私の本当の姿なんだと、肌で実感できた。

ただいま、私の魂。
ずいぶんお待たせしちゃったよね。
本当にごめんね。

果てしないときを経て、やっと自分自身に帰ってきた気持ちだった。

魂の道を歩む「第一歩」としてこの手記を書く


ここまでたどり着くのも、決して順調だったとは言えない。
行きつ戻りつ、「3歩進んで2歩下がる」を繰り返しながら、それでも一歩、一歩、前に進み、魂の光を覆い隠すベールを何十枚もはがしてきた。

KANNAさんとともに歩んできたこの道のりは、私にとってかけがえのないものだ。
私が私を愛していく道のり、そのものだ。

内面の探求を始めて2年になる今も、まだまだ変化の途上にある。
暗闇に引きづられそうになって、慌てて引き返すこともある。

でも、自分の人生に対して、未来に対して、明るい希望を持っている。
これは生まれて初めてのことだ。

KANNAさんをつないでくれた、勘の鋭いライター仲間の友人は、多くを語らなかったけれど、そんな私の未来を直感的に感じてくれていたんだと思う。

このnoteは、縁あって出会ったKANNAさんという「人生の導き手」のもと、私自身が自己の内面と深く向き合い、過去の傷を癒し、本来の魂の自分を生き始めるまでの過程をつぶさに記していく手記だ。

KOTOBUKI(ことぶき)という一人の女性の、「魂の変革日記」である。

魂の道から遠く、遠く離れていた私が、生まれて初めて本来の道を歩き出そうとする、その「第一歩」として、この手記を書いていこうと思う。

(トップ画像/著作:lifeforstock/出典:Freepik)


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