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介護劇場

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高齢者が主人公。振り回されるぼく。介護・介護現場ので起こる出来事をおかしく描写して感じたことを綴っています。
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2024年2月の記事一覧

憧れの爺さん

来て早々、 「おーいタバコくれ」と一言。 デイサービスで預かっているタバコを職員から数本…

あと何ターン

息を吸い込んでいないのに、 ぼくの口からは大きなため息が出る。 「足が痺れて、歩けなくな…

入浴介助はアイデア次第だ。

デイサービスの入浴介助は、入浴前から始まっている。 ぼくはお風呂は大好きなので、朝シャワ…

相方

デイサービスでは、利用者さんの席はだいたい決まっている。 車椅子の方、足が不自由な方はト…

残された時間は限られている

デイサービス、帰り際のこと。 その人は、膝から崩れ落ちるようにして床にへたり込んだ。 た…

ケアーズ・ハイ介護職員

介護職員はいつでも、フロア全体が見渡せるような立ち位置で見守りをしなければいけない。 死…

したことのない顔

「家では大変なことになってしまって。ご迷惑おかけしますが、よろしくお願いします」 ご家族の方が、わざわざデイサービスまで出向いて挨拶に来ていた。 大変なことというのは、排泄の失敗のこと。 認知症が徐々に進み、出来ていたことがちょっとづつ出来なくなっていく。 排泄の失敗は、ある意味では折り返し地点。分岐点とも言える出来事だと思う。この出来事を境に、どんどん加速するかのように状態が悪くなる場合が多いと感じる。 介護の経験がない人にとって、排泄の処理は一大事だと思う。 汚

視界から消していく

テーブルの上にある、目の前にあるモノが気になって仕方がない。 「なんやコレ?」 「白くて…

マスクを外して語り合えるように

靴下は、埃と汗が入り混じり、布は擦れて黒く光沢を放っている。 おそらくもう何週間も洗って…