back numberの9年経っても変わらない女々しさが新曲に。
今や国民的アーティストのback number。実は私は、今年でファン歴7年。私の青春はback numberと共にあったと言ってもいい。
だから、「青い春」や「クリスマスソング」でどんどんブレイクしていく彼らを横目に、バンドファン特有の寂しさや心配を覚えた。
それは、自分だけが知っていた好きな子の秘密をみんなに知られてしまったような寂しさであり、また一般受けを狙ってバンド特有の良さが薄まってしまうことへの心配だった。
でも今回新曲の「HAPPY BIRTHDAY」を聞いて、そんな心配は杞憂だったことを思い知った。
back numberは今でも、私が知っている、私の好きなback numberだった。(もちろん表現力や演奏力など進化している部分もたくさんあるんだろうけれど、今回は核の部分の話ということで。)
新曲「HAPPY BIRTHDAY」
20枚目のシングル「HAPPY BIRTHDAY」は、TBS系火曜ドラマ「初めて恋をした日に読む話」の主題歌。
なんと、今回のシングルも含めて12作品連続でCMや映画のタイアップ曲に選ばれている。
しかし今回の曲は、ドラマとのタイアップの話が来る前からできていたという。
清水(ボーカル):ツアー中って、あまり曲を作ったことがなかったので、やってみたらどうだろうって思ったのがきっかけですね。...台本を読ませていただき、ドラマの中で流れた時に違和感がないように気を付けて、細かいところは変えましたけど、根本は変えてません。(back number 公式サイトより)
ドラマや映画の内容に合った曲がすっと心に入ってくるのも心地が良いが、タイアップを想定していなかったオリジナルソングだからこそ、近年のシングルの中でも特に、昔懐かしいback numberらしさが垣間見える曲になったのかもしれない。
内容は、「ハッピーバースデイ 片思いの俺」というフレーズが印象的な片思いソング。
新曲だとワクワクしながら聞いていたら、サビでもなんでもない、曲中に一回しか出てこないフレーズに、全神経を奪われた。
何かの手違いで
好きになってくれないかな
2010年に発売された「あとのまつり」というアルバムに収録されている「ハイスクールガール」という曲にも、こんな歌詞がある。
ああ明日になったら君が彼女になっていないかな
そうしたらもう何もいらないのにな
この、完全に人任せで、好きだ好きだ言うくせに何も行動しない女々しさが、全力でback numberだ。
女々しさがback numberらしさ
「お前のためだったらなんでもできる。」
「愛する君にバラの花束を。」
恋愛ソングは、こんな風に好きな人のためにどんどんアプローチする、自分に自信を持ったかっこいい人が主人公に選ばれることが多い。
でもback numberの曲に出てくるのは、
相手が好きで、でも上手く気持ちが伝えられなくて、悩んで考えるのをやめようとするけれど、それでもどうしても相手のことを考えてしまってさらに相手を好きになるような。
これからもチェックのワンピースを見るたびに元恋人を思い出してしまうと嘆き、別れてから相手の大切さに気がついてうじうじ反省するけれど、直して欲しいことを教えてくれればよかったのにと相手を責めずにはいられないような。
どうしようもないくらいに情けなくて、頼り甲斐がなくて、人間らしい主人公だ。
「何かの手違いで好きになるってなんだ!!!」とツッコミながら、「これだ、これがback numberだ!」と思わずファンが興奮した今回の新曲。YouTubeでショートバージョンを聞くことができるのでぜひ。CDリリースは2/27です!
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